・前走「弥生賞・スプリングS・若葉S」以外で敗退していた馬
※中山過去10年[0-0-0-24]
●2010年該当馬→リルダヴァル(6着)、レーヴドリアン(9着)、シャイン(16着)
○2011年該当馬→ダノンバラード、ビッグロマンス

・前走、スプリングSで4着以下だった馬
※中山過去10年[0-1-0-32]
●2010年該当馬→バーディバーディ(12着)、サンディエゴシチー(15着)
○2011年該当馬→リベルタス

・前走4角を10番手以下で回っていた、前走3番人気以下馬
※中山過去10年[0-0-0-19]
●2010年該当馬→ダイワファルコン(8着)、サンディエゴシチー(15着)
○2011年該当馬→ステラロッサ

・前走で1800m戦＆2000m戦以外に出走していた馬
※中山過去10年[0-1-0-15]
●2010年該当馬→レッドスパークル(10着)、ガルボ(13着)
○2011年該当馬→ノーザンリバー、ロッカヴェラーノ、エイシンオスマン

・Mr Prospector系種牡馬の産駒
※中山過去10年[0-0-2-19]
●2010年該当馬→エイシンフラッシュ(3着)、ローズキングダム(4着)、トーセンアレス(14着)
○2011年該当馬→カフナ、ベルシャザール

・前走弥生賞＆スプリングS出走組をのぞく、前走馬体重500キロ以上馬
※中山過去10年[0-0-1-11]
●2010年該当馬→該当なし
○2011年該当馬→フェイトフルウォー

・前走弥生賞組をのぞく、今回7枠?8枠に入った、前走1枠?3枠だった馬
※中山過去10年[0-0-0-11]
●2010年該当馬→アリゼオ(5着)、ガルボ(13着)
○2011年該当馬→フェイトフルウォー

2010年残った馬→ヴィクトワールピサ、ヒルノダムール、ゲシュタルト、エイシンアポロン、ネオヴァンドーム、ハンソデバンド

【昨年結果】
1着：ヴィクトワールピサ(○)
2着：ヒルノダムール(○)
3着：エイシンフラッシュ(×)

2011年残った馬
サダムパテック、ナカヤマナイト、ダノンミル、オルフェーヴル、デボネア、トーセンラー、プレイ、オールアズワン

須田：荒れると見て7頭も残したというのに、1着馬から3着馬まで見事にかすりもせず！　これってある意味「偉業達成」といえるのではないかと!!

