【速く、そして強い】白毛馬
ソダシの、無敗の牝馬クラシック二冠達成が濃厚だ。新馬勝ちは洋芝の函館1800m、続く
札幌2歳Sは1分48秒2のレコード勝ち。
パワー型の血統など考慮し中距離路線を意識して使ってきたが、東京マイルの
アルテミスSは好位差し。上り3Fのレースラップは11秒2-10秒9-11秒9、高速馬場でも10秒台の脚が使えた。
阪神JFでは馬群で折り合い、きわどい激戦を盛り返すようにして
サトノレイナスをハナ差封印。続く
桜花賞は阪神JFから118日振りの実戦。体重はピタリ前回と同じだがトモ回りの筋肉の束がクッキリと張り出し、お尻は4つに割れている。尖り気味だった目つきも穏やかになった。
懸案のゲートも、先入れながら余裕をもってスイとおさまった。発馬は元々、天才的に上手い。好位のポケットで脚をタメ、5F通過は56秒8。直線入り口、ポッカリ前が開いたが、ラスト3-2Fまではもったままで11秒2-11秒2。最後の1F・11秒秒5を絞り出し、1分31秒1のコースレコードで先頭ゴール。
桜花賞史に名を刻む格式の高いレースを演じた。
中間はトレセンでの在厩調整となるが、吉田隼Jとは、前走と同等かそれ以上のしっかりとしたコンタクトが取れている。2400mの距離を念頭にコース追いも多めに取り入れスタミナ強化もはかった。速く強い
桜花賞馬は、よほどのことがない限り
オークスでも止まらない。
桜花賞5着以下との約4馬身差は、大きく縮まることは考えにくい。この着差に割って入るのは別路線組。
忘れな草賞を1分58秒0の快時計で快勝した
ステラリアを対抗に抜擢。2歳10月、京都1800mを1分47秒5で快勝。今の高速馬場だと未勝利でも1分46秒台が出たりするが、2歳秋の記録のほうが能力評価には大事だったりする。三走前の
ベゴニア賞の上りは33秒6、
クイーンCは34秒1と、二度にわたってマイルでも最速の上りをマークしたが、四肢も背中もスラリとした中距離体型。マイルはどうしても忙しい。
巻き上がり気味だった腹周りも、
忘れな草賞はプラス6キロと増量できた。1000m通過は59秒3のミドル。速くもなく遅くもなく、もっとも力を発揮できる流れとなったが、ラスト4Fめから11秒台にペースアップ、上り3Fは推定11秒3-11秒4-11秒6(34秒3)。この11秒台の4F連続ラップが、中距離適性と
オークス好勝負を指し示している。木曜日発表の体重は前走比8キロ増。大外枠は無念だが、川田Jとは一週前の追い切りでコンタクトはとれている。
三番手は
ユーバーレーベン。デビュー戦は2歳6月、東京・不良馬場の芝1800mをイン一気の強襲。
札幌2歳Sは最速の上りで
ソダシにクビ差と迫った。早くから父
ゴールドシップ譲りの
パワーと持久力を示していたが、阪神JFでも最速の末脚を駆使し3着入線に追い上げてきた。
小さなアク
シデントが発生し
桜花賞は
スキップしたが、
フラワーC3着、
フローラS3着。大目標の
オークスから逆算、着々と態勢を整えてきた。ただ、
フローラSは放牧明けにしろ、身体の造りはギリギリ。レースでもフラフラ、体力不足が気になったが、懸案だった体重も木曜日発表は8キロ増の462キロ。当日闘志をもって歩けていれば、
ソダシのラ
イバル一番手に復活。
桜花賞組の一番手は
アカイトリノムスメ。前走は関西への輸送、マイナス6キロ。造りは細く幼く、
ソダシを前に置き好位にとりついたものの、勝負どころの反応ひと息。しかし、そこからもう一度、ゴール前は盛り返すようにして身体を伸ばしてきた。なるほど、
アパパネの娘。今度は3勝を挙げている東京、木曜日の体重は8キロ増の452キロ。好枠7番、鞍上にルメールJとあれば、
ソダシの肝を寒からしめる見せ場を作るかもしれない。
アールドヴィーヴルは、
クイーンCは小差2着。
桜花賞は4角外を回し、ロングスパートをうつ態勢に入ったものの、最後は馬体減がやっぱり堪えた。当日の体重が課題になるが(木曜日は+10キロ)、松山Jなら外目の枠からでもジワリと内へ。牝系は
バレークイーン一族、この血統はGIにキャリアを必要としない。
フローラSの勝者
クールキャットは、
母メジロトンキニーズは3400mのGIII・
ダイヤモンドS2着。兄
トリオンフは
小倉大賞典など重賞3勝。500キロ余の馬格を誇り、スタミナに憂いはない。折り合いやスパートのタイミングも
オークス仕様に整った。
タガノパッションは
スイートピーSを1分46秒2の好タイムで楽勝。血統配合は異なるが、
カレンブーケドールっぽい匂いがする。なるほど、大一番であっといわせる
ステイゴールド一族。道悪もどんとこい。