【東京の権威】左回りの長丁場なら、トップハンデでも主役は
オーソリティ。東京コースは[2100]、相性は抜群。3歳春のGII・
青葉賞をダービーより1秒1速い2分23秒0という好タイムで駆け、昨年の
アルゼンチン共和国杯は、54キロの斤量にも恵まれたにせよ後続を1馬身半差に振り切る完勝だった。3400mのダイヤモンドSも、クビ差2着に競り負けたが、後半1000mすべて11秒台のHラップを並べても心拍数は乱が少ない。
右回りはコーナリングがギコちなく、フットワークがバラバラになってしまうが、左回りは前進気勢を乱すことなく自在に運べ、加速も滑らか。半年ぶりの実戦となるが10月半ばから時計を出し始め質量ともに豊富。前年の
アルゼンチン共和国杯は6カ月明けで制しており、長期休養は問題とはならない。ただ57.5キロは未体験。ハンデ戦だけに思わぬ取りこぼしも考えられる。
逆転があれば
フライライクバードの勢い。母は
フラワーC3着、姉
シングウィズジョイは、
フローラS優勝、
エリザベス女王杯を2着。
OP入りに時間は要したが、昨年9月の
小牧特別では、後の
菊花賞2着馬
アリストテレスと0秒1差の激闘を演じたこともあり、2分12秒0という走破時計は同じ開催のGIIの
神戸新聞杯と同列、
アリストテレスの菊2着の根拠にもなった。
長良川特別の2分11秒2(後続に1秒1差)という記録も、翌日のGII・
日経新春杯を0秒6上回っていた。一戦燃焼系ゆえ連続して結果が出せないでいたが、前走の
ムーンライトHCは本格化を確信させる力強い脚色だった。
アンティシペイトも上昇急。昨年5月のダービー前日、東京2400mを東京優駿と同タイムの2分24秒1で駈け、
阿寒湖特別まで3連勝。
菊花賞の舞台でも面白いと温めてきたマラソンランナーだった。しかし、跳びは大きく、先頭に立ち自分のリズムで運べないと勝負どころで置かれる。もどかしい競馬が続いてきたが、チークからブリンカーへ装備を強化。
オホーツクSは距離不足と思えた2000mでも、従来のジリ脚イメージを払しょくする、出色の破壊力で外一気を決めた。馬体は
ピカピカ、唸るような勢いで好調教を連発。鞍上は横山武J、勢いに乗らない手はない。
マイネルウィルトスは、
札幌記念はGI馬3頭を相手に0秒4差の4着に入線。水田のような不良馬場の
福島民報杯を楽勝したように、
凱旋門賞が似合う(笑)、無類の重巧者。初距離になるが、距離延長はプラスに働く可能性が高い。
サトノソルタスはレースの大勢が決まったあととはいえ
オールカマーの上りは最速。
ディアマンミノルも、三走前の
函館記念、
京都大賞典で最速の上りをマーク。この斤量なら連下圏内。