【GIIIにアジャスト】
ジャスティンカフェは、条件戦をホップ・
ステップ。踏み切ってGIIIにジャーンプ。デビューは3歳1月。馬格はあるが身体も心のネジもいくぶん緩く、動き出しや反応などワンテンポ反応遅れがち。心身の成長を促しマイルを軸に丁寧なローテーションを組んできたが、昨年10月の中京マイルを翌日の
ポートアイランドS(OP)と同タイムの1分32秒6で駆け、重賞レベルの記録的下地は築いた。2勝クラス脱出に2戦要したものの、横山典Jとのコンビで目下2連勝。前走の
湘南Sはスローペースも委細構わず、ポジションはポツリ後方。ギリギリまで末脚を温存、引き絞った矢を放つように、11秒0-11秒5-11秒8(3Fは34秒3)というレースの上りを32秒9で大外一気。最後は手綱を抑える余裕あり、2着に3馬身差をつける大楽勝だった。1分32秒3という走破タイムは同日メインの
NHKマイルCと同タイム、翌週の
ヴィクトリアマイルと0秒1差。加速ラップおよび余力を加味すれば、1F延長のGIIIでも好レース必至。
本線は
ダーリントンホール。
共同通信杯を勝ち、ダービーに参戦。サイアーラインは欧州系の
ガリレオということもあり
パワー型の中距離馬というイメージを抱いていたが、富士Sからマイル路線へと転向。7着ではあったがGI・
マイルCSのゴール前の脚色は勝ち馬に次いで印象深かった。
洛陽Sを1分31秒9・上り33秒8で2着し、マイルの高速決着にもある程度めどを立てた。ただ、トップスピードに入るのが少し遅い。変則コースの中山マイルのダービー卿CTは、急がせたぶん走りが窮屈になってしまったが、馬体もひと絞り。東京に替われば伸び伸びとした競馬が可能になる。
共同通信杯時と同様、少し湿った
パワー馬場もいい。
ザダルは昨年の
エプソムC優勝馬。東京9Fに1分44秒1という時計を持ち、57.5キロで
京都金杯を完勝した実力馬。発馬で躓くことが多く、ダービー卿CTは勝負どころで進路がなく10着に終わったが、東京1800mならすぐにリカバリーが可能。58キロも許容範囲――ただ前脚の伸ばす幅が異様に短く、湿った馬場を苦手としている。当日の芝コンデイションには注意が必要だ。
惑星は
タイムトゥヘヴン。前崩れの展開に恵まれたとはいえ、ダービー卿CTは中山の急坂を上り33秒7で外強襲を決め、忙しい7Fの
京王杯SCも確かな脚色で3着に押し上げてきた。コントロールの利くようになった今なら9Fでも伸び脚は鈍らない。
シャドウディーヴァも小差。自身のキャリアハイとなるレースは、当コースの
府中牝馬S1分45秒6・上り33秒1。GI
ヴィクトリアマイルも9着ながら、上り32秒9は最速だった。渋った馬場も苦にはならず、GIIIなら56キロでも決め手はヒケをとらない。一気のメンバー強化となるが、
ヤマニンサンパは出色の時計と上りラップで目下二連勝。随所に若さを残すものの、同時に可能性も秘めている。水気の多い重馬場なら、単騎逃げにも恵まれそうな
ノースブリッジの前残り注。