井崎：……だから、先週は自信ないって言ったじゃないか。

須田：それにしても、さすがにアレはハズレ過ぎでしょ。こんな調子で皐月賞に突入して大丈夫なんでしょうかねえ。

井崎：先に言っておくと、今週も自信ないんだよ(笑)。1988年以来となる東京芝2000mでの皐月賞だから「中山での過去10年」が、まったくアテにならないからな。

須田：確かに、東京と中山では好走するのに求められる資質が、大きく異なりますからねえ。例年まったく来ていないパターンであっても、今年は来る可能性がありそうです。

井崎：だからといって、ヤエノムテキが勝った年だけを参考にして消去ネタを出すわけにもいかないだろ(笑)。そういう理由もあって、自信なんかあるワケないんだって。

須田：逆ギレ気味に訴えるのはやめてくださいよ(笑)。で、消去ネタは7つと多いわりに最終的に8頭も残っているというのも、自信のなさが表れてるんですか？

井崎：それもあるけど、今年のメンバーはただでさえ難しいからなあ。これ、オッズもかなり割れるんじゃないか？

須田：新馬券『WIN5』でどの馬をチョイスするか、多くの人が途方に暮れるでしょうねえ。サダムパテックが人気の中心となるんでしょうけど、確かに難しいですよ。

井崎：で、ちょっと注目したいのが馬体重。じつは近年、500キロを超える大型馬って、皐月賞と相性がイマイチなんだよ。

須田：ほほう、昨年ヴィクトワールピサが快勝したような気がしますが……。

井崎：あの馬は当日「マイナス体重」だったからな。前走でも500キロ以上だった馬がプラス体重で出走してきた場合、3着以内に来た例すらなかったりする。

須田：おぉ、ちょっと面白そうなデータですねえ。ちなみに今年だと、サダムパテック、ベルシャザール、フェイトフルウォー、デボネアの4頭が前走500キロ以上馬です。

井崎：この4頭がみんなプラス体重で出走してきて、すべて4着以下になったら……とか考えると、ちょっとワクワクするよな(笑)。

須田：そうなれば、中波乱以上は確実ですからねえ。もっとも、今年は東京開催ですから「まったく関係なかった」というオチになりそうですけど。

井崎：ま、当たるも八卦、当たらぬも八卦！　志は低いけど、先週よりはマシな結果になってくれないかとだけ祈っておこう……。

　本命はサダムパテック。東京の重賞で圧勝の経験があり、東京で行われるのはこの馬にとっては好都合。また今回内枠には入れたのも大きいでしょう。以前は差す競馬をしていましたが、前走では先行したように脚質も柔軟で安心できます。

　対抗はオルフェーヴル。体の小さ馬で、レースも後ろから運ぶことが多く不安要素の大きい馬ですが、それでもこれほどの成績を残しており実力は高いでしょう。3番手はベルシャザール。積極的な競馬がウリで安定感があります。勝ちきれないことも多いですが、それなりの仕事はしてくれそうです。

　4番手評価はプレイ。外枠に入ってしまいましたが、スムーズに先行できれば枠は問題ないはずです。松岡騎手の得意な粘りこみに期待。

　押さえには、ナカおヤマナイト。前走東京の重賞を勝ってからの参戦です。ちょっと間隔が空いている分、評価は割り引きました。

　東大ホースメンクラブ　おにぎり

　◎はフラワーアレイ(トラヴァーズS)やブルーミングアレーの半弟で、両親の重厚な欧血を増幅した配合をしているが、母父がミスプロ系のマイラーで柔らかさや俊敏さにも長けている。

　距離適性的にはダービーより皐月賞だろうし、反応よく自在に動ける馬だからテン乗りの心配もないだろう。ゴール前の脚色でオルフェーヴルを凌いでいたきさらぎ賞は強い内容だった。今回も好位差しなら勝ち負けになると判断。

　渋化残りなら☆が怖いが、良かそれに近いところまで乾くとみて○▲の決め手を相手にとった。

　東京芝2000mで行われる皐月賞なので、過去中山芝2000mで行われたレースを調教タイプの参考にするわけにはいきません。よって好走予測の調教タイプを調べたのは2回東京開催の開幕週に芝2000mで行われた府中Sの3年分です。

2008年
1着 乗込トラック主体
2着 標準多めトラック
3着 標準併用

2009年
1着 標準坂路
2着 スパルタ坂路
3着 標準坂路主体

2010年
1着 乗込併用
2着 標準坂路
3着 標準多め坂路

　開幕週にも関わらず、調教量豊富なタイプが好走。こと調教本数の多い「乗込」「標準多め」「スパルタ」はどの年でも馬券になっています。この調教タイプ傾向に基づいた上で注目すべき調教データが『3歳オープンの東京芝2000mにおける標準多め併用の成績』。その数字は過去2年で【1-2-1-2】で単勝回収率297%、複勝回収率197%と抜群の成績を残しています。

　今年の出走馬で標準多め併用に該当したのはステラロッサとプレイ。後者は最終追いで時計が遅く、過去好走時と比較すると物足りないので評価を下げました。逆にステラロッサは過去3走すべて調教内容が安定しており、今回も輸送があるからといって緩めていません。

最終追いも内から追走して、闘争心を出した力強い走りを見せました。スプリングSで負かされた2頭を逆転するのは当然として、それ以上も期待できる状態にあり、東京で行われる皐月賞にふさわしい調教内容だと判断しました。

　これまでの3歳馬路線で決着指数が高かったのは、朝日杯FS、シンザン記念、つばき賞、スプリングSの4レースでともに指数-13です｡この時期の3歳馬はレースを使われる毎に成長していく傾向にありますから、同じ指数ならより早い時期に対象レースで上位争いをしているほうが価値があります。

　したがって今回の◎はもっとも早い時期に行われた朝日杯FSの3着馬リベルタスを推します｡朝日杯FSでリベルタス以外の上位入線馬は差し、追い込み馬ばかりだったことを考えると、その内容は価値あるものと評価できます｡前走のスプリングSは13着に敗れましたが、07年のサンツェッペリンのような巻き返しを期待します。

