【機動力第一】
タスティエーラの本来の持ち味は機動力。内回り2000mGI・
大阪杯の舞台がよく似合う。牡馬クラシック最初の
皐月賞は、松山Jとのコンビでタフな平均ペースの重馬場を坂上一旦先頭。2着に惜敗したが存分に見せ場を作った。
日本ダービーは一転、超スローの瞬発力勝負を好位で構え、上がり33秒5で後続を凌ぎ切った。
菊花賞も距離の壁を意識しつつ2着は守った。古馬初挑戦の
有馬記念は道中内に潜り込めず、直線
アクセルを踏み込もうとしたその瞬間、外から被せられブレーキを踏む不利。ムーアJのしかめっ面が忘れられない。
大阪杯のポジショニングなど念頭に置き、前進意欲を誘いながら南Wで6F追いを積み重ね、中間自己最高の1F・10秒9に瞬発力も研磨してきた。
対抗一番手は
ローシャムパーク。初勝利は2022年2月の東京9F。1分47秒3という走破タイムは同日メインの
共同通信杯の
ダノンベルーガより0秒6速かった。続く
山藤賞は
皐月賞前日、馬場は稍重、時計は2分0秒3。翌日の
皐月賞は良馬場1分59秒7だったが、2着を7馬身とチギる大楽勝をはたし、内容的にはこの時すでに
皐月賞と同格? 体質が弱く
セントライト記念3着で
菊花賞は断念したが、明けて1月5日の中山10F戦を
中山金杯と同タイムで駆け、
函館記念は折り合いもガッチリ、正攻法の競馬で外差しを決め、
オールカマーも滑らかな加速で
タイトルホルダー以下のGI級を一蹴。
香港Cは
テンションが上がり出遅れを喫し力を発揮できないまま終わったが、南Wの調教タイムの反応も確実にアップ。こちらも坂路で11秒台を計測する体力が備わった。
三番手は
ソールオリエンス。3歳春は牝馬と見間違うかの華奢な造り、それでも
皐月賞を大外一気のごぼう抜きで決めた。ただ思ったほど筋肉がつききらず成長はゆっくり。
有馬記念・
中山記念は勝負どころで動けず大味な結果になってしまったが、中間ブリンカーを着用し動き出しが早くなった。タイトな内回り向きとはいえないけれど、よどみなくレースが流れてくれればギリギリ差し届く。
惑星は
ステラヴェローチェ。屈腱炎で1年7カ月の長期休養を余儀なくされたが、3歳クラシックは3・3・4着、
有馬記念小差4着の実力派。
大阪城Sは58.5kgを背負い横綱相撲で寄り切り。デキはさらに上向き、ポジションは自在。GI奪取に虎視眈々。
ベラジオオペラは重馬場の
スプリングSを近年屈指の好内容で完勝し、
日本ダービーは最速の上がりで4着に競り合った好素材。復帰戦は1・2着ときたが、やや甘めの馬体造り。大目標であるGIにぜい肉をそぎ落としてきた。連穴は
エピファニー。乱ペースを所望、直線勝負に徹すれば大金星も十分。
京都記念を制した
プラダリアは良馬場の内回り10Fは微妙に忙しいかもしれない。