【一歩リード】
ミッキーカプチーノの
葉牡丹賞の記録がずば抜けている。東京新馬戦の勝ち時計は2分1秒1。上り3F・11秒4-11秒3-11秒3(34秒0)というレースラップを33秒7でひと捻り。ラスト1Fは推定11秒0、新馬戦の内容も相当なHレベルだった。次走は中山。12月の開催一週目におこなわれる
葉牡丹賞は、馬場は絶好、2歳レコードも出る。高速タイムが毎年のように出ることで知られているが、今年の
ミッキーカプチーノの精度はちょっとランクが違うかもしれない。発馬は伸びあがり気味。テンの2Fめに10秒9が現れ、1000m通過は
皐月賞に近い60秒0の平均ペースで推移。ポジションは中団の内。よどみのないミドルなら変に動かずとも直線入り口では力のない馬は脱落、馬群はばらける。直線入り口内から3頭分ほど外に持ち出し、11秒8-11秒5-12秒0(3Fは35秒3)というレースラップを滑るような加速で、自身34秒6で坂上もスタスタ。終わって見れば後続に3馬身半の楽勝。これほどの脚力とは――戸崎Jも目を白黒? (笑)。ちなみにマイル通過は1分35秒6-1800m通過は1分47秒1。余力残しでレコードに0秒2差の1分59秒1となった。なんて、
葉牡丹賞は好記録も出るが、その反動が怖いことでも知られている。しかし心身ともに、妙に健やか。中二週にもかかわらず、21日、25日と、CWで長め6Fから追い好タイムを連発。さらなる上昇も見込め、このあとの本番のほうが心配だが(笑)、
ホープフルS好勝負はまず間違いないか。
時計の精度と能力なら東スポ杯優勝馬
ガストリック。祖母
ワイルドゲイムズは海外9勝(G3.3勝)。
母エーシンエポナ(父は
カーリン)は、芝9F1勝、ダート9F2勝。デビュー戦は東京・芝9F、上り33秒3で大外一気のシンガリ強襲を決めた。若干硬い造りだが、東スポ杯は6キロ絞れ(510キロ)馬体のラインは格段にシャープさを増した。初戦はまるでゲートなど出る気がないように下手っぴいだったが、東スポ杯の立ち遅れは一完歩程度。すぐに行き脚がつき、後方内目の4番手を元気よく追走。先行馬4頭が1000mを58秒9という速い流れで引っ張り、直線馬群がバラけると今日はインから馬場の中央へ。早めに押し出して行ったが、上り3Fのレースラップは11秒4-11秒5-12秒0(34秒9)。7F通過は1分22秒3-マイル通過は1分33秒8と、かなりレースはタフ。抜け出すまで手も動いたが、
ダノンザタイガーが外から寄せてくると、却ってフォームが固まり競り合っても抜かせない。自身の上りは34秒0、最後の1Fも11秒台半ばのラップで力強く締めくくった。よどみのない、実力の見極めやすいミドルラップの上に立っての1分45秒8。歴代の東スポ杯の中でも
コントレイルに次ぐ確からしい数字として示した。課題はコーナー4つの小回り、右回りだけだろう。
ファントムシーフの力量も紙一重。6月の新馬戦はパドックで呑気に馬っ気。しかし、上りラップは推定11秒8-10秒8-11秒3(3Fは33秒9)。一瞬でギアが入り、あっという間の加速にはびっくりでした。
野路菊Sは前走比8キロ増(492キロ)。数字云々ではなく、まだ水っぽい余裕残しの造り。新馬時よりはマシだが気性も若い。走法は若干首は高め、ポジションは好位のポケット。前半1000mは61秒4のスロー、向こう正面半ばそっと外に持ち出し、コーナーも馬なりで加速、あっけなく大外から先頭にとりついた。典型的なスローの瞬発力決着ながら上りラップは推定11秒4-11秒0-11秒1(33秒5)。ゴール板は悠々通過し、1コーナーに向ってさらに加速していた(笑)。
惑星は
セブンマジシャン。母は5勝、母の妹は
ノームコア、
クロノジェネシス。中山の新馬勝ちもかなり荒っぽかったが、
黄菊賞は隣りの馬に寄られスタートでドタバタ。舞台は内回り2000m、道悪は未知数。1000m通過は64秒0の緩ペース。あちゃー、最後方かよ。しかし鞍上はC.デムーロ。ポジションは後ろでも、妙に手綱に余裕がある。3-4コーナーをマクり上げていく脚と躍動感は、他とは一線を画していた。突きさすように直線を向き、重馬場条件下11秒8-11秒8-11秒8(3Fは35秒4)というレースラップを、自身34秒7というパワフルなラップでネジ伏せた。
弥生賞や
スプリングS、そして
皐月賞を遠望できる脚色だったなぁ。
キングズレインも前走良馬場で本領発揮。祖母は
リッスン、
母タッチングスピーチは
ローズSを一気差し。7月の函館・芝1800mの新馬戦はズボズボの重馬場に脚を取られ3着。「こんな馬場で走って運がありませんでした。促さないと進まなかったですし、そんな中でよく頑張っています」と、横山武Jがレース後コメントしていたように、高い才能と、馬場がかわれば別馬ですよという思いが読み取れる。
百日草特別は待望の良馬場。フットワークは力強く、体が
ボンボンと弾んでいる。ポジションは中団内、1000m通過は61秒7のスロー。4F標識から11秒8にペースアップ。コーナーを丁寧にすり抜け隙間を見つけ、推定・11秒1-11秒2-11秒4(3Fは33秒7)という好ラップを並べ、1分59秒7で走破。最後まで身体を起こして走り切った。
フェイトはまだ本格化手前。新馬戦は能力だけで楽勝した。しかし上りラップに10秒台のラップがない。見かけはともかく数字の裏付けがなく、追い切りのドタバタを見ていると、理想像にはまだまだ。結果、東スポ杯は残り1Fでアゴが上がったが、ジンワリとはいえ攻めも体も強度アップ。将来への道筋を、ある程度の着順を残しつけておきたい。