【本質はスプリンター】6Fに戻れば、アンヴァルは自由自在。紐解けば、小倉1200m・1分9秒0という初勝利のタイムは、ペースは異なるものの同日の小倉2歳Sより0秒1速かった。なるほど、母も祖母も小倉2歳Sを優勝した「小倉っ子」。平坦6Fの走りには納得がいく。

　続く京都・芝1200mは不良馬場。走破タイムは1分12秒1。スナップの効いたピッチフォームで後続に3馬身の楽勝。中央場所の輸送、重馬場でも結果を出し、福島2歳Sもアッサリ。春は桜花賞をにらみ、まず7Fのフィリーズレビューから距離を延ばす作戦をとったが、1番枠で行き場をなくし、やむなくインを強襲したものの、外差し勢に4着と敗退。

　桜花賞はやはり距離が長く、17着に失速したが、本質はスプリンター。新設3歳重賞・葵Sは、願ってもない番組。スタミナ不安のない6Fなら、少し押してポジションと取りに行っても末は緩まず。4月末から密に坂路入り、最終追い切りはCWで上り11秒6。スプリント路線に準備は万端だ。

　相手本線はトゥラヴェスーラ。使い出しはマイルだったが、6Fに転向し、2・1着。坂コースの阪神で前走は1分8秒7、2着を0秒4と振り切る快勝。ここにきての上昇ぶりには目を見張る。

　アサクサゲンキは小倉2歳Sの勝者、ファルコンS2着。ある程度完成はしてはいるが、6Fなら普通に好勝負に持ち込める。タイセイプライドも、1200mは身体造りもレース構築も迷いが少なくなるか。ミッキーワイルドも時計の質を上げてきた。オジョーノキセキは前走上り33秒8をマークした。

　今年から重賞に格上げされたが、さりとて「重賞でなかったらここではなく別なレースに行っていた」という馬は多くはないはずで、オープン特別時代と同様に予想してよいはず。1200mになって以降の8回をベースに検討していけばよいと思う。

　その8回、前走で芝1200mを走っていた馬は[2-1-0-22]で、回収率は単40%・複28%。前走1400m組が[5-5-5-42]なのと比べると複勝率で大きな差がある(12.0%と26.3%)うえに回収率そのものが低い。多少スタミナに余裕のある馬を選びたい。

　距離とは関係ないが、もうひとつ気をつけたいのがキャリア。キャリアの浅い馬のほうが伸びしろを残しているように思えてしまうが、キャリアの浅い500万組よりはキャリアのあるオープン経験豊富な馬のほうがここまでは優勢となっている。

　ここは直線平坦だと強い◎マドモアゼルと既に重賞好走歴豊富な○アサクサゲンキの軸2頭で。

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【平穏】格下のレースだったとはいえ、前走かなり余裕のあるレースっぷりに見えた14トゥラヴェスーラ。ライバルたちが重賞を使い込んでいるのに比べて、目標がこの新設重賞。体は造りやすい。10アンヴァルは能力は一番。不安は先に書いたように桜花賞で一度造ってしまった馬体にどれだけお釣りがあるか。2アサクサゲンキは、正直前走まだ走れることに驚いた。今年は全路線で、朝日杯組を重視しなくてはいけない。

※月曜日段階の予想ですので回避馬が含まれるケースがございます。あらかじめご了承ください。

　短距離路線の番組を充実させるために新設された重賞で、今年が第1回となるが、昨年までも同じ名前のオープン特別として、この時期の京都開催で行われていた。ロードカナロアも2011年にこのレースを勝ったことがある。ここでは、1200mで行われるようになった2010年以降の傾向からレースの性格を探ってみることにする。

1.距離短縮組が強い

　過去8年の連対馬16頭のうち、前走で1200m以下を使われていた馬は3頭のみ。距離短縮で臨む馬が好成績を収めている。特に良績が目立つのが、4勝2着3回の前走橘S組。

2.差し馬が優勢

　過去8年で逃げ馬の勝利は1回だけで、2着も2回に留まる。開催前半の橘Sでは逃げ・先行馬の活躍が目立つが、葵Sでは差し・追い込みが届きやすくなる。

3.重賞組は過信禁物

　前走で重賞を使われていた組は連対率12.1%。前走オープン特別組の16.7%に及ばず、前走500万条件組の12.5%とほとんど五分の成績だ。前走重賞組は人気になることが多いので、期待値としては低くなる。

　ペイシャルアスは橘Sでは4着に敗れたが、1400以上は[0-0-0-4]であるのに対して、1200に限ると[2-1-0-2](2着したレースは降着で入線は1位)。典型的な1200の差し馬と考えていい。年明け以降は適条件がないために長い距離を使われていただけで、ここに向けた叩き台という意味合いだったろう。器用な脚がある馬で、京都内回りの多頭数は願ってもない条件だ。

　アンヴァルは桜花賞こそ大敗したが2歳時には1200で3連勝の実績がある。トゥラヴェスーラは近親にアストンマーチャンがいる素質馬で、1200に慣れた前走は圧巻の勝ちっぷりだった。以下、3連勝と底を見せないアンフィトリテ、白百合Sとの両睨みのアルジャーノン、2歳戦の活躍馬アサクサゲンキ、タイセイプライド。

【混戦模様】かなり先行指向が強いメンバー構成で、内回りの1200m戦でも差しが決まりそう。偶数枠が大きな福音となる、08オジョーノキセキを本命に推す。スタートで後手を踏む点がネックだが、地力だけでなく条件適性の高さも上位。ここから、相手は02アサクサゲンキと13タイセイプライドの2頭を上位に取った。混戦模様とみて、◎○▲の組み合わせから流す3連複・3連単主体で勝負。

【小波乱】タイセイプライドはレース巧者。アンヴァルはスピードがある。トゥラヴェスーラはセンスがいい。

平均値ではぶっちぎり◎アンヴァル。ただ京都での同距離コース109が効いているのだろう。だがこれは不良馬場での数字でどこまで信用できるかは不明。それでも出せるポテンシャルはあるということ。一発に期待してみたい。前走値が同距離での数字ある○オジョーノキセキと▲トゥラヴェスーラ。97☆ミッキーワイルド。

距離短縮でスピードが生かせるのが10アンヴァルだ。京都には勝ち鞍があり先行策から抜け出せる。次位は2アサクサゲンキで短距離向きのスピードは魅力。▲は14トゥラヴェスーラで格上げだが能力は高い。