【加速ラップの妙】
グレートマジシャンの瞬発力圧巻。
セントポーリア賞は、身体つきなどまだまだ子供。仕草など時折若さが顔をのぞかせる。しかし返し馬の第一歩の入りは実に滑らか。スタートは、出遅れというより、意図的に控える作戦を考えていたのだろう。後のためにと折り合いや馬込みの中での我慢を教え、直線を向いても馬のリズムに合わせ馬なりのまま。それでも自然に回転力が増し速力はアップ、11秒6-11秒2-11秒1(3Fは33秒9)というレースの上がりを、33秒3で颯爽と加速(ラスト2Fは推定10秒8前後)。ゴール前は手綱を抑える余裕があり、楽々と1分46秒5をマークした。
皐月賞は回避予定、ダービーに向けここは全力投球で臨む。
対抗は
シャフリヤール、ポテンシャルは互角。526キロあった全兄
アルアイン(
皐月賞、
大阪杯勝ち)とは、身体のサイズ(前走は448キロ)は大きく異なり、パワーよりは瞬発力に富む切れ者にかわった。
共同通信杯は1000m通過が1分1秒9のスロー、残り4F標識から11秒9と一気にペースアップ。続く3Fのレースラップは11秒5-10秒8-11秒5(33秒8)、対する自身の上がりは33秒4。大事に直線勝負に徹したぶん3着に敗れたが、使える脚と性能はわかった。今度はホームの阪神、もうひとつ前の位置に動かす作戦も頭にあるかもしれない。
ルペルカーリアは
シーザリオの息子、
エピファネイア・
サートゥルナーリアなどの弟。新馬戦は腰のハマり具合ひと息。伸びそうで伸びない、じれったい4着に終わった。みるたび印象の異なる不思議な馬ではあるが、前走はプラス12キロで登場。力が有り余っている感じで、若干折り合いに苦労したが、上下動や完歩の大きさ、スケールが他の馬とはちょっと違う。父はパワー型の
モーリス、10秒台の高速決着にはまだ課題が残るが、ひと雨来れば上位勢に接近。
素材なら
プログノーシスも負けていない。5月生まれ。随所に幼さが散見、馬体もまだ水っぽいが、レース操作は鞍上の意のまま。中団待機、3コーナー過ぎジンワリ外に出し直線は大外。少し外へと膨らんだが、11秒9-11秒8-12秒0(3Fは35秒7)というレースラップに対し、自身の上がりは35秒1。湿り気の残る馬場で経験馬相手に2分2秒0を叩き出した。馬体が10キロ程度戻れば、
レヴェッツァの巻き返し。二走前の2分1秒1というタイムを見直し。
ロジローズは最速の上がりで東京マイルを一気差し。1F延長も数字的にはOKだ。