【9秒9】
ライオンボスは久々に現れた直線競馬の申し子。米国色の濃い、1000mダートに高速タイムを保持するスピード配合馬は、新潟の1000直に適性が高いことが知られている。本馬もその代表例となる一頭、5月の
邁進特別は、内よりの5番枠から後続を0秒8とブッチギる大楽勝。
続く韋駄天Sの前半2F目のラップは9秒9。1000直競馬でもめったにお目にかかれないHラップを踏み、二枚腰を使って2着を封印。5Fの距離での0秒1差は、相当な力の差。53秒9という走破タイムは、
カルストンライトオが保持するレコードに0秒2差、昨年の
アイビスSDの53秒8に次ぐ歴代3位の好記録だった。56キロに斤量は増えるが、戦法とスピードに迷いなし。
対抗には
ビップライブリーを抜擢。新馬勝ちは1800m、マイルで1勝、7Fで3勝。いろんな距離を走ってきたが、二走前の
春雷S・1分7秒7という記録は自己キャリアの中ではベストといってよく、距離を縮めるたび能力指数が高くなっている。
CBC賞は折り合いを欠き前半押さえるのに苦労したほど。不良馬場に脚を取られながらも5着に踏ん張った。清水調教師の父は、文中でも記した
カルストンライトオのオーナー、縁も大事。もちろん、1000直適性に可能性が高いとみての新潟出走、データを覆す激走もある。
単穴は
カッパツハッチ、ひと工夫あればきわどい。韋駄天Sは
ライオンボスのHペースを深追いしてしまったが、呼吸の入れ方ひとつでもうひと伸びがあってもいい。
昨年の覇者
ダイメイプリンセスは、前年とはローテーションと体調が若干異なり、ギリギリ間に合ったかなという造り。同厩・同レース2着の
ラブカンプーも、本当によくなるのは次かもしれない。
カイザーメランジェは、前走のリズムそのまま。人気的に、今回も無欲で飛ばせる。