　○はデビュー戦ではグランプリボスの2着に敗れましたが、その後の成長力を見せ札幌2歳Sを勝利したオールアズワン｡ラジオNIKKEI杯2歳Sはけっしてレベルは高くありませんが、同馬には｢休養明けだった｣という言い訳が効きます｡また前走の弥生賞も休養明けでスローペースの外々を追い上げたのが敗因です｡今回は大外枠に入り差し脚質から外々を回らされる可能性が高いのですが、巻き返しの条件は整いました。

　▲はアヴェンチェラが勝利した昨年の注目の新馬戦で2着に好走しながらも、その後不振に陥り裏街道まっしぐらでしたが、復帰戦のスプリングSで5着、前走のニュージーランドTで1着とここへきて成長力を見せたエイシンオスマン。

　今回のメンバーを考えると、明確な逃げ馬は不在も、早め先頭で結果を出している馬が多いだけに、指数的には持久力指向の先行馬を狙いたい。

　本命はベルシャザール。自身初の距離延長(1800m→2000m)だったホープフルSで指数を跳ね上げて、距離短縮になった次走・共同通信杯で指数を下げた動向に着目したい。

　1番人気で3着に凡走した萩S(1800m)が、前後半3F36.4-34.3のスローで3着、指数が｢78｣。距離延長になったホープフルS(2000m)が、前後半3Fが34.9秒-34.9秒の淀みない流れを2番手から押し切り自己最高指数｢106｣。そして、距離短縮になった共同通信杯が、内しか伸びない馬場状態で前半3F36.8秒の超スロー。外枠を引いて、出遅れて、しかも大外を回して4着、指数は｢94｣。

　共同通信杯と同じ1800mでも、35.0秒-34.8秒だった前走のスプリングSで｢103｣をマークしたように、指数的なベクトルが斬れではなく、持久力に振れているのは明らか。自身2度目の距離延長で、舞台がGIとくれば、さらに指数を跳ね上げても驚きはしない。

１番：良くなった。枠順良いし、ここでもやれる。
４番：キッチリ仕上がる。馬場も乾いてきたし、勝ち負け。
５番：好馬体。上位争い。
10番：展開有利。スローならもたなくもない。
11番：キッチリ仕上がる。ただ、もう少しスピード感欲しい。
16番：ツナギは一番強くて良いが、状態の張りもう少し欲しい。

　混戦模様となった今年の皐月賞だが、本命にはきさらぎ賞を勝ったトーセンラーを推した。放牧先が被災し、帰厩が遅れるアクシデントはあったが、皐月賞が延びたことで狂いなく調整できている。広い東京コースで行われるのも、決め手タイプなだけにプラス材料。牡馬クラシックの第一弾もディープインパクト産駒が決める。
　
　対抗には前走のスプリングSを勝ったドリームジャーニーの全弟オルフェーヴルをあげる。こちらも決め手の鋭いタイプで、デビューから一貫して持ち味を磨いてきたことが、ここに来てしっかりと力になっている。キレ味勝負になれば見劣らず、逆転候補の筆頭だ。
　
　弥生賞勝ちのサダムパテックは、東スポ杯を強い内容で制しているように、コース相性も上々。休みを挟んで体も成長を示しており、戴冠のチャンスは十分。
　
　走りに安定感のあるナカヤマナイトも争覇圏内の一頭。以下、ベルシャザール、オールアズワン、デボネア、ステラロッサ、プレイなどにも注意したい。

