【砂の
アーモンドアイ】
クリソベリルの戦歴は[8001]、例えるならダート界の
アーモンドアイ。初の海外遠征となったサウジCは、体調が整わず7着に敗れたが、黒星はこの一戦のみ。国内戦績は8戦8勝と敵なし。
昨年の
チャンピオンズCは、中京1800ダートのGIとなって6回目。従来の最速タイムは1分50秒1だったが、1000m通過・60秒8というよどみのない流れを好位のポケットで我慢。直線進路をふさがれ追い出しが遅れたが、終わって見れば1分48秒5のレースレコードで古馬の超一流どころを撃破。自身の力で一気にレースレベルを引き上げた。
近二走は大井の2000mを連勝、前走のJBCクラシックは自己の持ち時計を2秒以上も更新。主戦の川田Jは、まだ馬体に緩さがあり完成途上と評価は辛口だが、細かな体重の増減はあるものの、目にするたび脂肪分が抜け、逆に筋肉は太くなり
シルエットもくっきりしてきた。さて、同馬の最高着地点は、いったいどこにあるのだろう。
チャンピオンズCの、さらなる時計更新も十分。スローの決め手勝負も、Hペースの我慢比べも経験してきた。今なら15番枠はスタートさえ決めればすばやく好位に進める好枠になる。
大勢は相手探し、二の筆頭は3歳馬
カフェファラオのスピード値。デビュー戦は12月の新馬戦・中山1800ダート、2着を引き離す一方の1秒6差の大差勝ち。二戦目の
ヒヤシンスSは、道中はシンガリ。3オーナーからノシをつけ、上り35秒2という末脚を駆使し悠々と突き抜けて見せた。
三戦目の
ユニコーンSは一転、1000m通過・58秒4というHペースを、早め二番手から5馬身差独走。1分34秒9というレースレコードを楽々叩き出した。大井のJDDは、好記録で走った疲れもたまっていたのだろう。ゲート裏で急に
テンションが上がり、ゼッケン回りは汗びっしょり。
道中馬群の内でぶつけられ、砂を被るなど、激しいプレッシャーにさらされ7着に沈没したが、
シリウスSですかさず反撃V。見た目以上にデリケートな部分も多い馬とみて、鞍上のルメールJも、砂を被らないよう慎重に外を回し、能力と仕掛けどころを確かめた。1分57秒8という時計はあまり強調できないけれど、記録面での下地は
ユニコーンSで準備できている。
目下の勢いなら
アルクトスもヒケを取らない。本格化までに幾度か踊り場があったが、南部杯は前年2着から一気にジャンプアップ。脚抜きのいい馬場コンディションの
アシストを得たとはいえ、1分32秒7のレコードで走破。追い出しのタイミングやゴール前の脚色にもまだ余裕があり、左回りはフットワークはスムーズ。今の充実振りならコーナー4つの1800mも伸び脚は鈍らない。
惑星は
エアアルマス。ダートに転向して、[4002]。1400mから進発し距離を延ばし、
太秦Sを1分49秒1で快勝。砂を被ると進んでいこうとせず、
武蔵野Sは左回りにも難渋したが、
東海Sは松山Jとのコンビで道中のリズムもピタリ。距離や折り合いに新境地を開拓した。
みやこSはプラス14キロという数字以上に重め残り。正攻法の競馬を心掛けたぶん、ラ
イバルたちの格好の目標になり4着に失速したが、中間の追い切り本数は5本。CW、坂路を1F11秒台で唸るようにして駆けデキは一変。左回りには目をつむって惑星に推奨。
クリンチャーも、芝からダートへと転身して[1411]。他馬より重い斤量を背負い、脚の使いどころを計ってきたが、
みやこS快勝で諸々の課題をクリア。GI戦線に踏み込む準備が整った。
ゴールドドリームは、明けて7歳。3年前の
チャンピオンズCで一気差しを決めたころの推進力には一息ながら、中間の調教姿勢は攻め。ここ数戦では一番の姿形になっている。