【英才】
フィエールマンの切れと資質を、
AJCCで今一度確認しておきたい。
菊花賞はマラソンレースというより、9Fや10Fの中距離に近い、極端な瞬発力決着となり、集団馬群でロスなく脚をため直線のコース取りがハマったのは確か。
しかし、ラスト3F・12秒2-10秒7-11秒3(34秒2)というレースラップに対し、57キロを背負い33秒9の上りを駆使。超一流の証を、終い2F目・10秒7という具体的ラップで示している。過去十年、
菊花賞馬および明け4歳馬が、57キロを背負って
AJCC勝ちという例はない。だが、
ラジオNIKKEI賞2着から菊制覇という前例のないGI勝ちを、身をもって実践してきた英才。
3か月振りの実戦、まだ腰が細く、スタートに課題も残るが、常に3か月単位の、似たような造りで出走し結果も残せている。馬体の立ちにも力感があり、最終追い切りで、見る見る間に併走馬に追い付き突き放した。
当面の目標は
ジェネラーレウーノ。菊は、思いの他の単騎逃げ。1000m通過は1分2秒7、1000-2000mは1分4秒2の超スローに落としたまではよかったが、10秒台のラップが飛び出す、ヨーイドンの瞬発力勝負になったのは誤算。
しかし、過去の戦績をみると、昨年の
京成杯も
皐月賞3着も、そして
セントライト記念のペースとラップはミドル。肉を切らせて骨を断つ、持久力勝負が持ち味。ラスト4F近辺から、後続をなし崩しにするべくロングスパート。覚悟はできているし、遠く
有馬記念も遠望できる、2200-2500mのスペシャリストとなる可能性が高い。
割って入れば
サクラアンプルール。
有馬記念は枠順も位置取りも終始大外。枠と展開がなんとも痛かった。ただ、レースの大勢が終わった後とはいえ、ゴール板通過の脚はなかなか。明けて8歳となるが、有馬のパドックは、身体も心も、笑うくらいに若い。ローテーション的にもここが
ピーク。
メートルダールも、距離延長に新味あり。マイルの
関屋記念に
アタックしたこともあったが、
新潟記念はジワジワと2着漸進。
中日新聞杯は、エンジンがかかったところがゴール。ズブさを増した今は、2200m延長、外回りも加速がつきやすい。
ダンビュライトは昨年の
AJCC優勝馬、当該コースは[1010]。
チャレンジCは天皇賞除外明けで、様子を見ながらの重め。叩き良化は歴然。連穴は
ステイインシアトル。
新潟大賞典は、10か月近くの休み明け、それでもしっかりと2着と結果は出せた。休み休みでしか使えないが、そのぶん、仕上げ具合、調教の強度も手の内に入っている。戦法は逃げもしくは先行、勝負事は、シンプルさこそが穴になる。