昨年のキーンランドC。直線で◎カレンチャンが先頭に立ったところで、あとは相手待ちという状況で「差せっ」と応援したのは△ショウナンカザン。その声も空しく、5着に入るのが精一杯でしたが、この馬の単勝194.3倍の13番人気でした。

　どうしてショウナンカザンに印を打つことができたかというと、それはキーンランドCでの好走調教、最終追い切りが「函館芝」だったからです。例を挙げると、2008年タニノマティーニが1着で単勝16140円、2010年ベストローケーションが3着で複勝940円と人気薄での激走。そして昨年は1番人気でしたが、カレンチャンがきっちり勝ち切っています。

　札幌芝1200mは新書に記したように、函館W追い切り馬に適性の高い条件ではありますが、ことキーンランドCに限っては芝追い切りが激走調教。該当馬が出走した年には必ず馬券圏内に1頭は入っていますから、該当馬が◎テイエムオオタカしかいない今年は軸に悩む必要すらありません。

　あとは札幌芝1200mに調教適性ある函館W追い、なかでも5Fが速い○ダッシャーゴーゴーはここを勝ちにきた仕上げ、そして須貝尚介厩舎の勝負調教に該当した▲シュプリームギフトも高評価です。

　あまり速い時計でないため評価を下げた△パドトロワ、堀宣行厩舎の勝負調教に該当した△キングレオポルド、札幌ダート追いですが、動き抜群の☆ビウイッチアスまで。

1.グランプリエンゼル
今回：軽目併用
前回：急仕上げ坂路

2.パドトロワ
今回：標準トラック
前回：標準トラック

3.キングレオポルド
今回：馬ナリ平均トラック
前回：標準トラック

4.スプラッシュエンド
今回：馬ナリ平均坂路主体
前回：軽目トラック

5.ダッシャーゴーゴー
今回：標準トラック
前回：標準坂路

6.ダイメイザクラ
今回：馬ナリ平均トラック
前回：軽目トラック

7.レオンビスティー
今回：標準トラック
前回：一杯平均トラック

8.ビスカヤ
今回：馬ナリ平均トラック
前回：馬ナリ平均トラック

9.アポロフェニックス
今回：一杯平均トラック
前回：馬ナリ平均併用

10.シュプリームギフト
今回：馬ナリ平均トラック
前回：標準トラック

11.テイエムオオタカ
今回：標準トラック
前回：標準併用

12.スプリングサンダー
今回：標準トラック
前回：標準多め坂路

13.ドリームバレンチノ
今回：標準少めトラック
前回：馬ナリ平均トラック

14.ビウイッチアス
今回：馬ナリ平均併用
前回：馬ナリ平均坂路

　キーンランドCは昨年のカレンチャンの活躍もあり、スプリンターズSを占う大切な一戦だと言われています。しかし、今年は昨年のスプリンターズS＆今年の高松宮記念を制したカレンチャン、昨秋の上がり馬で今年の高松宮記念で3着のロードカナロア、芝路線に転じて上昇一途のマジンプロスパーの参戦がなく、サマースプリントシリーズの延長線上の一戦と言えます。

　一応の能力最上位馬は、昨年のオーシャンSでスプリントGIで2勝のキンシャサノキセキに土をつけ、昨年の高松宮記念で2着降着、今年の高松宮記念で4着のダッシャーゴーゴーでしょう。しかし、ダッシャゴーゴーは前走のCBC賞で3着と展開に恵まれたわりに物足りない一戦でした。休養明け2走目で体調面の上積みは見込めるかもしれませんが、字面の実績ほどの強さを感じさせません。よって同馬は▲とします。

　◎は今年のオーシャンSで2着、高松宮記念でダッシャーゴーゴーと0.2秒差の競馬をしたグランプリエンゼルとします。前走のCBC賞は後方からの競馬で、レースに参加していないスプリングダンサーが2着に届いた消耗戦。先行して9着なら納得のいく敗戦と言えます。前走で苦しい競馬を強いられて力を出し切れなかったことで、今回へ向けてのおつりがあり、巻き返してくると見ます。

　○は今夏の上がり馬シュプリームギフト。前走のUHB賞はハンデ51キロに恵まれたこともありますが、直線で後続を一気に突き放した脚はとても鮮やかでした。

ややデータ不足になるが、過去6回から■消える馬・□残る馬をチェックしてみよう。

■アポロフェニックス…前走1200m以下の芝良・稍重で6番人気以下かつ6着以下かつ0秒6以上敗退馬は[0-0-0-12]。昨秋芝1200mOP戦12番人気1着(1.07.1)の激走歴あるが、高速馬場向きでこその穴馬。力のいる洋芝では？

■キングレオポルド…前走芝1200m良馬場で1.09.6以上時計を要していた馬は[0-0-0-16]。いくら時計のかかる洋芝戦とはいっても限度が。

■グランプリエンゼル…6歳以上で芝を20回以上走って4勝以下は[0-0-0-12]。一昨年の秋に不良の芝1200mOP戦を勝って以降18連敗中。コースは重賞含む2勝だが、未勝利戦と斤量51kg時でのもの。年齢的にも変わり身の期待薄。