　混迷・皐月賞の展望を開くカギは、同レース史上、歴代タイ記録の2分0秒4で決着を見たホープフルSにあり。
　
　勝ち馬より1kg重い56kgを背負っていたぶん、ハナ差2着に敗れたナカヤマナイトだったが、ホープフルSを軸に、共同通信杯制覇で時計の持つ意味とクラシックでの立ち位置を確立してみせた。
　
　ベゴニア賞は逃げ切り、共同通信杯は内一気の強襲と、東京コースは自在の脚質で、3戦2勝・2着1回。坂やコース、馬場や展開を問わず、33?34秒台前半の瞬発力を常に駆使している。
　
　今年は、トライアルごとに勝ち馬が入れ替わる消耗戦。適度に間隔を開け本番勝負のローテーションも、きっと吉と出るハズだ。
　
　ちなみに、木曜日計測の馬体重は466kgと、出走態勢は万全。コースロスの少ない3枠5番をいかし、一気の抜けだしをはかる皐月賞とみた。
　
　2枠4番、サダムパテックとの追い比べが第一本線。直接対決はないが、東スポ杯・1分47秒3は、歴代でもトップランク。朝日杯FSは、蓄積疲労で出遅れ。道中折り合い欠き4着と敗れたものの、弥生賞が2分1秒0。クラシックの王道を、適度な間隔をもって、確たる記録で踏襲してきた。
　
　割って入れば、若葉Sの覇者ダノンミル。前走の若葉は、1000m通過が59秒5―1800m通過・1分46秒7という強靭なラップを踏襲して1分59秒1。あの記録は鮮烈だった。
　
　ま、昨年のペルーサの、同若葉S・1分59秒9という時計が、あまりに衝撃的だっただけに、皐月直前のこの記録を、どう受け止めればいいのか。正直戸惑いはしたが、若葉を牽引したカフナは、ホープフルSが4着。若葉Sの記録の元はホープフルSだった。
　
　その時計の反動が少し心配だが、数字通りなら単式圏内。
　
　ベルシャザールは、ホープフルSの覇者。直線の短い小回りでの粘り込み型だけに、案外と東京は苦手？　かもしれないが、特性を手の内に入れているアンカツなら、共同通信杯のような出遅れは、まずない（あのときの鞍上はデムーロ）。持久力勝負の適度にパワーを要する馬場もいい。
　
　スプリングS・1分46秒4のオルフェーヴルも、数字面では負けていないし、前走のレース内容は、もっとも皐月賞のイメージに近かったが、左回りは、どうしても信頼しきれない。トーセンラーも、きさらぎ賞・上がり33秒4は見事だが、意外に使える脚は一瞬だったりして？

　今年の皐月賞は23年ぶりの東京開催。｢東京らしい予想｣をしてみたいところだ。

　◎はダノンミル。ジャングルポケット産駒は中山の皐月賞では絶対に買えないが、府中なら別。好位置を取れる脚質も合うし、ほとんどの有力馬と未対戦という新鮮味もいい。若葉S組は例年マークが薄くなるが、皐月賞好走馬を出してきた実績でいえば弥生賞やスプリングSにも負けない。

　ウッドでノメっていた調教から道悪を疑問視する向きもあるが、ジャングルポケット産駒そのものは道悪巧者が多いので、いざレースをしてみたら大丈夫だったということになるのではと思う。

　○サダムパテックも良い枠を引いたので無視はできない。後方からの競馬になると枠順が仇になるかもしれないが、前走くらいの位置でレースができれば大崩れはないはず。▲ナカヤマナイトも堅実なので、シルシ上位に入れざるをえない。

各馬の上昇度・脚質・騎手・調教師・血統データを「先週最も儲かった」設定で解析。導き出された4頭の馬単・3連単ボックスで勝負！

なお、プレミアムサービス(※)にご登録されますと、中央競馬全レースで、上昇度・脚質・騎手・調教師・血統の項目を自由にカスタマイズして予想することができます。各レース情報ページの予想タブから「CP予想」にお進みいただき、ご利用ください。

※netkeiba.comのスマートフォン版・競馬総合チャンネルでは、プレミアムコースにご登録されますとご利用頂けます。

　◎カフナは「キングカメハメハ×サンデーサイレンス」という組み合わせ。過去7戦すべて小回りコース・内回りコースを走っているが、直線の長い東京コースに替わって新味が出る可能性がある。

　ジャパンCを勝ったゴールデンフェザントと同じ一族で、母ピンクパピヨンはカーネーション特別(東京芝1800m)を勝つなど直線の長いコースを得意とした。母の半妹ベッラレイアはフローラS(G2・東京芝2000m)を勝ち、続くオークス(G1・東京芝2400m)でも2着と健闘。母同士が全姉妹のワイルドラズベリーは関東遠征の経験こそないものの、長い直線で持ち味を発揮するタイプなので東京適性は高いと思われる。

　カフナの前走・若葉Sは、緩みのない流れで早め先頭に立ち、最後はダノンミルに半馬身差されて2着。一見、短い直線で粘りこむタイプに思えるが、これは単純にペースがキツかっただけ。2走前のあすなろ賞のレースとラップを見ると、長くいい脚を使えるタイプではないかという気がする。

　東京コースの場合、土曜日雨→日曜日晴れというパターンは内から乾いていくので先行天国となりやすく、しかも前が止まりづらい開幕週なのでこの傾向はさらに強まるだろう。 2?3番手で流れに乗って抜け出す、というレーススタイルは今回のレース条件にぴったり。若葉Sのレース内容は濃く、自分の競馬さえできればここでも通用するはず。