【弾力性に富む】
キングストンボーイは、血統力も含め将来的魅力満載。3つ年上の兄は
皐月賞馬
エポカドーロ、2018年のセレクトセールで、ノーザンFが7776万円で落札。父
ドゥラメンテの面影が色濃く出た、弾力性にあふれた馬だな。セリ前の展示やパドックで、アレコレ眺めていたが、あれから二年。8月の札幌新馬は、492キロで登場。筋肉の在処など見えず、造りは緩く気性も幼いが、稽古も実戦も基本的に走ることが大好き。元気に首を振り、道中の脚運びも力感があり、鞍上のルメールの背中も、才能のある、力のある馬に乗っているときのフォームだった。
前半1000mは65秒2の超スロー。4コーナー手前で気合を付け、11秒8-11秒7-11秒8(3Fは35秒3)という、洋芝では高速の上りを、自身34秒9でフィニッシュ。直線を向きフォームが安定すると、加速しながらゴールイン。「いい練習になった」と、ルメールさんも御機嫌。まだ子供っぽさを残しつつも、心身ともに格段にアップ。クラシック有力馬として、時計・ラップなど数字として示す一戦。
対抗は
インフィナイト。母は4勝、母の弟
ダンビュライトは
AJCC勝ち。5歳年上の兄
ブラックスピネルは
東京新聞杯優勝という良族。父の
モーリスも恰幅がよかったが、牝馬ながら490キロ。胸回りの厚み、新馬戦の
パワー馬場の上手さは、この一族ならではのものだろう。新馬戦は湿った大地をガッチリ踏みしめ、2番手追走から直線入り口では、引っ張り切れない手応えでもう先頭。
定石通り、新潟外回りは残り2F標識までは追い出しを我慢、不良馬場でラスト3Fは11秒8-11秒2-12秒0。最後までフットワークが乱れることなく、余力残しで後続を2馬身半差に振り切った。良での瞬発力勝負はここへと持ち越しになったが、血統馬はやっぱ、独特の品格と艶があるよなぁ…。坂路が主体の音無厩舎にしては珍しく、CWコース仕上げも、スケールを見越してのことだろう。ここで結果を出せれば一気に
桜花賞まで視界が広がる。
三番手は
ダディーズビビッド。上位二頭とは少し力差があるかもしれないが、坂コースの阪神マイルを1分36秒6で新馬勝ち。全体時計は地味ながら、
野路菊Sは上り3F・11秒6-10秒9-11秒6という高速レースラップを、最速の上りで2着に粘り込み。中京マイルを10秒台で走った経験を、同じ左回りの東京でそのままいかせばいい。
惑星は
ピンクカメハメハの前残り。
札幌2歳Sは1000m通過は59秒2-マイル通過は1分35秒2というHペース。激しい雁行状態の逃げにさらされ息が入らず、13着と大敗したが、前走の体験を糧に、スローに落とせば一変の前残りも十分。
クローバー賞を粘り強く小差3着に追い上げた
ジャンカズマ。二戦目の勝ち上がりだが、
スペシャルトークの中山マイル・1分35秒8も、今時期の2歳とすれば内容上々。激しい気性を制御できれば、
ステラヴェローチェの一発。