【絶対女王】
グランアレグリアがマイルGI・5勝の偉業に挑む。1600mのGIは、手始め
桜花賞をレースレコード勝ち。昨年の
安田記念は
アーモンドアイを横綱相撲で退け、秋は
マイルCSを楽勝。本年緒戦の
大阪杯は、重馬場に脚をとられ2000mのGIでは結果が出せなかったが、
ヴィクトリアマイルは2着に4馬身の圧勝。ラスト3F・11秒2-10秒9-11秒3(33秒4)というレースの上りに対し、自身のソレは32秒6。キャリアの中でも最速の上りで駈け、同時にマイルの最速タイムも計測。
デビュー時458キロだった馬体は木曜発表では502キロ(前走比+4キロ)。首差し、胴周り、臀部に厚みを増し心身ともに進化してきたが、まだ伸びしろを残しているようにも思う。前走は久々に観客の前に出たのに驚いたか。パドックの周回で少しチャカついていたが、変に年寄りじみているよりは、キャッキャするくらい若くていい(笑)。ただ、中二週というローテーションは初めて。中間爪の不安が発生、デリケートな仕上げを求められたが、2日の坂路追い切りは53秒6-38秒6-12秒5を馬なり。フォームにブレはなく、グリップ力は確か。坂上頂上では一気に脚の回転速度が上がった。丁寧を心掛け折り合えば、安田もごく普通に、ドカンと弾ける。
対抗一番手は
サリオス。
コントレイルという大きな才能の前に、
皐月賞は0秒1差、ダービーは0秒5差を広げられたが、体型は明らかにマイラー。
サウジアラビアRC・1分32秒7のレコ勝ちと、
朝日杯FSの快勝が将来の設計図であり進むべき道を示唆している。ただ馬体造りには毎回難渋。
毎日王冠では上手く腰回りが整い、滑らかに力強く反応したが、
マイルCSは腰が尖り踏ん張りが効かず出遅れ。
大阪杯は道悪、ぬかるんだ芝は気の毒なくらいに空下手。少しでも着順を守るべく、内に切れ込みラチに寄せていくしかなかったが、良馬場のマイル、
ギアチェンジのスムーズな左回りにかわれば一変が期待できる。
三番手は
インディチャンプ。一昨年の4歳時は
安田記念、
マイルCSの春秋のマイルGIを完全制圧。しかし昨年の同GIは
グランアレグリアに3・2着と完敗。同じステージでは力差があることを痛感し、1400mや1200mGI・
高松宮記念(3着)の短距離路線も模索したが、ただ春最後は
安田記念と決めていた。後先なしの仕上げで打倒
アレグリアに再度挑む。
ケイデンスコールの上昇度は、うなぎ上りという表現がまさにピッタリ。
新潟2歳S優勝以来長く勝ち星から遠ざかっていたが、
京都金杯を制し復活の狼煙をあげ、2着に敗れはしたものの
中山記念を1分44秒9の好タイムで走破。
マイラーズCは前半1000m通過・55秒8というHペースに恵まれたにせよ、力感あふれる末脚で大外を真一文字に突き抜けてきた。調教の動き・時計も前走からさらに2割増し、上昇振り圧巻。
3歳馬
シュネルマイスターも、古馬の背中は見えている。同世代のラ
イバルたちの中でも、明らかに身体の造りが幼い。
NHKマイルCは、無理に動かすと身体を傷める。かといって流れに遅れすぎてもいけない。道中恐る恐る促しつ進めていったが、直線半ばからエンジンの回転が上がりG前強襲。1分31秒6は、
ヴィクトリアマイルとは0秒6差。伸びしろや54キロを加味すると、上争いの計算が自然と成り立つ。ただ、木曜発表の体重?細くなるといいことはないのかなぁ…。
本調子を欠き近二戦は凡走に終わったが、
ダノンキングリーは
皐月賞頭差3着、ダービーは首差2着。
毎日王冠を1分44秒4で快勝した才能の持ち主。ベースはマイル、久しぶりにスカッとした馬体造りもできた。