【風景一変】
ソウルラッシュが反転攻勢に打って出る。マイルに距離を定め、昨年12月中京戦は、文字通り持ったままの馬なり大楽勝。初の中山遠征は輸送で
テンションが上がり抜け出すのに手間取ったが、二度目は平静を保ち重馬場も難なく突破。
マイラーズCは稍重条件下、1000m通過・57秒5というHペースをじっくり後方待機。レースの上りは35秒8、自身のソレは34秒1。1秒近く時計のかかる
パワー馬場でも次元の違う末脚で大外一気を決め、タメればためるほど凄みのある脚が使えることがわかった。
満を持して挑んだ
安田記念はペースはスロー、馬群がひと塊で推移。スペースを探すのに手間取り、さあ勢いがついたところでズラリと前が壁。1F標識手前で立ち上がる大きな不利を被り、最後は流しながら13着入線となったが、まだ伸びようとする姿勢と余力は見て取れた。秋は9月中旬から1カ月半かけ、松山Jを伴い入念に乗り込み、坂路では自己ベストの調教時計もマーク。流れ一つ、ポジション一つで競馬の風景がガラリと変わっていい。
第一本線は
ダノンスコーピオン。デビュー戦、萩Sも、パドックでは眠っているように大人しい。身体つきも見るからに幼く、明らかに完成途上の造りでも、
朝日杯FSは3着に食い下がった。
共同通信杯は7着と後退したが、父は
ロードカナロア。
マイル路線に切り替え微調整をほどこし
アーリントンCを奪取。
NHKマイルCは、初めて闘志を前面に現し四肢の着地も力強さを一段増した。枠は18番、1000m通過・57秒4のミドルペースを、もまれることなくスムーズに追走。外差し馬場も追い風になったが直線半ばではもう堂々の先頭。さらに大外から2着馬がクビ差に肉薄してきたが内容的にはほぼ完勝といっていい。まだ成長途上、次走の
マイルCSを睨んだ造りとはいえ、坂路の時計および上り1Fの伸びは確実に進歩している。
セリフォスの仕上がりの良さも特筆モノ。
新潟2歳S、
デイリー杯2歳Sは内外異なる位置から一気差し。
朝日杯FSは0秒1差の2着、
NHKマイルCは荒れたインに進路を取らざるをえず4着に伸びあぐねたが、古馬相手のGI・
安田記念は同じ4着でも正攻法の競馬で、あわやの4着。やっぱ力のある馬ですね。元々稽古は動くタイプではあるが、身のこなしと一連の調教タイムは群を抜く。
アルサトワは、
ポートアイランドSは10秒9-11秒2-11秒8という好ラップで二枚腰を使い逃げ切りVを完遂。
大阪城Sを1分44秒8という快記録で駈けスピードの片鱗は示していたが、マイル路線に新たな道を切り開いた。
ピースオブエイトも
小倉記念は1000m通過・58秒9-マイル通過・1分34秒1という乱ペースに翻弄され5着に終わったが、3歳早期に9Fを1分46秒3で駈け
毎日杯を逃げ切った速力の持ち主。身体もやや寸詰まり、マイルに替われば折り合って好位差しに転じる可能性も考えられる。
脚の使いどころが難しいが、
エアロロノアはマイル戦線で二戦に1回は最速の上りを計測してきた。前崩れのHペース、直線勝負に徹すれば
タイムトゥヘヴンの差し込みも。