ラブリーデイでいこうかとも思っていたが、福島芝は開催2週目でまだインがいいから、フルゲートの外枠は割り引きだろう。

　ダコールは母がアンブライドルズソングの全妹で、ややトモが非力で前輪駆動で走るので平坦コースでよく狙ってきた。

　やはりイン伸び馬場だった昨年は外々を回らされて5着まで追い上げるのが精一杯だったが、ここは内枠に先行馬が揃ったので、ふつうに出れば中団のインに潜り込めるのではないかということで、ウチパクも乗れているのでこのイン差しでいってみたい。

　2004年以降に福島芝2000mで行われた七夕賞は9回。優勝馬の最終追い切り場所を勝ち鞍順に並べてみると、

　1位　栗東坂路[5-2-4-19]
　2位　美浦南Ｗ[2-4-2-34]
　3位　栗東ＣＷ[2-1-0-9]

　勝利数、勝率でトップは栗東坂路。実は単勝回収率は345%で、他の追い切り場所に圧倒的回収率の差をつけています。先週のラジオNIKKEI賞では苦戦した栗東坂路ですが、古馬重賞となり、距離が200m延びると、ここまで適性調教の違いがあるというわけです。

　栗東坂路で追い切った馬は4頭。その中から◎ニューダイナスティを選択した理由は、4F時計の自己ベスト更新。併せた相手がベストウォーリアという、プロキオンSで人気する馬だけに、遅れたのは仕方ありませんが、それも追走してのもの。活気溢れる動きだったと思いますし、その結果が自己ベストの更新に繋がったと思います。近3走の二桁着順はすべて理由が明確。また、好走時は春から夏に集中している点から、体調がぐんと上昇しているのは間違いありません。

　常に調教パターンに大きな変化がない○ダコール。昨年の同レースは、最終追い切り栗東坂路にも関わらず5着。調教適性がないのでは、と思われるかも知れませんが、栗東坂路でも4F時計が遅いと凡走するというのが過去傾向。今年はしっかり時計を出しているので、昨年より着順を上げるのは確実です。

　▲メイショウナルトはようやく、CWでの追い切りの動きが溌剌としてきました。とはいえ、小倉記念を制した時のようなスピード感にはありません。それでも、CW追い切りは七夕賞にとって勝率の高い追い切り場所ですし、近4走を度外視できる好走は見せてくれそうです。

　昨年の覇者△マイネルラクリマは調教タイプは昨年より評価できます。それに伴い、追い切り内容にも多少の変化が出ており、この判断が難しいところ。△ヴィクトリースター、△アドマイヤブルーは最終追い切り場所が栗東坂路での評価。△ラブリーデイは最終追い切り場所CWでの評価です。

　☆コスモバルバラは前走と変わりない仕上げ。このレースに対する調教適性はさほど高くありませんが、前走同様のレース内容ができれば。

1.ミキノバンジョー
今回：標準少めトラック
前回：馬ナリ平均トラック

2.メイショウナルト
今回：標準併用
前回：標準併用

3.ダイワファルコン
今回：標準少めトラック主体
前回：標準トラック

4.ニューダイナスティ
今回：標準坂路
前回：標準坂路

5.コスモバルバラ
今回：馬ナリ平均併用
前回：標準併用

6.イケドラゴン
今回：一杯平均トラック
前回：馬ナリ平均トラック

7.マイネルラクリマ
今回：標準トラック主体
前回：標準併用

8.ダコール
今回：一杯平均坂路
前回：標準坂路

9.オートドラゴン
今回：一杯平均トラック
前回：急仕上げトラック

10.マデイラ
今回：標準トラック
前回：馬ナリ平均トラック

11.セイカプレスト
今回：標準少めトラック
前回：標準少めトラック

12.グランデスバル
今回：調教なし
前回：調教なし

13.ヴィクトリースター
今回：標準多め坂路
前回：標準坂路

14.ロードオブザリング
今回：標準多め併用
前回：スパルタ併用

15.ラブリーデイ
今回：標準多め坂路主体
前回：標準多め坂路

16.アドマイヤブルー
今回：標準坂路
前回：標準坂路

　No.1予想コラムの『今週の見どころ』でも綴ったように、福島の芝コースは高速馬場です。ただし、先週と異なるのは逃げ、先行馬が序盤からペースを押し上げて隊列が縦長となり、先週よりも前で立ち回る馬や内枠の馬が残れていないということです。また、七夕賞が行われる福島芝2000mは1コーナーまで長く、1コーナーから下り坂で息が入れにくいコース。そして今年の七夕賞は逃げ、先行馬が多数揃ったとなると、当然、先行争い激化の可能性が高いです。だからと言って、けっして差し、追い込み馬や外枠が有利とは言いませんが、先週よりも不利が緩和されたことは確かです。

　よって、◎には重賞の上位常連でPP指数上位のラブリーデイを推します。前走の目黒記念は先行馬にとって厳しい流れ。前に行って7着だったステラウインドは次走の準オープンを勝利し、13着だったアップルジャックも今週土曜日の天の川Sで5着と巻き返しました。そのタフな流れを直線序盤で先頭に立ちながら5着は負けて強しの内容だったと言えます。前記したように小回り福島で外を回るロスが生じやすい15番枠はけっして有利ではありませんが、この馬の強さ、そして前走で厳しい流れを経験した効果による粘り増しを期待します。

　○は前走の目黒記念で厳しい流れを作った張本人グランデスバル。目黒記念の上位入線馬が差し、追い込み馬ばかりだったことを考えると9着は健闘した部類でしょう。芝路線に転じてから一戦ごとにレース内容が良くなっています。それほど先行争いが激化しなければ、逃げ有利の福島で、あっといわせるシーンがあるかもしれません。また、今回は前走での厳しい流れの経験が糧となり、多少、競りかけられても容易には潰されない可能性が高いでしょう。

