【ひと夏の二度の経験】カルリーノの二度の実戦経験値と決め手を重視。デビュー戦は、勝負どころの直線入り口で内を突くか外を回すか。アクセルを踏み遅れたぶん、0秒3差の4着に敗れたが、34秒6という最速の上り通り、ゴール前の脚色は際立っていた。一度実戦を経験したことで二戦目は、中団手前で折り合い、イン強襲の指示にも即座に反応。残り1F標識で一気に後続を突き放し最後は手綱を抑える余裕。開催も進み馬場も傷み始めた中、やや重で1分9秒7という走破タイムも上出来。
480キロと十分馬格もあり、摩耗なく中間も攻め姿勢の調教ができている。

　対抗はナンヨーイザヨイ。スタートは上々、気合をつけるとするすると先頭に並びかけ、直線ひと追いすると二枚腰を使って快勝。前後半の3Fは34秒4-35秒0と、ほぼ完ぺき。開催初日はもっとも芝コンディションがよく、時計が速いのは当然とはいえ、1分9秒4はレコードに0秒2差。本年の函館開催では文句なしのナンバー1タイムだった。

　アスターペガサスは、新馬戦は後続に0秒4差をつける楽勝、開催二週目に1分10秒0を計測。少し頭の高い走法も徐々に矯正が進み、18日の函Wは5F・65秒台の好時計が出た。やや重だけに時計は地味だが、スズカカナロアは、ダイナミックなフォームで馬体の造りもあか抜けている。

　ホールドユアハンドは、福島1150ダートの圧倒振りが示す通り、本質はダートの短距離馬だろう。ただフラットコース・開催末期の洋芝なら、2歳早期の今なら先行力とパワーで粘り込みもある。距離短縮が鍵になるが、ラブミーファインは力勝負の芝9Fの新馬戦を勝ちあがってきた。

　函館2歳Sの基本は、「未勝利組よりも新馬組」「ダート勝ち上がり馬は基本買わない」「芝1000mより芝1200m勝ちあがり馬重視」「他場からの転戦組は割り引き」「逃げて勝ってきた馬はやや割り引き」といったところ。

　今年、芝1200mの新馬戦を勝ってきた馬は6頭で、うち函館の新馬から来たのは4頭。問題はここから先だ。新馬戦の内容しか頼るもののない2歳重賞は、2歳戦のタイムが予想ファクターとして重視されがち。ただ今年の函館は馬場状態の変化が大きかったので他の切り口を求めたい。

　そこで注目したのが新馬戦での人気。上位人気で新馬を勝ってきた馬がここでも強いかというと、さにあらず。芝1200mの新馬については、当時1.2.3番人気組より4番人気以下組のほうがここでの複勝率が上。新馬時にあまり仕上がっていない→使われての伸びシロが大きい、ということかもしれない。

　そこで5,6番人気で新馬を勝ってきた◎○から、馬券は馬連フォーメーションで。

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【混戦模様】回避馬が出たことで、無事にゲートインにこぎつけた強運の持ち主5カルリーノ。キャリアの浅い馬が当然ながら大半なメンバー構成だけに、速い上がりの2走連続使えている事実は、特別な安心感を我々に与えてくれる。先週の函館記念を勝って調子のよい藤岡佑介。鞍上の勢いにも敬意を払って本命とした。4トーセンオパールはバネが凄い!と陣営が素質にほれ込んでいる。6アスターペガサスは気性が前向き。調教の動きも勝ったデビュー戦前より、かなり良くなっている。

※月曜日段階の予想ですので回避馬が含まれるケースがございます。あらかじめご了承ください。

　函館シリーズの締めくくり、世代最初の2歳重賞。かつては時計が掛かる決着になることが通例だったが、2012年から開催が短縮されたことによって、馬場が良好な状態のまま最終週を迎えるようになっている。函館2歳Sもここ数年は1分10秒前後の速い時計での決着が続いている。

1.人気決着の傾向が強まる

　単勝10倍以上の馬が勝ったのは、重馬場で1分13秒台の決着になった2007年のハートオブクィーンが最後。以降の年はもっとも勝ち時計が遅かった年でも1分11秒2で、勝ち馬の人気は順に［2・1・2・2・3・1・4・1・2・1］(札幌開催の2009年を含む)。スピード決着で素質馬が実力をストレートに発揮できるようになっており、必然的に単勝候補の選択肢は絞られる。

2.上がり3F1位が能力の証

　最近10年間の勝ち馬のうち7頭までが、前走での上がり3Fの数字がメンバー中1位だった(2着馬も10頭中7頭)。この時期の1200戦における上がり3Fの数字は、どれだけ余力を残していたかの証明でもある。2014年1番人気で5着に敗れたマイネルエスパスは、新馬を圧勝しながら上がり3Fは3位だった。

3.差す競馬の経験が重要

　過去10年間で逃げた馬の連対は2014年の勝ち馬アクティブミノルだけ。また「前走で逃げていた」という馬の連対も6頭にとどまる。最終週ということもあって差し馬有利の傾向が顕著であり、すでに差す競馬で結果を残している馬のほうが信頼感がある。

　カルリーノは2戦目の勝ち上がりだが、2戦ともにメンバー中最速上がりをマークしている。勝った未勝利戦は稍重馬場ながら前半600mの通過タイムが34.1秒。これは今夏の函館の2歳戦でナンバーワンの数字で、勝ちタイムも第2位。今夏の函館で屈指のハイレベル戦を完勝しており、到達点は高い。キャリアとレースセンスに注目したい。

　ナンヨーイザヨイは前述のカルリーノを新馬戦で降しており、持ちタイムはナンバーワン。ただ、トビのきれいな馬だけに荒れた馬場に対応できるかが鍵になる。スズカカナロアは持ち時計は平凡だが、初戦で幼さを見せていたので上積みは大きそう。アスターペガサスはパワフルな外国産馬でレースセンスも上々。以下では、道営馬だが差す形で味があり血統的に芝替わりがプラスになりそうなレコードチェイサー、連闘になるが新馬戦が5馬身差の圧勝だったジゴロ、距離短縮が課題もセンス高く侮れないラブミーファイン。

同距離コース実績をまず重視。特に初戦の同距離コースでいきなり83勝ちの◎ナンヨーイザヨイは良い。相手に同81の○スズカカナロア。そこから2戦目で同レベル出した▲カルリーノと☆ニヴィアン。ダートからも筆頭70勝ちならば△ホールドユアハンド。あとは70台を押さえていく。

デビュー戦で鮮やかに快勝した11ナンヨーイザヨイが有力。スピードがあり末脚も切れる。上積みは必至なら能力でカバーできる。次位は10ラブミーファインでセンスが良く折り合い次第で決め脚が生かせる。▲は6アスターペガサスで完成度は高く能力的に互角。