【上位拮抗】シルヴァンシャーは前走4着もレベルの高い1戦で着差は僅か。調整過程は休養明けの前走以上で重賞初Vを期待。メイショウテンゲンは馬体減で前走大敗なだけに当日気配鍵も動き良好で巻き返し十分。ポンデザールは平坦コースで好成績も力もつけておりスタミナも豊富。ボスジラも脚力も見劣らず上位争い。アルバートは地力上位で、タガノディアマンテやタイセイトレイルなども侮れない。

【もったいない…】引退も間近だが、ポンデザールは、名ステイヤーになりうる逸材。全5勝はすべて2400m以上、うち4勝が北海道シリーズの2600mでマーク。タフな洋芝の長丁場で着実に良績を重ねてきたが、本年の札幌日経オープンは2分37秒6でレコ勝ち。上りは最速、二着には0秒7差。ルメールJも舌を巻く強さだった。

　2000mのGII・札幌記念も、0秒6差に食らいつき、地力強化を確信。ちなみに半兄サトノクラウンは5歳時、香港ヴァーズ、宝塚記念制覇。天皇賞(秋)は、キタサンブラックと息詰まる雨中の叩きあいを演じたパワー型だった。妹も5歳の今が盛り(来春の引退がもったいない)。9月の中山は力を要するレースが続き、12月開催も瞬発力よりは持久力勝負とみた。3600も不安よりは楽しみが大きく、鞍上はルメールJ。長距離戦は騎手の手腕が大事なポイントです。

　対抗はボスジラ、こちらも2400-2600m戦で4勝。兄たちは総じて長丁場が得意、近親にクロフネの名も連なるパワー型。札幌日経オープンは本命に完敗を喫したが、続く丹頂Sは完勝。3000mを一度走ったことがあり、マラソンレースの感触は悪くない。

　割って入ればメイショウテンゲン。前年のステイヤーズSは4着だったが、2020年は3400mのダイヤモンドS2着、3000mの阪神大賞典3着、ジワリと地力をつけている。

　惑星はシルヴァンシャー。レースを数使えないが、GIIの京都大賞典を前年は3着、本年4着。3600mでもきっとバテない。アルバートはステイヤーズS[3-1-0-0]。一昨年は取り消し、連対記録年数はもったいなくも途絶えてしまったが、馬体をひと絞り。9歳馬の戦績と今をリスペクトしたい。

　連穴はヒュミドール。あまりに出来が良く、東京1800mも楽勝したが、三走前の2600m・信夫山特別の走りが、適性と可能性を示している。

　筋金入りのステイヤー、という言葉も最近はあまり使わなくなった。そもそもステイヤーを作ろうと意識して生産することがほぼなくなり、「結果としてステイヤーだった」という馬が長距離で活躍することになる。

　そのためだろうか、ステイヤーズSはリピーター好走が多い。過去10年に3回馬券に絡んだ馬がアルバート、デスペラード、トウカイトリック、ファタモルガーナ、モンドインテロと5頭もいる。2400-2500mくらいだと距離の額面はあっても上がり偏重の競馬になってそこまでスタミナが問われないこともあるが、3000m以上となるとさすがにステイヤーとしての資質は問われるのだろう。

　今回はこのレースの専門家とも言える○アルバートが出走するが、注目される一方で年齢はさすがに不安。同じくリピーターの▲リッジマンはさすがに近走の成績が厳しい。

　そこで、他の長距離戦好走馬から◎オセアグレイト(ダイヤモンドS3着)にヤマを張ることにした。長距離名人の横山典弘騎手が鞍上というのも魅力だ。

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【混戦】難解だが、長く差し脚を使える7メイショウテンゲンが条件的に合いそう。4ボスジラはひと息入ったが長距離戦なら流れひとつで勝機あり。10タイセイトレイルは近走ひと息だが立ち回りひとつで流れ込みがありそう。2シルヴァンシャーも相手なりに差を詰めてくるタイプで善戦以上が考えられる。まくり脚がある14ゴールドギアにも注意が必要。3ポンデザールも底力がいきる流れになればチャンスあり。

※11/29時点での想定に基づいた予想になっておりますので、回避馬が含まれるケースがございます。あらかじめご了承ください。

　中山芝3600mで行われる国内最長の重賞。舞台となるのは直線の急坂手前からスタートし内回りコースを2周するコース。スタミナだけでなく、トリッキーなコースをこなす器用さが求められます。

　本命視しているのは、オセアグレイトです。ダイヤモンドSの走りから距離は大丈夫でしょう。器用さもありますし、近走は目立つレースはしていませんが距離延長がきっかけになれば面白い一頭です。

※11/29時点での想定に基づいた予想になっておりますので、回避馬が含まれるケースがございます。あらかじめご了承ください。

　ボスジラの前走はメンバー的には軽かったが時計は速く、中身の濃い競馬。4角手前で上がり、機動力も見せつけた。スタミナと決め手を兼備して、この条件が合うタイプ。シルヴァンシャーはGIIなら好勝負に持ち込めるところまで来た。世界的良血がここで開花か。

