【父と兄の軌跡をなぞる】
アドマイヤザーゲの将来性重視。まだ幼さは残るが、つま先からしっぽの先まで、なんだか
ドゥラメンテのコピー。いざ実戦、前半1000mは63秒5の超スロー。手綱を動かし気味に3-4コーナーは外から仕掛けて行ったが、11秒9-12秒0-11秒7(3Fは35秒6)というレースの上りを、35秒1で一閃。
ドゥラメンテの仔は、気合をつけるとグッとハミを噛み、首を強く振りもうひと押し。ディープともキンカメとも違う、独特の推進力がある。同厩の古馬
ポタジェや
ラインベックの胸を借り、調教もワン
ランクアップ。半兄はダービー馬
ロジユニヴァース。兄と父がたどったダービーへの軌跡を、まっすぐに追いたい。
まともなら相手は
クインズラベンダー。こちらは
オークスも展望できる大物牝馬。半姉
クインズミラーグロ(
父マンハッタンカフェ)は、
マーメイドS2着、
小倉大賞典2着、GIII3着4回。首差しは細く、
ハーツクライ牝馬の若馬時代にありがちな頼りなさは残るが、470キロと馬格はまずまず。
新馬戦は逃げ馬を視界に置き、前半1000m・61秒7の緩ペースをガッチリ2番手。勝負どころの三分三厘、一気に11秒3と
トップギアへ叩き込み、続く2Fは11秒6-12秒0。最後は少しフォームが乱れ加減になったが、結果は2分0秒6の2歳コースレコード。今季の中京はレコードの大安売り。最終週でも好記録が出まくりだが、ラスト3Fめの11秒3は、この
黄菊賞はもちろん――将来を語る上でのストロングポイントになる。
3着争いの筆頭格に
ワールドリバイバルを置いたが、
スタッドリーも
ニホンピロマリブも差はない。