【熟成血統】明け4歳
アンドヴァラナウトが飛躍を期す。祖母は
エアグルーヴ、
母グルヴェイグは
マーメイドS優勝。勝ち上がりに三戦を要し、3歳4月にまでずれ込んだが、阪神マイルを1分33秒4で走り初勝利を手にした。2勝目の
出雲崎特別は距離2000m、1分58秒2の好記録で快勝。GII・
ローズSは典型的なスローの上がり勝負とはいえ、11秒6-11秒3-11秒7(3Fは34秒6)というレースラップを0秒8上回る33秒8の末脚を繰り出し一気差し。懸案だったコーナーリングも
バランスを崩すことなく、左回りは追ってからのフォームも崩れが少ない。
秋華賞は1000m通過・61秒2のスローを好位内で我慢。馬込みで揉まれストレスもたまり、勝ち馬に外から早めに圧をかけられ先手を打たれてしまったが、一瞬首位はあろうかという内容だった。坂路を主体に追い切りは中間5本、5日は51秒3-37秒0-11秒7。全体時計・上がりともに自己最速の記録を叩き出している。
強敵は
マリアエレーナ、近親に
ワグネリアンの名も連なる良族。若干腰が甘くワンターンもしくは左回りに比重の高い馬だが、三走前の
高千穂特別は、右回り・小回りの小倉にも楽々対応。1分58秒9・上がり34秒2で好位差しで決めた。
ローズSは痛恨の除外、やむなくオープンに回り2着。新潟牝馬Sはうっ憤を払うかのような豪快な一気差し。こちらもCWで出色の自己ベストをマーク、重心低くフットワークもより大きくなった。
マジックキャッスルは前年の覇者。
愛知杯の外強襲を起点にGI・
ヴィクトリアマイルは3着に食い込んだ。ただ、
府中牝馬Sは15着大敗。パドックではあまりよく見せるタイプではないが、完歩が小さく歩きが遅く、身体も妙に小さく映った。実力は認めるものの今回に限っては少し用心して扱ったほうがいい。
アナザーリリックは
アネモネSを豪快な大外一気、二走前の佐渡S・1分45秒2で、重賞レベルに悠々到達。
秋華賞は15番枠、ペースはスロー。終始外々を回され最後アゴが上がってしまったが、流れと展開が違えば結果も異なるものになっていたかもしれない。斤量は53キロ、上位逆転の可能性を秘めている。
ソフトフルートは
秋華賞3着、前走の
エリザベス女王杯は4着。地力は高く、中京2000mは3戦3勝というコース巧者です。終い一手ゆえ成績に波があるが、
デゼルの血統とポテンシャルを侮ってはいけない。