【世代屈指】
レッドベルオーブは4歳世代を代表するトップマイラー。長期休養明けをひと叩き、枠は内目の3枠5番、劇的変身が期待できる。一番の衝撃はデビュー二戦目、中京マイル。前半3Fのレースの入りは12秒7-10秒5-10秒8。スローの上り勝負が定番の現代競馬にあって、マイル戦で10秒台のHラップを2つ計測し、1000mは57秒2というHピッチで通過。リキみの多い走りながらも、直線に入ってもグリップ力は衰えず。11秒8-11秒7-12秒4(3Fは35秒9)という
パワーラップで後続を3馬身半差封じ込め、1分33秒1のレコードが点灯した。
続くデイリー杯は一転前半1000mの入りは58秒1のスロー。口を割り何回か頭を上げ、並みの馬なら大失速もありえる厳しいレースになったが、あえて狭いインに飛び込み、上りラップは11秒4-10秒9-12秒0。阪神マイルでも1分32秒4のレコードを叩き出した。
朝日杯FSは二度のレコ勝ち後、8キロ増という体重が示すように、心身ともに少し楽をさせた影響もあったか。
皐月賞は大外16番枠で前に壁を作ることができないまま8着に失速。
六甲Sは長期休養明け、492キロという身体造り自体はよかったが、同じように16番枠で直線入り口まで終始頭を上げ折り合いがつかず。それでも直線2F標識手前、一旦伸び掛かる素振りを見せ、交わされたあとも大バテはせず、7着に抵抗した。岩田望Jとは初タッグになるが、休養中にも調教で跨ったことがあり、この中間は二週連続して追い切りに騎乗。能力、癖をしっかりと把握した。
第一本線は
六甲Sを快勝した
エアロロノア。OP到達までに小さな踊り場もあったが、三走前のリゲルSは上り32秒6で一気差し、
京都金杯は0秒4差。
六甲Sは直線外から楽に先団にとりつき、稍重条件下・推定11秒2-10秒7-12秒1(3Fは34秒0)で快勝。坂路およびCWの調教もさらに一段レベルを上げている。
割って入れば
カラテ。
東京新聞杯・
ニューイヤーS勝ち。前走の
中山記念は1000m通過・57秒6-マイル通過・1分32秒9というタフな流れを、リズムを崩すことなく最速の上りで2着は確保。勝ち馬
パンサラッサは次走
ドバイターフを逃げ切ったように、スーパーGIIにふさわしい中身の濃い一戦だった。高橋祥厩舎引退に伴い辻野厩舎へと転厩したが、坂路しかできなかった馬が、一週前はCWで伸びやかな6F追いもでき、爪の不安はほぼ皆無。今季の阪神はあまりにも先行有利、脚質等を考慮し三番手としたものの、◎を打とうかどうか最後まで迷ったほどでした。
エアファンディタも、追い込み一手ゆえ惑星に留めたが、三走前の
元町Sを上り32秒8でイン一気。前走の
洛陽Sは1000m通過は57秒8のミドルペース、11秒2-10秒7-12秒2(3Fは34秒1)というレースラップを33秒3で外一気、1分31秒9という走破タイムは、そのままGII、
マイラーズCの決着タイムに合致。切れ者で知られた
父ハットトリックの皮膚感とボディーラインが前面にも出てきた。
ファルコニアも僅差。1800mは微妙に伸びひと息。二走前からマイル路線へと距離を短縮し、前述したエア2頭を相手に
洛陽Sは3着、続く
六甲Sも0秒2差の2着。鞍上は川田J。立ち回りの上手さを味方に、ポジション一つで逆転も視野に入る。
ホウオウアマゾンは、東京遠征は
テンションが上りすぎたり、逆にボケッとしたり、何故か結果が伴わないが、阪神はGI.
マイルCS5着、
阪神Cは器用にインを捌き小差2着、デイリー杯では本命に推した
レッドベルオーブとレコード勝負を演じてきた。