【女の子から男の子へ】
ソールオリエンスが大人の男になりつつある。稀に見る高い資質で無敗のV3、一冠目の
皐月賞を大外一気で奪取した。しかし漸次良化は示してはいるが、骨格ばかりが目立ち筋肉がなく、牝馬のように華奢。心持ちも子供っぽく、ダービーはラ
イバルたちに周囲を固められフットワークが小さく委縮した走りになってしまった。
直線外に切り替える小さなロスも重なり、エンジンが吹き上がるのに手間取り二冠がスルリと抜け落ちてしまった。しかしひと夏をこえ、キョロキョロ感はなくなり、視線は常に真っすぐ。それに連動して厚みの出た首を無駄なく上下に動かし、前肢も真っすぐにスッとでるようになった。
調教のフォームは重量感が増し、四肢の回転は力強くなった。ま、完成形は来年でしょうが、世代GIIはもう、自力でレースを組み立て軽々と突破可能。
第一本線は
レーベンスティール。11月の東京9Fデビュー、首差先着を許したのは
ソールオリエンス。うーん。着順が逆だったらクラシックが見えたかもしれない? いや、負けは負け、ソール以上に身体はひ弱。その造りでも二走前の東京戦は、ラスト3F・11秒6-10秒8-10秒9(33秒3)という高速ラップを自身33秒0という出色のラップでどんどこ加速。
ラジオNIKKEI賞はコーナー4つの小回り。下手に動かすと痛める危険性もあり直線勝負に徹したのだろうが、なんとももったいない3着だったよなぁ…。なんて、今度は外回り2200m。モレイラJ騎乗とあれば動き出しもスムーズ。細やかで密な調教姿勢にも好感が持て、少なくとも前走よりは心身ともに成長がうかがえる。
三番手は
キングズレインの持久力。
百日草特別を1分59秒7で駈け、
ホープフルSはメンバー中最速の34秒0を駆使。
毎日杯は予定していた
弥生賞を熱発で自重したが、風邪は本当に大敵。12着に沈み自己条件から再出発となったが、持ち味は
パワー、2200mは望むところ。同厩舎のソールと見比べるとどうしても一歩下がるが、それ以外となら五分以上の戦いに持ち込める。
シャザーンは、姿形に明らかな若さを残しながら、
皐月賞は坂上一瞬脚を使った。
日本ダービーは大外を回し一桁着順。秋になればこう変わるだろうという予想図通りの成長を見せている。存在は地味めながら、
コスモサガルマータの
月岡温泉特別の上り32秒7と構成ラップは一級品。
先手を奪うと
ドゥラエレーデは手応え以上にしぶとい。
ウィズユアドリームの逃げも内容がかなり濃いものになった。