【豹変】
イルーシヴパンサーがGIマイラーに飛躍する。3歳春は
皐月賞10着でクラシックは終了。自己条件の1勝クラスから再出発したが、6月の東京・芝1600mを
安田記念と0秒3差の1分32秒0・上り33秒8で駆け、重賞マイラーの予兆を早くから記録でも示していた。2-3勝クラスも危なげなく勝ち上り、GIII・
東京新聞杯はレースの上りを1秒2上回る、鮮やかな加速ラップで後続に1馬身4分の3という決定的な差をつけ突き放す完勝。1分32秒3という走破タイムは過去十年では
インディチャンプの1分31秒9に次ぐ第二位だった。58キロは初めてになるが、前記
インディチャンプは
マイラーズC4着のあと初の58キロで
安田記念を1分30秒9で奪取している。2か月半以上の休養明け戦績は[3100]、テッポウに自信があるからこそ狙いすましての直行策。調教の負荷や内容もGI仕様のメニューにかえている。
まともなら
シュネルマイスターとの差し比べが濃厚。3歳5月・
NHKマイルCを歴代第二位の1分31秒6で駈け、古馬初対決の
安田記念が0秒1差の3着、
毎日王冠を1分44秒8で圧倒し、
マイルCSを
グランアレグリアの0秒1差の2着に追い上げ、GIマイラーの女傑からバトンを受け取った。
ドバイターフは8着と伸びあぐねた理由は調整ミスにしろ、ただトップスピードに入るまで少し時間がかかる面は解消できたかどうかは微妙。木曜日発表の体重は498キロ(
マイルCSと+18キロ)。重めの影響で
ギアチェンジや動き出しが遅れるようだと追い込み届かずのシーンがあるかもしれない。
まとめて負かせば
ソウルラッシュ。マイルに距離を定め、初戦の12月の中京戦は文字通りもったままの大楽勝。初の中山遠征は輸送で
テンションが上がったが、二度目は平静を保ち重馬場もクリア。
マイラーズCは稍重条件下、1000m通過・57秒5というHペースをじっくり後方待機。レースの上りは35秒8、自身のソレは34秒1。1秒近く時計のかかる
パワー馬場でも次元の違う末脚で大外一気のゴボウ抜き。タメればためるほど凄みのある脚が使えることがわかった。
ソングラインは
NHKマイルC同タイム2着、富士S、サイジアラビアのG3を差し切った
サウスポー。発馬に気をつけ、道中馬群で揉まれないよう、小さな操作が必要だが、東京マイルなら牡馬相手でも力量は互角。
ファインルージュは
東京新聞杯2着、
ヴィクトリアマイルC2着。左回りは勝負どころでモタつくが、苦労しながらも毎回最後は伸びている。
ダノンザキッドは
マイルCS3着入線で進むべき距離と舞台を確信。この中間から追い切りをコースから坂路中心へと切り替えたが、安田隆厩舎は数多くのGIス
プリンターやマイラーを坂路調教で造成してきた。
連穴は
サリオス。
高松宮記念はブリンカーを装着したが、最内枠でダッシュがつかず。重馬場にも嫌気を差し、脚を突っ張りレースを投げ出してしまったが、左回り、良馬場マイル。闘志を鼓舞するレーンJとのコンビなら、巻き返しがあるかもしれない。