【好調線上】夏は牝馬、いままでも特に今年は。
中京記念2着の
ディヴィーナが堅調を維持。
母ヴィルシーナは
ジェンティルドンナ相手に、牝馬三冠をすべて小差の2着に踏ん張り、全力投球を常とした名馬だった。しかし娘は420キロ前後と小柄、好走条件は左回りのマイルという制約に縛られているが、今春の東京では母が連覇を果たした
ヴィクトリアマイルを最速の上りで0秒2差に急追。前走の
中京記念は
ノーマークだった
セルバーグの逃げ切りを許し2着に終わったが、メンバー中第二位の上りで3着には1馬身半差をつけガッチリと2着は確保。GIIIマイルでの力関係と立ち位置が明確になった。中二週というローテは初めてだが、軽めながら追い切り3本を消化。大きな上積みはなくとも、夏の牝馬は肌艶や闘志を高いレベルでキープできる。
対抗は
メイショウシンタケ。オープン昇級緒戦の
六甲Sは差を詰めるだけの9着、しかし
米子Sはレース内容一変。前半1000m通過・56秒3という激流を後方集団の前めに構え、3-4コーナーではラチに寄せ距離ロス挽回、メンバー中二位タイの上りで直線馬群を断ち割った。1分31秒7という走破タイムは3回阪神および1-2開催の重賞などを合わせても、阪神マイルの本年の最高数値だった。
中京記念は予期せぬ急遽の乗り替わり。折り合いや仕掛けに癖のある馬だけにダメージは大きく、8着沈没はしょうがない。左回りは若干内にモタれるというコメントは気になるが、浜中Jは過去二回手綱を握った経験がある。本命同様タイトなローテゆえ、今回はソフトな仕上げで臨む。
単穴は
ララクリスティーヌ。菅原Jとのコンビで、
キャピタルSに続き
京都牝馬Sを計ったような差し脚でゴール前一閃。仕掛けどころと使える脚の長さを完全に手の内に入れている。前回の
ヴィクトリアマイルは、久々に加えGI。捨てゲームみたいな感じになってしまったが、まだ家賃が高く、惨敗から急カーブでV字回復も多い。平坦の新潟ならマイルでも、ガツンと終いまでは実をとり伸びは鈍らない。
追い切り日に小さなトラブルがあったため慎重に印を一つ落としたが、
サクラトゥジュールは3歳5月、東京マイルを1分31秒7で駆け抜けた潜在的重賞マイラー。だが見るたび全身汗ビッション。相手より自分との戦いがキャリアの大半を占め本格化に難渋したが、メイSは上り33秒7という滑らかな加速でスカッと1分44秒7。自己最高のパフォーマンスを演じた。
フィアスプライドも不気味。急坂の中山マイル・
ターコイズSの上り33秒5は鮮烈の一語。Hペースの追い込み型ではなく、スローの究極の瞬発力勝負でこそ持ち味が生きる切れ者だ。重賞マイルは正確無比な少しの無駄も許されない操縦を完遂する必要があるが、
アヴェラーレの上りラップも重賞レベルに達している。