【第一関門】輸送による妙な摩耗さえなければ、
チャンスザローゼスの瞬発力上位。三代母は
ローザネイ、社台グループを支えてきた名族。近親の
スタニングローズは今春の
オークス2着、つい先日の
秋華賞を奪取したが、
エピファネイアの本馬も、
スタニング活躍前のセレクトセールで、一目ぼれした本年のワタクシの
ドライチ。新馬戦は調教でも内にモタれたりする仕草を見せていたり、折り合いに汲々。ドタバタしながらの2着だったが、前回は仕上げを工夫。急かさないよう、発馬はゆったり。フォームを確認しつつ、ブレのないコーナリングで後方三番手の内目を追走。
1000m通過は62秒3のスローで展開。4コーナーすぎ、少し手綱を動かし大外へ。上り3Fのレースラップは11秒6-11秒2-11秒6(34秒4)。残り2F標識すぎ、エンジンが点火すると、ブワリとフットワークが大きくなり、自身33秒5で一気差し。上り2Fは10秒9-10秒8見当か、それ以上? ゴール板をすぎても勢いがありすぎて止まらない馬を、久しぶりに見た(笑)。ちなみに2分1秒4は、8レースの古馬1勝クラスより0秒7速く、上りラップは同列。2歳9月ですでに古馬2勝クラスの立ち位置にいる。調教パートナーの相手は
セリフォス、時に遅れもあり、まだ完成途上だが、東京への輸送およびコース経験は一度は通らないといけない関門です。
オープンファイアも、クラシックのためには東京9Fは避けて通れない。太い首、丸く厚い臀部、ガッチリとした鴨腹。セレクトセールの時からボリュームのある馬だなと思っていたが、ディープの仔は案外大きくはならない。やや四肢の短いマイラー型にとどまる馬もけっこういるが、1歳時の
シルエットを保ったまま、512キロの迫力のある姿に成長。
新馬戦は本命のチャンスが勝ちあがった翌日、馬場は良。発馬はモッサリ、ゲート内で前脚を上げてしまい、前半5F 1000m通過は66秒6の超緩ペース。前進気勢がやや乏しく、さすがのルメールJもあたふた。上り3Fは11秒5-10秒8-11秒6(33秒9)。典型的なスローの上り勝負、ルメールさんもワッセゝ。残り2F標識をすぎようやくその気になり猛然と加速。自身の上りは33秒4、位置取りから逆算すると、ラスト1Fは11秒0くらいだろうか。2分5秒8はいかにも平凡。課題も一つや二つではなく、
ポンポンと連勝とはいかないだろうが、ダービーを遠望できる脚を刻んでおきたい。
三番手は
シャンドゥレール。父は
エピファネイア、母は北米1勝、G2・2着1回、G3・3着2回。新馬戦はゲート入りはゴネたが、運よく逆にスタートは
ロケット。ハミ受けが甘く道中騎座が突っ立ち気味になったりしたが、追い出しに入ると首の角度は低くなり、地に足の着いたフォームに
チェンジ。上り3Fを推定11秒8-11秒3-11秒4(34秒5)でフィニッシュ。ただ、道中一瞬フラついたり、
札幌2歳Sはスタートの課題を露呈。まだ腰に力がつききらずコーナー4つの小回りに対応が利かず
バランスを崩してしまったが、初心にかえって直線勝負。東京9Fに舞台が替われば伸びも違う。
サトノヴィレはマイルを走り2・1着。前走時計・1分34秒4という速い時計もひとつの武器になり、そして上りも33秒3。背中も四肢も適度に長く1F延長でも伸びは鈍らない。