【射貫く】
デアリングタクトは、無敗で牝馬クラシック三冠を制覇した歴史に残る傑物。初の古馬対決となった
ジャパンCは、
アーモンドアイが9冠を達成。牡馬無敗の三冠馬
コントレイルにも後れをとったが、1600mはOPに匹敵する1分33秒1で通過-2000m通過は1分57秒5。
秋の天皇賞より0秒3速い激流を漕ぎ抜け、歯を食いしばって0秒2差の3着に食い込んだ。3か月半振りの実戦となるが、2月中旬から調教を再開。松山Jが三週にわたって手綱を握り、CWコースおよび坂路で息遣いを確かめてきた。
オークスもJCも左回りは内にモタれ加減だったが、55キロの重量で、
金鯱賞をまっすぐ射貫けば、
アーモンドアイの後継者の一頭として、マイル-中距離GI舞台の主役の座が近づく。
強敵は
グローリーヴェイズ。2019年の春の天皇賞は
フィエールマンと首差2着の激闘を演じ、
香港ヴァーズを圧倒。世界の競馬シーンを驚かせた。
ジャパンCは、超Hペースを追いかけロングスパートを打ち一旦先頭。0秒3差の5着に敗れたものの、勝ちに行ってのものだけにレース密度は濃い。3歳夏の記録とはいえ新潟2000mを1分56秒6で快走歴があり、JCの通過記録を見れば10Fでも十分勝負になる。
三番手は
サトノフラッグ。
ディープインパクト記念・
弥生賞で一気差しを決め、現4歳世代の主役とも目された好素材。
皐月賞・ダービーは体が硬くなり柔軟な走りを見失ってしまったが、
菊花賞は末脚鋭く3着入線。才能のありかを改めてファンの目に焼き付けた。前走の
AJCCは不良馬場に加え1番枠、一番ぬかるんだ場所に押し込められ、3コーナーすぎ外に持ち出すのがやっと。体力を消耗し完全なガス欠を起こし、参考外の一戦といっていい。2000mは3勝、鞍上にルメールJを配してきた。
ブラヴァスの母は牝馬クラシック三冠すべてで2着、古馬となり
ヴィクトリアマイルを二連覇。母の弟ジュヴァルグランも歳を重ねるごとに力をつけGI馬となったが、本馬も4歳夏・
新潟記念でGIIIを突破。
チャレンジCは最速の上りで2着と、血統通りの上昇曲線を描けている。
7歳となっても、
キセキに衰えなし。JC史上でも屈指の激闘の陰の主役は、逃げて超Hペースを作った同馬。
有馬記念はその反動もあったか。見どころ少なく12着に終わったが、リフレッシュ効果で四肢の回転は力強くしなやかになった。角居イズムを辻野師が、しっかりと継承していることが見て取れる。
ポタジェは[5300]、
白富士Sでオープンをクリア。GI馬を相手にどれだけ動けるか。ここは試金石となる。