【イメージ以上の大物】
タイセイクラージュは想像を少し上回る、クラシック路線に乗る好素材。半兄
ムスカテール(
父マヤノトップガン)は
目黒記念優勝。半兄
グロンディオーズ(父
ルーラーシップ)は
ダイヤモンドS勝ち。本年産駒の父は
サトノクラウン、父に似た贅肉の少ないスラリとした青鹿毛。やや晩成系な一族が、2歳10月デビューできた。前進気勢が強く、坂路だと終いバタバタになるが、コース追いでは終い1Fを11秒4で伸びる。ちょっとばかり暴れん坊? ゲート入りをゴネ、横山武Jも苦笑いのスタートとなったが、ウカウカした感じの走法ながら好位三番手の外で折り合い、前半1000mを60秒6で通過。
直線に入りスッと逃げ馬を交わし、上り3Fのラップは推定11秒3-11秒2-11秒5(34秒0)。人気
レヴォルタードが迫ってくると、また突き放す、頭は高いが滑らかに芝を捕まえ、1分47秒0という好タイムで決着をみた。452キロという数字ほどは華奢には見えない。多少気性はキツくとも摩耗するタイプには思えず、萩Sも好レース必至。
対抗の
エレガントルビーも
オークス路線が見える良駒。半兄
モズベッロ(父
ディープブリランテ)は現役4勝(
日経新春杯勝ち、
大阪杯2着)。兄は無類の重巧者で知られているが、父に
ドゥラメンテを配しスピード対応もOK。初陣の体重は476キロ、牝馬にしては大きめ。小倉2000mは引き込み線からのスタート。スタンド前の直線を外目3番手で通過、正攻法の位置取り。スタート後4-5Fめのラップは13秒1-13秒0,1000m通過は62秒3のスロー。しかし5F標識過ぎ外からガシガシ先頭にとりつく馬など現れ、6F目のラップは一気に12秒2にペースアップ。
残り4Fも11秒5-11秒8-11秒7-11秒9(3Fは35秒4)。様相一変、Hレベルの持久力勝負にかわったが、雁行状態の激しい先陣争いになっても手応えは一番。直線に入りポンと2馬身ほど抜け出したが、先頭に立ってもまだ余力があり、流し加減でフィニッシュ。非社台系ゆえ兄同様人気の盲点になりそうなタイプですが、大事に育てれば来春の
オークスが楽しみ。
三番手は
ラスハンメルの粘り込み。半姉
メサルティム(父
ディープブリランテ)は3勝、半姉
クロウエア(父
トーセンホマレボシ)は2勝。新潟の芝1800mの新馬戦は、
ダノントルネード、
シャザーンの叩き合いを前に0秒2差。3着に敗れたものの、上り32秒5を計測していた。二戦目の中京2000mは台風の影響か。パドックでは妙に気が立っていたが、道中は馬の気に任せ二番手。6F標識すぎ一気に11秒8にペースアップ。続く4Fは11秒4-11秒1-11秒8-12秒9。直線の動かし方は教科書通り、早々に先頭に立ち後続を振り切った。湿り気の残る稍重ゆえラスト1Fは12秒9を要したものの、クラシックに流れ込む持続力あり。
スズカダブルは二戦目ながら阪神マイルを1分34秒8で勝ちあがった。9Fは微妙に長いが、紫菊賞3着は決してフロックではない。
トップナイフも逃げれば光る。