【誰が乗っても】風雪交じりのぬかるんだ芝になりそうだが、ここは
レイデオロに力で押し切ってもらおう。2歳秋の東京・芝2000mを出発点とし、暮れの
ホープフルSまでに3連勝を果たした世代の旗手。クラシック緒戦の
皐月賞は蓄積疲労が抜けきらず伸び一息の5着に終わったものの、ダービーは向こう正面後方から、大胆にも一気に2番手にとりつき、直線さらに二枚腰をつかって後続を振り切る快勝を遂げている。ダービーは緩ペースの上り勝負、上り3Fの数値は11秒5-10秒9-11秒4と、速くなるのは当然。しかし、ラスト2Fめは10秒9――実測として11秒台を切ったケースは過去10年間では
エイシンフラッシュと
レイデオロのみ(
父ディープインパクトは推定10秒5という特別な記録をマークしているが)。並外れた加速装置を保持していることがわかる。
二走前の
神戸新聞杯も、後半4Fは11秒台で漸次加速、上り3Fは11秒3-11秒4-11秒8。JCは、痛恨の一完歩出遅れ。勝った
シュヴァルグランにすっと前に入られ、動くに動けない。内目の2番枠がかえってアダとなってしまったが、後半4F・11秒8-11秒3-11秒8-12秒0(3Fは35秒1)という、先行有利の流れを、34秒6の最速の上りであきらめず2着に追い込んだ。競走成績の全部はルメールの手綱。ハミ受けが少し敏感で、ワタシたちが思う以上にデリケートな部分もあるのだろうが、スタートさえ決めれば折り合いもおさまる。これまでの来日でバルジューは、あまり引っかかったりはしていない?
対抗は
アルアイン。本命が少しでも隙を見せれば、逆転の用意がある。
皐月賞は1分57秒8のタイレコード。1000通過が59秒0、終い4F・11秒9-11秒4-11秒4-11秒7というタフな流れをしのぎ切った。2着に敗れたものの、
セントライト記念の上りラップは11秒7-11秒3-11秒0。単純に勝った馬が切れすぎただけ。
菊花賞は明らかに距離が長く、加えて道悪。それでも一旦先頭、GI馬の誇りは示した。平坦・良馬場なら2200mは守備範囲、舌越ししながらでも、稽古も健やかに動く馬です。三番手は
クロコスミア。ハンデ仕様の逃げ馬かと思っていたが、
エリザベス女王杯は二番手からロングスパート、着差はクビ。
パワー馬場は望むところ、54キロもプラス。
仕上げの度合いが少しゆるいぶん、連下としたが、
モズカッチャンの
オークス・2分24秒4というレース精度は、歴代でも
トップレベル。ダービーよりも速く、
秋華賞3着、
エリザベス女王杯で古馬を撃破してきた。
秋華賞馬
ディアドラも同列扱い。
ミッキーロケットは56キロ、馬体がシャープになった。