【高速回転】
ホウオウルーレットの才能が高みに向かいフル回転モードに入った。
半兄
オメガパフュームは東京大賞典4連覇を成し遂げ、25戦11勝の現役ダートのスーパースター。半弟も能力とスピードにまかせ、新馬・
黒竹賞は先行策から後続に1秒以上の差をつけるブッチギりを果たし、底知れない才能を早くから誇示していた。
だが
伏竜Sはリキみ多い走りで5着に失速、思わぬ落とし穴にはまってしまった。なんて、若馬は、特に成長が緩やかなダート馬は、2歳12月から明け3歳4月期にかけ、おやと首をひねる惨敗もけっこうある。しかし、5月前後を境に急成長をとげるのも若いダート馬の特性。続戦の青竜Sは芝スタートの左回り。課題を克服すべく道中中団待機で折り合いに専念。ゴール前勝ち馬の強襲に屈したものの、1分35秒6というタイムは古馬3勝クラスを超える、OPに近い好記録だった。
いわき特別は小回り1700ダート。好スタートは切ったものの2番枠。馬群に押し込められ砂を被り、外に持ち出し加速態勢に入るまで厳しい操縦を求められたが、
トップギアに入るとグングンと加速。レースの上りを0秒5上回る36秒3の加速ラップで後続を0秒9突き放し、様々な課題をこの一戦で一気に解決して見せた。ゴール前は手綱を抑える余裕もあり、脚抜きのいい重馬場とはいえ1分43秒1はコースタイレコードだった。ちなみに前年
メイショウムラクモは、
いわき特別を重馬場条件下・1分44秒1で勝ち、
レパードSを1分51秒3で3馬身差快勝したが、ホウオウのスケールは兄
オメガパフュームに近く(馬体のボリュームや造りは兄より上かも?)、中間で南Wタフな長め6F追い2本含め3本時計を出し、馬体とフォームにさらに磨きをかけてきた。ただ、今年の
レパードSは素質馬揃い上位は拮抗。
タイセイドレフォンも、動き出しや戦法など覚えさせるためいくつか
ステップを踏んできたが、弥富特別はリズムよく好位で折り合い、時計は1分51秒1・上りは36秒8、2着に1秒3差の大差勝ち。二走前の鳳雛Sから走破タイムにして2秒2、上りを0秒9短縮。古馬OPに近い時計で駈け、才能開花の瞬間を目の当たりにした。
まとめて負かせばハピ。年明けデビュー、冬場の中京の乾燥馬場で1分54秒7というタイムは、新馬とすればかなり良質だった。二戦目は阪神替わり、馬場コンディションは重。一気のタイム短縮等、課題を抱えての一戦だったが、後方待機策がハマったにせよ、突き抜けてなお驚くような勢いがあり、1分51秒0という走破タイムは、同じ重でおこなわれた翌日の古馬2勝クラスより1秒1も速く、続く鳳雛Sの1分53秒0も古馬3勝クラスに匹敵する好記録だった。
ただ馬体も気性も幼さが散見、まだ前崩れの他力本願。JDDは始動も末脚の使いどころなど遅れ、追い込み届かずのもったいない4着だった。新潟1800mは大井以上にコーナーがタイト、平坦コースゆえ先行断然有利ではあるが、前走を糧に仕掛けのタイミングを工夫してくるハズ。
カフジオクタゴンも脚質は追い込み。だが前走の
鷹取特別は1800m通過・1分52秒0というHペースを直線入り口では二番手、2着を楽々0秒5突き放す機動力を示した。
トウセツの二走前、同じ開催の鳳雛Sと同タイムの1分53秒0で勝ち星をあげた。前走の
インディアトロフィーの1分42秒9は、重と稍重という馬場差はあるが、翌日のプロキオンSより0秒8速かった。上位とはまだ少し数字的説得力が足りないが、
ヘラルドバローズ、
メイショウユズルハのポテンシャル不気味。