【王の進発】
エフフォーリアに揺ぎなし。全戦績は[6100]。ダービーはハナ差二着に惜敗、クラシック三冠は逃したものの、秋の天皇賞ではひとつ年長の三冠馬
コントレイル、競馬史屈指のマイラー・
グランアレグリアを正攻法の競馬で力でねじ伏せ、
有馬記念を過去10年でも三番目の好タイムで制覇。ほぼ満票の支持を集め2021年の年度代表馬に輝いた。本年の始動戦は
大阪杯と表明。阪神内回り2000mに舞台はかわるが、コース形態の似た中山2000mの
皐月賞では、器用に内を突き直線入り口では早くも先頭。坂上も加速を続け後続を0秒5差に封じ込めた。
秋の天皇賞は1000m通過は60秒5、スローの上り勝負。ラスト4Fから11秒8にピッチが上がり、続く3Fのレースラップは11秒1-11秒1-11秒4(33秒6)。機動力と瞬発力を問われる高速勝負にも、推定11秒台のHラップを3連続並べ、上り33秒2で先行勢を力強くとらえた。先行断然有利といわれる内回りの
大阪杯の流れにすぐにも対応可能な数値を何度も計測している。
第一目標は
ジャックドール。昨年9月以降、ドトウの5連勝。一戦ごとにレース内容と時計等を短縮。前走の
金鯱賞はマイル通過は1分33秒6-1800m通過は1分44秒9というよどみのない流れを牽引、ラスト3Fめに11秒0という高速ラップを繰り出し、1分57秒3のレコードで先頭ゴール。右回りの阪神2000mにかわるが、回りに得手不得手はなく、
大阪杯はまさに自分が築き上げてきた戦法とラップ形態に
ドンピシャのGIとなる。ただしレコ勝ち明けの中二週。
金鯱賞は珍しくパドックで発汗。疲れはないか、
テンションが上りすぎないか。次走に向け一抹の不安を感じた。加えて、マークは一身に集中。
エフフォーリアのみならず、勝負どころでプレッシャーをかけ、ラ
イバルたちはいっせいに背後から迫ってくる。
前年の
大阪杯の覇者
レイパパレもその一頭。
金鯱賞は香港遠征明け、斤量は56キロ。馬体造りや距離など再調整をはかる中での2着。今度は55キロ、ジャックとは2キロ差。動き出しも勝負の意識も終いの伸びも前走とは違う。
ヒシイグアスも好勝負。スーパーGII・
中山記念を1分44秒9という精度の高い時計で勝ち、
香港Cでは米国の芝チャンピオンにも顕彰された
ラヴズオンリーユーにアタマ差肉薄。体調も上向き、一気の
ギアアップに一歩踏み遅れたとしても、闘志を奮い立たせゴール前追いつてくる。
アリーヴォは見た目の時計は平凡ながら、
小倉記念を目の覚めるような末脚で大外一気。皮膚は黄金色に発色し、背中に羽が生えているように動きは軽い。57キロは初めてのぶん印は△としたが、諸々の壁を一気にクリアしてしまう可能性あり。
キングオブコージは、
AJCCをレースの上りを1秒上回る34秒7で一気差し。身のこなしはキャリア一番、横山典Jは馬群の真っただ中からでも大胆に突っ込んでくる。