【混戦】ウインゼノビアは初戦こそ2着も元々動き非凡で近2走で力量示す。ひと息入るも態勢整いセンスも上々で重賞Vを期待。グレイシアはデビューから連勝中で前走も強い内容。気性面考慮の仕上げも動きに覇気ありチャンス十分。トスアップは小柄で仕上がり早。能力も見劣らず争覇圏。ミディオーサも気配前走以上。ブラックダンサーも上向いており、ビーチサンバやエールヴォアなども差はない。

【絶対的速力】機動力に富むグレイシアが中心。デビュー戦はスタート後の2F目から10秒5-10秒9という高速ラップで主導、5Fは58秒4というHピッチで通過。ラスト3Fめに12秒5で一息入れ、終いは11秒4-11秒8。平坦の新潟とはいえ、1分21秒6(後続には1秒差)という逃げ切り勝ちは内容が濃い。二戦目のアスター賞は輸送もあって、少しチャカチャカ。スタートで後手を踏み、一転追い込み競馬になってしまったが、ラスト3F・12秒1-11秒3-11秒1(3Fは34秒5)というレースの上りに対し、自身のソレは33秒5。中山の急坂を、予定調和のように推定10秒台の加速ラップで直一気。変にイレこんだり、渋滞馬群で包まれたりしないかぎり、東京マイルは、逃げてよし、差してよし。絶対的速力を活かせる舞台となるハズだ。

　強敵はビーチサンバの完成度。初陣は粘り気のあるやや重、1000m通過は1分3秒3の緩ペースで展開したため全体時計は1分36秒8止まり。しかしラスト3Fは推定11秒4-10秒7-11秒3。抜け出す時の脚は見た目にも素早かったが、実測として上り2Fめに10秒7という高速ラップを計時している。

　単穴はトスアップ。新馬戦の造りは見るからに華奢。洋芝・やや重ゆえ、時計ラップからは説明し辛い面も多いが、直線だけで0秒9とチギる独走。栗東入り後のCWの高い追い切り数値を見ると、いきなり大仕事をやっておける可能性を感じ取れる。少し敏感質だが、記録なら阪神9Fを1分46秒8で大楽勝のエールヴォア。良血ミディオーサも前走ラスト2F目に10秒6という快ラップをマーク。「鞍上はモレイラだよ」という人も多い。マイル短縮でアフランシールは仕切り直し。

　2勝馬で内枠を引いた▲グレイシアあたりも人気になりそうだが、ここは血統的なポテンシャルの高い2頭、◎ミディオーサ、○シェーングランツに期待したい。◎はモレイラへの乗り替わり、○はコース替わりがプラスに働きそう。

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【上位拮抗】かなりの混戦だが、連勝の内容が良好の2グレイシアの好位差しに期待。5ミディオーサはひと息入ったが乗り込み入念でここでも素質的に注目可能。14ウインゼノビアも地力的に互角以上で先行押し切りに要警戒。9アフランシールは時計勝負にも対応できるとみて連下の筆頭にマークしておく。初戦快勝の11ビーチサンバ、前走圧勝の8エールヴォアにも要注意。

成長著しい2歳馬のレースで、酷暑といわれた今年の夏を越して、馬も調子が上がる季節ですから、グンと成長してくる子が出てきてもおかしくはないです。東京1600mコースは直線が長く、瞬発力勝負になりやすいので、終いの足を持っている子から買いたいです。あとは追い切りをしっかり見て、調子を上げてきた馬や、馬体に成長が見られた馬を相手として入れます。

素質馬が多いがグレイシアが一歩抜けている。新馬戦は逃げて楽勝。2戦目のアスター賞は出遅れながらラスト素晴らしい脚で差し切った。上がりは33秒5。順調なら桜花賞でも好勝負可能だろう。エールヴォアもなかなかいい馬。前走の未勝利勝ちのタイムが相当に優秀。トスアップはフットワークに力感がある。新馬戦は札幌仕様の勝ち方だったが、じっくり構えてどんな脚を繰り出すか興味深い。ウインゼノビアのスピードも脅威。

「“中山を除くJRA、かつ1600m以上のレース”において優勝経験のない馬」は2014年以降[0-0-0-33]。距離適性が高くなさそうな馬はもちろん、4回中山で勝ち上がった馬も過信禁物です。また「前走の着順が2着以下、かつ前走の1位入線馬とのタイム差が0.4秒以上」だった馬も2014年以降[0-0-0-15]と苦戦しています。早くから出走を予定していた馬の中だと、楽しみなのはウインゼノビア、エールヴォア、シェーングランツ、ビーチサンバ、ミディオーサ、ミリオンドリームズといったところ。このあたりから配当的な妙味がありそうな馬を選ぶべきでしょう。

