【絶賛進化中】
エルトンバローズが中距離王の階段をまた一歩駆け上る。未勝利脱出は明け3歳4月と遅かったが、初勝利・1勝クラスの走破時計はいずれも古馬3勝クラスと互角。重賞の記録基盤は整っていたが、
ラジオNIKKEI賞を競り勝ち、
毎日王冠は
ソングラインなどのGI馬を二枚腰を使いしぶとく振り切った。1分45秒3というタイムは平凡の域を出ないけれど、前半4Fから6F連続して11秒台を並べ、GIIという格式をラップ構成からも読み取ることができる。
GIの
マイルCSも正攻法の外差しで0秒2差の4着という王道の競馬ができた。コーナー4つの9Fは脚質的にもベスト。中間では
ガイアフォース(
フェブラリーS2着)など僚友OP馬を相手にハードワークもこなしてきた。週中から雨続きだが、母の父は重馬場巧者で知られる
ブライアンズタイム。稍重馬場の阪神マイルを力強く勝った実績もある。なんて、水分をたっぷり含んだ馬場は先行か追い込みかが極端。
後者に針が振れれば、対抗は
ソールオリエンス。馬場差2秒以上の重馬場条件下、2分0秒6という
皐月賞は出色。
有馬記念は末脚勝負に徹し一発を狙ったが、流れは平均ペースで淡々、前が詰まりスパートのタイミングを逸したけれど、調子落ちはまったくない。中山9Fは下級条件は基本的には先行有利、しかしGIIの
中山記念に限ってはGI実績優先、展開要らずの力勝負と様相は一変する。距離不足云々は終わって見れば杞憂だった?
中山記念2勝馬
ヒシイグアスも、ここは一歩も引けを取らない。
香港Cは世界の10F・GI戦線の最上位にランクされる
ロマンチックウォリアーと接戦を演じてきたが、当コースの戦績は21、23年の
中山記念優勝を含め[3-2-0-1]。キングJをパートナーに、キャリアの中でも初めて、珍しいくらい順調な調教過程を踏んできた。
上位3頭の実績が頭一つリードしているが、今年は連下候補多数、選択が面白い。
マテンロウスカイは、去勢を施しマイルから再出発を期し、リゲルSを勝って
東京新聞杯をジワリ5着と上昇気配。昨年の2着馬
ラーグルフは前走の
AJCCは不良馬場で参考外。良馬場の決め手勝負なら差はわずか。
ドーブネの
京都金杯は1000m通過・56秒7という乱ペース。激流に面くらい14着に沈没したが、昨年の3着馬。このメンバーなら先手勝負もありえる。大穴は
皐月賞馬
ジオグリフ。海外遠征やダート使いで見え辛くなっているが9Fなら集中力は途切れない。