◎はマルセリーナの弟で父は同じサンデー系。そして姉がバークレア≒ウェルシュフレーム3×4を持っていたように、弟はアグネスレディー≒ウェルシュフレーム3×4を持っており配合のコンセプトもよく似ている。

　母のナスキロ柔さも出たストライドだからディープスカイのように直線は長いほうがいいタイプだが、札幌2歳は連続開催の最終週で外差しもきくから、ナムラマースやアヴェンチュラのような小脚のきかないタイプでも持続力で差すことは可能で、ここでも素質は一番とみて人気でも◎としたい。

　札幌は明日午前にかけた雨予報で時計も上がりもかかるとみて、相手にはマイラーの斬れよりも中距離馬の持続力を重視。

【クラシックは遠からじ】本年の北海道の2歳シーンは、芝1800mル出走組に良質馬が多数揃った。中でもグランデッツァは、走破タイム・上がりラップの両方に、確たる数字の裏付けのある最有力候補。新馬戦は出遅れ。2着に取りこぼしたものの、34秒0の上がりを計時。函館や札幌の重い洋芝は、平坦の新潟や京都とは1秒近い時計差があるが、34秒台の上がりが意味するところは大きく、たとえば後の有馬記念馬マツリダゴッホは、札幌1800m・上がり34秒台の末脚が原点。昨年のレーヴディソールも、札幌・芝1500mを上がり34秒3で一気差し。後の阪神JF制覇に繋げている。一度レースを経験したことで、前回は二番手追走から、終始馬なりの8馬身差の独走。ゴール板を過ぎても、押さえきれないほど余力があった。もちろん、1分50秒9は、同日の古馬1000万特別と、わずか0秒1差。骨格・フットワークともに、半姉の桜花賞馬マルセリーナよりスケールは上だ。皐月・ダービーを語るには、気が早いか?当面の敵はベストディール。同馬の新馬戦も、ラスト2ハロンのレースラップは11秒6―11秒2。ゴール板が近付くにつれ、ずんずんと加速力を増す馬は、必ず強くなる。割って入れば、函館1800mでレコード勝ちデビューを果たしたゴールドシップ。2冠馬オルフェーヴルと同じ、ステイゴールド×メジロマックイーンという、今もっとも活力のある配合にも魅力がいっぱい。調教を見ても、何か底しれない感じがする馬なんだよね。新馬戦でグランデッツァを封じ込めたマカハも、ラップ的には、当然好勝負。マイネルロブストは、中山の急坂を34秒5。2連勝は決してフロックではない。ヒーラも函館1800m快勝組の一頭。底は割れていない。

　グランデッツァを買うか、逆らうかという選択が人気動向を決めそうなレース。グランデッツァが素質馬であることは間違いないが、相手関係にも恵まれた前走の着差が人気に直結してしまうのは、配当妙味という点からして少しつまらないように思う。

　ではグランデッツァをデビュー戦で負かしているマカハか？　というとそれも微妙な話。8/21の新馬は13秒台を3連発という典型的な超スロー新馬で、それなりの流れになる札幌2歳Sに対応できるかどうかはあくまで未知数だ。

　それならば、いっそ素直にコスモス賞の勝ち馬ゴールドシップでいいのではないか。緒戦の時計は優秀だし、なにより差す競馬ができるのがいい。行った行ったになりにくいのが札幌2歳S。よほどテンにおかれない限りは間に合う。

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【混戦】前走の内容を評価してグランデッツァを本命視。素質高いベストディールが強敵だ。ゴールドシップも実力十分で、この日はこれ1鞍の安藤勝己騎手も不気味に映る。マイネルロブストは仕上がり良好で、重賞でも首位争いに加わりそう。マカハも素質互角で仕掛けひとつでチャンスがある。末脚秘めるヒーラを押さえに入れておきたい。

　◎グランデッツァは「アグネスタキオン×マージュ」という組み合わせ。半姉マルセリーナは桜花賞馬で、母マルバイユはアスタルテ賞(仏G1)など3つのマイル重賞を制した名牝。

　母方はヨーロッパ血統で構成されており、馬場が少々湿ったぐらいではへこたれない。ほんの少し気合いをつけた程度で後続を8馬身ちぎった前走の勝ちっぷりは圧巻。まだまだ未完成でレースぶりも荒削りだが、外からすんなり好位をキープできればこのメンバー相手に連を外すことはなさそう。