【ごろうじよ】4歳秋、完成なった
イクイノックスの姿を目に焼き付けておこう。能力に肉体の成長が追いつかず、3歳春の
皐月賞は東スポ杯から5か月のぶっつけで2着。1馬身差2着に遅れをとったものの、ダービーを2分21秒9という超高速決着で駈け、秋の天皇賞では上り32秒7の末脚を繰り出しゴール前強襲に成功。続く
有馬記念は押し迫るラ
イバルたちを子ども扱い。ドバイシーマCをレースレコードで制し世界ランキング1位にも輝いた。帰国緒戦の
宝塚記念は海外遠征明けの疲れが残っていたか。腰の踏ん張りが利かずスタートで後手に回り終始ラ
イバルたちの圧迫を受け、ロスを承知で外々を回らざるを得なかったが、最後もうひと脚を使いグイとひと差し。心身を構成するフレームが頑強になった。4歳の夏、馬体をもう一度見直し。体重は大きく増えてはいないが、やや細めだった首差しと胴周りに実が入り、フットワークも身のこなしも、また一段上の高みへ踏み込もうとしている。枠は7番、1-2コーナーを無事通過すれば、どこからでも王者の脚が繰り出せる。
ラ
イバルは同期4歳
ドウデュース。ダービーは人気馬たちの一つ後ろに配置、
武豊Jならではの絶妙な仕掛けがまんまと嵌った。フランス遠征は結果が出せなかったが、
京都記念は調教も実戦も時計も
パーフェクトだったなぁ。本馬も同じように心身ともに大幅に強度を増したことを目視できた。ドバイ遠征取り消し明け後のメンテナンスも無事完了。左後肢が流れる癖も矯正できており、
イクイノックスにどこで並びかけ、どう鎬を削るか。天覧競馬にふさわしい、後世に語り継げるような好ファイトに期待。
「第三の男」は
プログノーシス。紐解けば経験馬相手にデビュー戦を勝ち上り、中一週で
毎日杯に
アタックをかけ
シャフリヤールと1分43秒9というレコード決着に3着と迫った好素材。幾度か踊り場はあったが、2022年の京橋S・1分58秒3は一週前の
大阪杯より0秒1速く、
金鯱賞、
札幌記念など川田Jとは6戦6勝。特に前走の
札幌記念は、出遅れと後方差しが常だった従来とは一変。馬場適性の高さを見込んでの仕掛けとはいえ、中団からコースロスを最小限に抑え、2着には4馬身、3着馬はさらに3馬身という度肝を抜く独走を演じた。単なる重馬場巧者ではなく、実は破格の成長を遂げ大変身を果たした可能性あり。1分57秒前半の高速決着の壁も突き破るシーンを目にするかもしれない。
ダノンベルーガは、モレイラ騎手とのコンビで
ドバイターフ2着、不得手の右回りの
札幌記念を4着に踏ん張った。懸案の腰回りも目下のところまったく難点がない。昨年の天皇賞の0秒2差は、もっときわどくなる。同じ天皇賞0秒3差の
ジャックドールも、今年は単騎マイペースもその気になれば打て、展開の利はかなり大きい。今週からBコース替わり。超高速ラップが出現する馬場なら
ガイアフォースに一発の魅力。