【10Fの精密機械】中距離王
ジャックドールが
札幌記念連覇を果たす。全8勝はすべて2000m――中京の
金鯱賞を1分57秒2のレコードで駆け、
札幌記念を優勝、二度目のチャレンジで本年の
大阪杯を制しGIウィナーの仲間入りを果たした。4歳以前は発汗も多く、腹回りを細く見せていたが、5歳を迎え重心は低くなり、
大阪杯は1000m・58秒9の平均ペースで進め、マイル通過は1分33秒5-1800m通過は1分44秒9。
安田記念は適性に勝るマイラーの瞬発力に0秒3遅れをとったものの、残り1F標識近くまでは一瞬あわやという見せ場を作った。7月末から北海道で時計を出しはじめ水曜日・日曜日と計6本の追い切りを消化。昨年の
札幌記念前より遥かにグリップ力が増し、身のこなしも重厚さ満点。別定のGIIなら実績通りの主役でいい。
対抗は
シャフリヤール。3歳春の
毎日杯の1分43秒9というレコ勝ちを
ステップに、ダービーは2分22秒5という快記録でGI奪取。
ドバイシーマクラシックでは世界のミドルディスタンス王者を撃破した実力馬。海外遠征明け、初の洋芝、
ギアチェンジ等、新たにコンビを組む横山武Jの口ぶりは調教後もやや慎重だが、GI馬の体の使い方と迫力に改めて唸った。
単穴には
ダノンベルーガを指名。秋の天皇賞は0秒2差3着、
ドバイターフも追い込み届かずの2着に終わったが、GIタイトルまであと一歩のところに接近。3歳時はギリギリの仕上げを余儀なくされたが、身体を第一に調整期間を設け、北海道での一連の調教の動きを見ると、コーナーも
バランスを崩すことなく抜け懸案の腰も小康状態。モレイラJの技術をもってすれば右回りも勝ち負けに導こうと
ファイトする。
堀厩舎の僚友
ヒシイグアスは、
中山記念制覇を果たし、いざGI・
大阪杯へと挑んだが、輸送か夏負けか。うーん、18キロ減が大誤算。しかし
香港C2着、レコード決着の
宝塚記念2着。汗をかき白い泡もふいているが、滞在の北海道なら体重増も見込め、GII馬の格式と地力を示してくれる。
ソーヴァリアントは肉体は立派な重賞級だが、ハートは小学生。勝ち負けの落差が極端になってしまうが、夏は肌艶も一変。滞在競馬の札幌は2戦2勝、どちらの内容も重賞レベルだった。
プログノーシスは、GII・
金鯱賞一気差し、香港のクイーンエリザベスII世Cを2着。一戦ごとにGI近くまで末脚を研磨、決め手勝負になれば首位まで見込める。