【阪神JFの再戦】昨年の最優秀2歳牝馬に輝いたラッキーライラックが桜花賞に向け始動する。紐解けば、デビュー戦の新潟マイルでは上り33秒1を計時したオルフェーヴルの初年度産駒。力勝負の東京マイル・アルテミスSを1分34秒9で連勝し、阪神JFは中団で流れを読み4コーナーでは外へ。直線横綱相撲で攻めたて1分34秒3をマーク。上り33秒7は歴代の阪神JFでも最上位にランクされる高い数値だった。3か月振りの実戦となるが、480キロ台だった馬体は一段張りを増し、CWの追い切りの伸び脚も確か。

　リリーノーブルは阪神JF2着、横綱を一旦土俵際に追い詰めるシーンを作った。前走は間隔が詰まっていた影響もあり、少し身体が硬くなり、ハミ受けも敏感で仕掛けが早くなってしまったが、本命よりワンサイズ上のルーラーシップ牝馬だけに、まだ伸びしろを残しており、組み立て一つで前回の0秒1差をもっと詰められる。

　関東馬マウレアはここが正念場。阪神JFは、初の遠征等、3着も仕方ない。ただクイーンC5着惜敗は誤算、武豊を配し、ここは是が非でも3着以上に入り桜出走権を確定しておきたい。

　惑星はサラキア。除外続きの影響か。新馬戦は腰が尖り、案の定スタートで踏ん張りが効かず出遅れ。道中は馬群の真っただ中、狭いインに進路をとるしかなかったが、12秒2-11秒5-11秒5(3Fは35秒2)というレースラップを34秒9で内一気を決めた。身体造りが微妙だが28日はCWで長め6F・82秒2を追えた。母はドイツ・オークス優勝馬、見かけ以上にタフで上積みが期待できるかもしれない。

　フランケル産駒のシグナライズは、紅梅Sはタイトなローテーションの影響で疲れもあったか。ギアチェンジがスムーズにいかない。今回も始動のタイミングがカギになるが、マイル延長はプラスに働く可能性あり。フェアリーSを1分34秒8の好タイムで2着したスカーレットカラーは、当日の体重とテンションの高さをチェック。

　牝馬は阪神JF→チューリップ賞→桜花賞と好走馬を共有しやすい、というのが私の持論。ただ、その中で多少の順位変動はありうる。◎リリーノーブルは前走0.1秒差の2着だが、レース中盤が緩まなければ○ラッキーライラックを逆転しても不思議ではない。

　○については能力に疑問はないが、ここで惜敗した馬が本番で復活するというパターンはけっこう多く、この馬が本番で勝つというシナリオから逆算してここで惜敗という予想を立ててみた。ちょっとひねくれた考え方だが、普通に◎が勝つケースと合わせると、今回◎→○の順になる可能性はそれなりにあるだろう。

　本来なら▲マウレアにも同様の可能性を見込むのだが、直行ではなく一度使ってしかもそこそこ負けてきたというのがマイナス。ここは◎○で1着→2着か1着→3着という前提の3連単でいく。

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【順当】素直にGI3着馬までが上位を独占すると予想したが、順番は入れ替わりそう。本命は9リリーノーブル。条件戦のレース内容から、前走戦前から高い評価を受けていた同馬。ただ課題は中1週のローテーションで事実馬にとってもキツかっただろう。そんな背景がありながらの2着は立派。早くから照準を合わせていた勝ち馬より、減点された結果であり、勝ちに等しい内容と判断した。

　4マウレアは前走、ハテナ連発の不甲斐ない内容。正直GIレベルの馬ではないと1戦で判断できた。だからこそ、陣営もお釣りの残る仕上げはしてこない。賞金や出走権より、失墜した権威を取り戻すために走りそう。5ラッキーライラックは言わずもがな、トップの実績。評価を控えても、これ以上は落とせない。

※月曜日段階の予想ですので回避馬が含まれるケースがございます。あらかじめご了承ください。

　桜花賞の主役候補はここから始動する。近年では、きさらぎ賞(ルージュバック)やクイーンC(メジャーエンブレム)から臨戦した馬が桜花賞で1番人気に支持されることも増えたが、今年からはチューリップ賞がGIIに格上げされたことで、最重要トライアルとしての位置付けがより強固なものになることが予想される。

1.阪神JF組強し

　過去10年間で阪神JFから直行した馬は[6-4-5-8]。そこで5着以内だった馬に限定すると[6-3-4-4]となる。能力やコース経験に加えて、スケジュール面の余裕も好成績につながっているようだ。

2.キレ味が要求される

　かつては遅い時計の決着が通例だったが、ここ2年間は1分33秒前後の好タイムでの決着が連続している。一昨年1・2着のシンハライト、ジュエラーはいずれも上がり3F33秒0で、昨年も上位3頭のソウルスターリング、ミスパンテール、リスグラシューは上がり3F33秒台をマークしている。良馬場であれば、上がり3F34秒を切れるかどうかが勝ち負けのボーダーになる。

3.オープン特別組は期待値が低い

　紅梅SやエルフィンSなど、前走でオープン特別を走っていた馬は過去10年で[1-1-2-32]と、人気になる馬が多いことを考えるともうひとつの成績だ。前走で新馬や未勝利を勝ったばかりの馬が[1-1-1-22]で、まったく遜色のない成績を収めている。そのほとんどすべてが人気薄でもあり、馬券的な期待値はこちらのほうが高くなっている。

　ラッキーライラックは3戦3勝、無敗の阪神JF勝ち馬。前走を含めて上がり3F33秒台をマークしたことが2回あり、決め手の争いには自信を持っている。もともとオークス向きと期待されていたように折り合い面にも不安はなく、ここは死角の少ない本命馬になる。

　マウレアはクイーンCで人気を裏切って5着に敗れたが、包まれる位置で気を遣った面もあって、能力を出し切っての敗戦ではない。赤松賞と阪神JFでは上がり3F33秒台をマークしており、決め手勝負になれば巻き返しは可能。

　リリーノーブルは阪神JFでは2着に敗れたが、中1週の厳しいローテーションを克服しての結果だけに価値があった。大型馬だけに使われつつの上昇も見込める。以下、初戦の勝ちっぷりがよく1勝馬でも侮れないサラキア、キャリア豊富で堅実に脚を使うスカーレットカラー、1F延長が課題も素質は高いシグナライズ、距離短縮で巻き返しを図るカレンシリエージョ。

【小波乱】ラッキーライラックは地力十分。立ち回りがうまいリリーノーブル。ウインラナキラは潜在能力が高い。

阪神JFから先の桜花賞までの同舞台。しかも今年は阪神JFのトップ3が登場。同距離コース持っている◎ラッキーライラック。相手に○リリーノーブルと▲マウレアまでは仕方がない。そこにフランケル産駒☆シグナライズがどこまで食い込めるか。あとは前走90台は△で押さえる。

阪神JFの覇者で2歳女王5ラッキーライラックが有力。確実にパワーアップしておりポテンシャルの高さでカバーできる。次位は9リーリーノーブルで阪神JF2着の実績から逆転は可能。▲は3スカーレットカラーで末脚は鋭く展開が味方すればチャンスはある。