　毎年、このレースはきっちり走る9歳アルバート。昨年同様、前走大敗は気にしなくていい。ポンデザールの札幌記念(4着)は距離が短かった。スタミナは相当なものがある。

※11/29時点での想定に基づいた予想になっておりますので、回避馬が含まれるケースがございます。あらかじめご了承ください。

　長距離戦に十分な実績がある馬を除くと、前走好走馬やキャリアの浅い馬が優勢。「“JRA、かつ3200m以上のレース”において6着以内となった経験がない、かつ前走の着順が6着以下だった馬」は2010年以降[0-0-0-55]、「“JRA、かつ3200m以上のレース”において6着以内となった経験がない、かつ出走数が22戦以上の馬」は2010年以降[0-0-1-55]です。

　あとは末脚も重要なポイント。「前走の上がり3ハロンタイム順位が3位以内だった馬」は2010年以降[4-5-4-12]と堅実でしたし、「前走の上がり3ハロンタイム順位が7位以下だった馬」は2010年以降[2-3-1-71]と安定感を欠いていました。

　ちなみに「前走の距離が2400m未満だった馬」は2010年以降[0-3-2-38]と勝ち切れていません。

　今年は一長一短のあるメンバー構成となりそうですが、不安要素が比較的少ないのはシルヴァンシャー・タイセイトレイル・ボスジラ・ポンデザールあたり。オッズなども考慮したうえで柔軟に構えましょう。

※特別登録段階の予想ですので回避馬が含まれるケースがございます。あらかじめご了承ください。

　JRAの平地競走としては最長距離の一戦。1着賞金は6200万円と他のGII戦よりワンランク上の扱いとなっており、活躍の場の少ないステイヤーにとって年間最大の目標レースとなる。また、万葉S、ダイヤモンドSなど長距離の上級クラスはハンデ戦が多い中で、別定戦であるということも一つの特徴だ。

1.先行馬有利

　過去10年の勝ち馬のべ10頭の内、9頭は4角5番手以内だった。3着以内で見ても、のべ30頭中21頭は4角5番手以内。開幕週でかつ基本的に中緩みのある一戦であるから、前で立ち回る馬の方が有利になる。

2.後半の速い脚

　10-14年の5年間ではラスト5ハロンの平均タイムが61秒1なのに対し、15-19年の5年間は60秒以上かかったのは昨年1回だけで平均は59秒6。以前に比べ後半で速い脚が求められるようになってきている。また、昨年は残り1000-600mの2ハロンが12秒1-11秒7、一昨年は残り1200-800m地点の2ハロンが12秒4-11秒6、16年は残り600-200m地点が12秒2-11秒4と加速力も要求されている。

3.リピーターが多い

　アルバートの3連覇が記憶に新しいが、他にもモンドインテロが16・18・19年で3・3・1着と好走、デスペラードが2連覇を含む3年連続好走、トウカイトリックが7回挑戦して4回3着以内になるなど、リピーターの活躍が目立つレース。特殊な条件であるため、他条件で凡走してきた馬も過去に好走歴があれば侮れない。

　一昨年の覇者リッジマンに期待。前走の京都大賞典は久々で余裕残しながら1着と1秒1差。疲れが残っていた昨年より良い内容であり、復調気配を感じさせる走りだった。ここ2走はポジションを取れていないが、ゲート自体はいずれもポンと出ている。テンから主張するメンバーの少ない今回は先行していけるだろう。

　メイショウテンゲンは昨年脚を余して4着。出遅れてしまうのがどうしてもネックとなるが、条件は合っており変わり身の期待は十分。アルバートはこの条件に非常に高い適性を持つ。今年も巻き返しを期待できそうだが、流石に全盛期よりは衰えが見られる。

　ボスジラは意外と条件合いそう。これまでの好走時と同じような4角で前に取り付いて行く立ち回りが出来ればチャンスがあっても。以下、中山どうかもスタミナ豊富なポンデザール、前走できっちり巻き返したシルヴァンシャー、長く良い脚を使えるタイセイトレイル。

【小波乱】アルバートは地力上位。軌道に乗ったヒュミドール。タガノディアマンテは緩急のきいたレースができる。

特殊な距離戦だけに、平均値にはまったく頼れない。毎年の主役アルバートは昨年とまったく同じ年2走のローテとはいえ過去に勝っているのはムーア鞍上時だけ。相手までの☆が妥当か。同距離経験あるのはほかに2頭。そのうちの○メイショウテンゲンを抜擢とも思ったがデキ一息。ならばやはり鞍上強力◎ポンデザール軸候補筆頭となる。次点に▲ボスジラ。一発に△シルヴァンシャー。

ステイヤーとしての資質は高い4ボスジラが有力。札幌日経オープン2着馬で末脚は威力があり抜け出せる。次位は3ポンデザールで心身ともに充実。パワーアップは必至ならチャンス。▲は2シルヴァンシャーで展開に注文はつくが末脚は威力がある。