■シュプリームギフト…前走芝1200mOPのUHB賞出走組は[1-1-1-25]。このうち、1200m5勝以上馬を除くと[0-1-0-19]で、連対1頭は降着馬による繰り上がり。また、前走UHB賞から斤量2kg以上増加馬は[0-0-0-6]。

■スプラッシュエンド…前走GI以外の1400m以下芝で1秒以上敗退は[0-0-1-14]。

■スプリングサンダー…過去6回、上がり3Fの平均は34.75。力のいる馬場で前の止まらない展開だけに、極端な追い込み馬は不利。前2走とも向正面10番手以下の競馬をしていた馬は[0-0-0-10]。最速33.3の上がりを持つキレものだが、距離が1F足りない。

■ダイメイザクラ…前2走とも非重賞戦で0秒2(約1馬身)以上敗退は[0-0-0-6]。

■パドトロワ…前走芝1000mG3アイビスSD出走組は[1-1-0-10]。このうち、前3走内にOP以上の芝1200mで連対歴がない馬は[0-0-0-9]。

■ビスカヤ…1200mを10回以上走って連対率3割未満は[0-0-0-14]。

■レオンビスティー…短距離の1000・1200・1400m戦で合算0-2勝は[0-0-0-17]。

□ビウイッチアス…1200mは[2-2-1-0]と着外なしの距離適性に注目。1200mを4回以上走って2勝以上かつ連対率が5割以上馬は[5-4-5-17]。
このうち、
(a)着外が4回以上×
(b)斤量増加or斤量58kg以上×
(c)前走1200m以下芝のレースで6着以下かつ1秒以上大敗×
(d)当日体重10kg以上増加×
(e)前走条件戦使用馬のうち、前4走内にG3以下戦で0秒4以上敗退歴あり×
(f)2か月以上休養馬のうち、前3走内にOP以上の1200-1400m芝で連対歴なし×
以上の6項目をクリアしていた馬は[5-3-3-0]。

２番：素晴らしいデキ。勝てそう。
５番：スッキリ仕上がる。上位争い。
11番：トモしっかり。ここでも上位争い可能。
13番：張りが落ちた感じ。

【よっしゃー56キロ】スプリンターズSの2着降着をはじめ、今春の高松宮記念は0秒1差の4着。GIには、あと一歩が及ばず。前走のCBC賞も、59キロに泣き、3着に敗れたダッシャーゴーゴーだが、別定の56キロなら力量上位は明らか。栗東では坂路中心だが、全身を使うコース追いの効果で身のこなしに柔軟さが出てきた。逆転があればドリームバレンチノ。前三戦の一連の走破タイムと上がりは、もう完全な重賞馬。一気呵成のV4も十分。単穴にビウイッチアスを見直し。直線競馬に戸惑ったアイビスSDは、まったくの参考外。バーデンバーデンCでは、復調途上とはいえ、テイエムオオタカを一ひねり。先週の北九州記念の結果をみると、スプリントシーンも、新風の気配。まとめて負かすとすれば、3歳の新味。アイビスSDの覇者パドトロワも好調。シュプリームギフトの前走1分8秒1は、過去二年のキーンランドCの優勝タイムより速かった。テイエムオオタカも、まだ上積みがある。

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【混戦】ダッシャーゴーゴーは斤量有利で勝利の可能性が高そう。パドトロワは調子上昇の感があり連勝も十分狙えそうだ。スプリングサンダーは末脚鋭く一発に要注意の存在。ドリームバレンチノは好走続くが連下までにとどめて妙味とみる。ビウイッチアスは前走案外も見限りにくい存在。シュプリームギフトは試金石だが素質魅力で連下の押さえに入れておく。

　◎ビウイッチアスを、穴馬に推奨する。直結コースの阪神芝1400mにて重賞のフィリーズレビューを8人気2着に激走。そして前々走は、直結コース福島芝1200mのバーデンバーデンCを勝利した。前走は直結コースではない重賞を凡走したが、直結コースの激走が複数あるため巻き返す可能性が高い。また、前走で重賞の1人気に支持された馬が今回は人気を落とすため、配当的にも狙い目といえる。

　○ダッシャーゴーゴーは、直結コースのGIの10年スプリンターズSを2着入線(降着で4着)した馬で実績上位だが、いまだ斤量56キロで出走するのは有利といえる。その他に直結コースのオーシャンSとCBC賞を制し、直結コースの重賞実績は十分ある。休み明けを叩いた上積みと前走からの斤量減を活かし、勝ち負けになる。

　▲スプリングサンダーは、直結コースの阪神芝1400mにて阪急杯を連対して、前走は直結コース中京芝1200mのCBC賞を7人気2着に激走した。距離1200-1400mを得意にしているため、前々走のマイル戦は惨敗したが、今回のような適距離での信頼度は高い。