【Hレベルの叩き合い】力勝負の東京1800mなら
マジックキャッスル。
戦績は[2613]、GI・
秋華賞2着など重賞連対歴は多々あるが、初重賞制覇は本年1月の
愛知杯。444キロにビルドアップし、待望のタイトルをもぎとった。
阪神牝馬Sは密集馬群に押し込まれ、狭いインを突かざるをえずクビ差2着。
ヴィクトリアマイルは絶対女王
グランアレグリアに真っ向勝負を挑み、1分31秒7・3着。残り1Fでアゴが上がったが、GI級のポテンシャルを改めて示した。
クイーンSは他より1キロ重い56キロを背負い、1000m通過・59秒9という淀みのない平均ペースを一旦先頭。末脚勝負に徹した勝ち馬の強襲に屈したものの、今度は54キロ。東京1800mは短くもなく長くもなく、持ち味の決め手を最も発揮しやすい舞台になるだろう。
強敵は
デゼル。母は無敗で仏1000ギニー、
オークスを制した名牝。東京1800mの
スイートピーSは上がり32秒5という途方もない末脚を駆使。
オークスの権利を得たけれど、3歳3月デビューで2カ月間に3走はキツい。ひと夏を越え
ローズS4着後は自己条件から再出発、
初音Sを快勝し、続くGII・
阪神牝馬Sは10秒7-10秒8-11秒7(3Fは33秒2)という高速ラップを、またしても上がり32秒5で直強襲。
ヴィクトリアマイルは8着に終わったが、上がりはメンバー中第三位だった。4歳秋を迎え体に実の入りも急、手加減なしに調教メニューも組めるようになった。
割って入れば
ドナアトラエンテ。全姉は三冠牝馬
ジェンティルドンナという血統馬。デビュー時は418キロ、熟成期間をじっくりと設け、5歳の本年春オープンに到達。
中山牝馬Sは馬場差も計量できないほどの不良馬場に泣き9着沈没。
福島牝馬S2着と反撃したが、
クイーンSはチークピーシーズが効きすぎたか。タフなミドルペースをリキんで追いかけ、フットワークが乱れ11着に大敗したが、ルメールJとのコンビで[3300]。当コースに1分44秒8という勝ち時計を保持、東京の芝なら多少道悪でも対応できる。
一発大駆けがあれば
アカイイト。戦法は直線一気、タメればタメるほど味が出る。阪神1800mでは上がり32秒6というオニ脚を計測したこともあり、前走の
垂水Sはレースの上がりを1秒上回る末脚を繰り出している。
シャドウディーヴァは、東京コースは[1523]。不器用だが府中の走りは伸び伸び。
フローラS2着、
東京新聞杯は2、3着各一回、重馬場で行われた去年の
府中牝馬Sは2着に食い込んだ。
アブレイズは二走前のメイSでは上がり33秒8を計測。良でも戦えるようになったが、父は
キズナ。産駒たちは総じて、
パワーを要する水分の残る馬場を得意としている。