【淀の下りの攻防にひりひり】
ドウデュースが4つめのGI獲りに挑む。3歳春の
日本ダービーでは
イクイノックスを撃破。秋は
凱旋門賞へと駒を進めたが、レース史上でも稀な欧州独特の重馬場に青息吐息で帰国。復帰緒戦の4歳春、鮮やかな末脚で
京都記念を快勝しドバイへと渡ったが、アク
シデントを発生、直前の取り消し。秋の天皇賞は7着、
ジャパンCは4着と辛抱の時期もすごしたが、
有馬記念を4角マクりのロングスパートこそが本来の姿。5歳緒戦の
ドバイターフは世界の強豪たちのビッシリマークにあい、馬群に閉じ込められ動くに動けず。残り100m地点でやっと前が開いたが、時すでに遅し。しかし帰国後の一連の調教タイムの数値や変遷を見ると、キャリア最高ともいえるデキに到達。3歳時は高い能力で左回りの
日本ダービーも勝ったが、左トモの踏み込みが浅く、東京戦の伸びやドバイの捌きを見ると、明らかに右回りのほうが加速はスムーズ。雨はやっかいだが、最終追い切りは重馬場の芝を試し加速も上々。ファン投票歴代最多の支持に応えるべく、
グランプリ二冠制覇の態勢は整った。
対抗一番手は
ジャスティンパレス。3歳秋の
神戸新聞杯を機に先行差しに脚質を転換。本格化なった4歳春は
ルメール騎手を背に春の天皇賞を快勝、前年の
宝塚記念はやや大雑把な競馬で外を回し詰めを甘くしたが、2000mの秋の天皇賞は最速の上りで
イクイノックスに0秒4差と迫る底力には唸った。
有馬記念4着はポジションと適性の差。
ドバイシーマクラシックは極端なスロー、展開に泣き4着に終わったものの、帰国後の調整は上手く運び肌は黒光りし動きは闊達。直線平坦の京都の外回り2200mは自慢の持久力をジワリと伸ばしていくには最も適しており条件はベスト。仮柵を設置し、内の荒れた部分はカバー。ロスなく立ち回れる2番枠も絶好。
予報は雨、馬場が渋れば
ブローザホーンは単まで視界に入ってくる。3000-3200mの前二戦はまず最初に折り合いありき。ポジションロスを承知で終い勝負に賭けるしか手立てがなかったが、京都の2400mは3-4コーナーで一気に動いてもオツリがあることを、歴代屈指の好タイムで決着のついた
日経新春杯で学習済み。
ベラジオオペラは重馬場の
スプリングSを豪快に差し切ったように少々の雨は苦にしない。最速の上りで
日本ダービー4着、成長度合いを見定め
大阪杯でGIに到達。前走から状態はさらに1割増し、1F延長の2200mでも楽しみは十分。まだボディラインとフォームが固まり切れていないが、
大阪杯2着の
ローシャムパークも連下圏。まだ体型など幼さは残るが、3連勝で
目黒記念をもぎとった
シュトルーヴェも伸びしろを残す。