◎グレイシアは2歳戦に強いダイワメジャー産駒で、いとこにGI・2勝のラブリーデイ。母系にホワイトマズル、トニービン、リアルシャダイなどスタミナと底力の血が並んでおり、大物感十分。○エールヴォアは今年の2歳世代が好調なヴィクトワールピサ産駒で、おじにドリームパスポート、フロンティアと重賞勝ち馬２頭、近親にステイゴールド、現２歳の重賞勝ち馬ケイデンスコールなどがいる。2歳重賞にも実績のある血統だ。▲ミディオーサはディープインパクト産駒で姉にファンタジーSのミスエルテ。2歳戦から活躍可能な仕上がり早の血統だ。父の産駒で母系にエーピーインディを持つのはサウジアラビアロイヤルCを勝ったグランアレグリアと同じ。

※月曜段階の予想ですので回避馬が含まれるケースがございます。あらかじめご了承ください。

　阪神JFへの関東エリアのステップ重賞として創設されて今年で7年目。過去の連対馬からアユサン、レッツゴードンキ、メジャーエンブレム、ラッキーライラックと、のちのGIホースを多数輩出している。本番とのつながりという意味では、翌週のファンタジーSを凌駕して、いまや最重要ステップレースになりつつある。

1.中距離タイプの種牡馬に注目

　2015年に12番人気で大穴を開けたデンコウアンジュはメイショウサムソン産駒で、2014年9番人気で快勝したココロノアイはステイゴールド産駒。昨年のラッキーライラックの父オルフェーヴル、一昨年のリスグラシューの父ハーツクライも中距離志向が強い種牡馬だ。この時期の2歳牝馬にとって、東京マイルはタフな条件であり、マイルより長い距離に適性がある種牡馬の産駒が好走しやすい。

2.差し・追い込み馬優勢

　過去6年で差し・追い込み馬が4勝。マクリで早め先頭から押し切った2014年の勝ち馬ココロノアイも含めて、過去の勝ち馬はすべて、それまでに差す競馬で結果を出していた。逃げたメジャーエンブレムが2着に敗れた2015年が示すとおり、逃げ・先行一辺倒の馬では勝ち切ることが難しい。

3.キャリアは関係ない

　創設当初はオープン、重賞からの臨戦馬が連勝したが、最近4年間は初勝利直後の馬が勝利している。一昨年はサフラン賞勝ちのトーホウアイレスが3番人気で12着、2015年はアスター賞勝ちのメジャーエンブレム、2014年は札幌2歳S3着のレッツゴードンキがいずれも1番人気に支持されながら、未勝利を勝って臨んだ馬に敗れている。キャリアよりも素質を重視すべきレース。

　エールヴォアは前走の未勝利戦を、牡馬の素質馬を相手に6馬身差の圧勝。牝馬離れした馬格に恵まれており、粗削りながら長く脚を使える。父はヴィクトワールピサで近親にドリームパスポートやショウナンパンドラがいて、オークスでも期待できそうな血統背景の持ち主。スタミナが問われるこの舞台には持って来いだ。

　グレイシアは新馬・アスター賞を連勝。戦歴から「メジャーエンブレムの再来」とも評される。出遅れて差す競馬を経験できた前走がここへの糧になりそうだ。シェーングランツはソウルスターリングの半妹という良血馬。姉と同じアイビーS参戦の予定もあったが、一週延ばして重賞に当ててきたのは自信の表れかもしれない。

　ミリオンドリームズはフランケル産駒の良血馬。雄大な馬格の持ち主で将来性は高い。以下、ミスエルテの半妹ミディオーサ、札幌の新馬戦を圧勝したトスアップ、クローバー賞の勝ち馬ウインゼノビア。

【小波乱】エールヴォアは長くいい脚を使える。潜在能力が高いミディオーサ。アフランシールは追い比べで浮上する。

現状の指数はあまりアテにならない。まだどの馬も数値はこれから伸びていくのだ。ちなみに同距離コースのサウジアラビアRCの勝ちはグランアレグリアの104。ここまで出るかどうかだが、100に届く馬が勝つはず。99出ている◎エールヴォアを抜擢。あとはこの同距離コース戦が合うかどうかだけ。ここからの流しでいく。

前走の豪快な勝ちっぷりから8エールヴォアが有力。差し脚は堅実でうまく流れに乗れれば抜け出せる。次位は2グレイシアで差し脚は堅実で期待できる。▲は9アフランシールで能力は高く末脚は堅実。

　過去6回の連対馬を見てもわかるように、暮れの阪神ジュべナイルFから来年のクラシックにまで繋がる重要な一戦だ。現時点での完成度はもちろんのこと、そこまで視野に入る素材を見つける作業が、的中への近道となるはずだ。

　◎はエールヴォア。後続を6馬身もちぎり捨てた前走は、時計の1分46秒8もかなり優秀で、同日の古馬500万戦も上回ったほどだ。そのレースぶりからは、東京コースでさらにパフォーマンスも上がりそうで、来年のクラシック候補に名乗りを上げる機会となろう。

　相手は、2戦2勝のグレイシアへが大本線となるが、アフランシール、トスアップの北海道デビュー組も、コース替わりが歓迎のクチだろう。以下はシェーングランツ、ミディオーサ、ビーチサンバまで押さえる。