【ドラマティック】ダートGIでも
ソダシ。1996年生まれの
シラユキヒメを祖とする白毛一族は、25年の時を経てJRAで45勝を超える勝ち星をあげ、孫の
ソダシがGIを奪取。
グランアレグリアが保持していた
桜花賞のレース記録を1秒6短縮する1分31秒1で駈け、
札幌記念は並みいる古馬GI勢を完封した。
しかし常にゲートは先入れ。
オークスは熾烈なマークにあい8着に失速、
秋華賞は発馬で鼻をぶつけ残り1F手前で息切れ。不安材料もいくつか抱えているが、
母ブチコの勝ち星4勝は1800ダート。交流ダート重賞を勝った
ユキチャン、
レパードSを勝った
ハヤヤッコなど、母系はダートでこそ。加えて、
父クロフネは芝マイルGI・
NHKマイルCを勝ち、東京1600ダートでは1分33秒3の大記録を叩き出した。
ジャパンCダートの2分5秒9というレコードは、いまだに誰にも破られていない。芝・ダート兼用のGIホースは前記
クロフネ、
イーグルカフェ、
アグネスデジタル、
アドマイヤドン、
モズアスコットなど先例は多いが、その中でも
クロフネのダート力は群を抜く。
デビュー前からダート転向の意識は高く、17日にはダートBコース調教で脚慣らしも済ませた。競馬は血統、二刀流の血は脈々と流れている。競馬はブラッドスポーツ、
チャンピオンズCは、その醍醐味を味わう一戦になるかもしれない。枠は1番。無事スタートを切り1コーナーを抜ければ、劇的な結末が待っている。
ただ対抗の
カフェファラオは相当手強い。3歳春は無敗で
ユニコーンSを1分34秒9のレースレコードで楽勝した逸材。父
アメリカンファラオの激しく燃えやすい気性を受け継ぎ、JDD7着、前年の
チャンピオンズCは制御不能に陥り6着に伸びあぐねたが、
フェブラリーS・1分34秒4は過去十年では2位。
モーニンが持つ1分34秒0のレコードは重馬場。馬場差を考慮すれば実質ナンバー1といっていい。木曜発表の体重は518キロ、馬体にしまりもある。懸案の操縦もチークピーシーズからブリンカーに装備を強化、自己ベストといえるタイムを調教で叩き出した。
テーオーケインズも首位争いに意欲満々。3歳春は鳳雛S6着を契機に休養入り。自己条件から再出発、2勝を積み上げ、昨年の東京大賞典は0秒2差(6着)に粘り込み、後の重賞戦線に目途を立てた。本年は
名古屋城Sを勝ち、
アンタレスSを1分49秒0の好記録で連勝。JRA・地方の
トップランナーが集結する帝王賞は、2分2秒7・上り36秒8でラ
イバルたちを圧倒。JBCクラシックは休み明けの影響か、パドックでイライラ。小回りコースは出遅れも致命的、折り合いを欠き無駄な脚を使ったぶん4着に終わったが、ガス抜きは完了。鋭さを増しつつ、落ち着きも出た。前走の敗退に、松山Jも期するところがあるだろう。
チュウワウィザードは、昨年の覇者・1分49秒3というタイムは、中京1800mで行われるようになって7年、走破時計はNo.2。この時計の価値をドバイワールドC2着にもつなげた。遠征の疲れが残り帝王賞は6着、JBCクラシックは3着に終わったが、今季の目標を
チャンピオンズCに置きイメージした通りの良化がうかがえる。
インティは前二年3着2回。腰が小さく二の脚が使えず、逃げもしくは先行策で粘り込むしかなかったが、7歳秋の今、トモ周りの筋肉が丸く膨らみ目に見えて充実。後肢の送りにも力がある。差す競馬も前二走で試したが、もう一段上の伸びが期待できるかもしれない。
オーヴェルニュは当コース3戦3勝。中京コースは、直線入り口から四肢の回転が速くなり不思議なほど伸びる。前走の
みやこSは重め残り。二週に跨り調教で手綱をとった福永Jも変わり身と感触を確認できた。