▲は前走の目黒記念は先行したことが裏目に出て12着と大敗しましたが、前々走では後の目黒記念4着馬アウォーディーに完勝しているように、重賞でも通用する能力を秘めたアドマイヤブルー。今回は枠順から考えて、待機策をとって一発狙いの競馬をしてくるでしょう。前走の厳しい競馬の経験が今回に繋がってきそうです。鞍上のマジックにも期待したいところです。

【伏兵注意】ラブリーデイは重賞初Vの期は熟している。レース振り良化しており距離短縮もプラスで今度こそ。マイネルラクリマは遠征帰りの前走で2着と力見せる。昨年Vをはじめコース相性上々で58kgでも。ダコールは末脚堅実で展開次第では差し切りも。グランデスバルも力をつけており上位の候補。メイショウナルトも地力有り侮れず、コスモバルバラやアドマイヤブルーにも注意を払いたい。

【背負いなれた58キロ】マイネルラクリマの実績上位。福島コースは3戦2勝・2着1回。昨年の七夕賞では、57キロを背負い過去十年で最高タイムの1分58秒9で快勝を演じている。58キロの斤量でも、小倉記念が3着、福島記念2着の好走歴あり。エプソムCを二番手追走からアタマ差に粘り込んだように、脚質は自在。道悪も滅法得意としている。海外遠征明けの前走をひとたたきしたことで、馬体にも張りが増し、仕草もどっしりとしてきた。

ラブリーデイは57キロ克服が逆転の鍵。昨年夏の小倉記念は前記マイネルに先着(2着)。金鯱賞2着、中日新聞杯もクビ差3着とGIIIでも好勝負を演じているが、57キロではまだ勝ち負けがない。ただ、折り合いを欠いた目黒記念を見ると、距離短縮は好材料。こちらも脚質は自在。斤量はともかく、本命馬とほぼ同じ位置から、呼吸をはかって追い出すだけだ。両頭の背後からダイワファルコンが強襲。福島記念は57・5キロの斤量で1分57秒3のレコード勝ち。0・5キロ増の58キロでも、同レース2着のマイネルとは、計算上ほぼ互角。GIIの目黒記念で果敢にハナを奪い0秒9差に踏ん張ったグランデスバルは、54キロと小回り2000mなら前残り圏内。良馬場がカギになるが、瞬発力勝負ならダコール。アドマイヤブルーはブリンカー装着に粘り込みと新味。

　イメージほど荒れるわけではない古馬の中距離ハンデG3だが、かといってガチガチの馬券を組むのも面白くないもの。人気サイドの馬も尊重しつつ、なにか1頭好配当のポイントとなる馬を見出していきたいものである。

　尊重したい人気馬の筆頭は○マイネルラクリマ。前走好走→今回斤量増という形は、このレースでは良いパターン。ハンデで嫌われて多少なりとも人気が落ちるのも良い。

　高配当のカギとなる◎にはアドマイヤブルーを指名する。このレースで強い5歳馬かつ穴馬での好走が目立つミスプロ系。キングカメハメハは典型的なミスプロ系とはいえないが、同じキングマンボ後継のエルコンドルパサーが2ケタ人気2着馬を出している。距離も2000mくらいが良いように思うし、先行勢総崩れになった前走は言い訳のきくもの。重賞レベルで通用しないと決まったわけではない。

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　◎ラブリーデイは「キングカメハメハ×ダンスインザダーク」という組み合わせで、母ポップコーンジャズは現役時代、スイートピーS(OP)2着、オークス(G1)6着という成績を残した。「キンカメ×ダンス」はショウリュウムーン(チューリップ賞、京都牝馬S)と同じで、1600-2000mあたりで最も力を発揮する。七夕賞は07年以降に連対した延べ14頭中、じつに11頭がニジンスキーを持っており、ミスタープロスペクターとも相性がいい。

　本馬はニジンスキーとミスタープロスペクターを併せ持つ配合で、小倉記念2着の成績があるように小回りコースを苦にしない。芝2000mはG1の皐月賞(15着)を除けば[0・2・1・0]と馬券圏内を外していない相性のいい距離。スタートが速く、好位で器用に立ち回れる脚質なので、外枠の不利もないはず。出走メンバーのなかで実績ナンバーワンのダイワファルコンは休み明け、マイネルラクリマが58kgならば、この馬の出番だろう。

本命馬の見解:◎ミキノバンジョーは、一昨年に直結コース福島芝1800mの福島TVオープン(OPEN)を勝ち、七夕賞(G3)を7人気3着に激走した。夏の福島開催に実績があり、穴馬として注目する。休み明け2走は阪神・東京という中央4場で敗れたが、叩いた上積みとローカルコースに替わることから大駆けを期待する。

穴馬の見解:▲ダイワファルコンは、同コース(福島芝2000m)の福島記念(G3)を2勝した福島巧者。その他、直結コースでは、中山芝1800mの中山記念(G2)2着などの重賞実績を持ち、コース適性は非常に高い。小回りコースを得意にしており、間隔あけて立て直しての福島出走で好勝負になる。

※月曜段階の予想ですので回避馬が含まれるケースがございます。あらかじめご了承ください。

　夏の福島の名物レース・七夕賞。かつては1番人気が勝てない時代が長く続いて、「荒れる重賞」の代名詞のような存在でしたが、近年ではそんなことはありません。人気馬が普通に結果を残す当たり前の中距離重賞になりました。

　馬場があまり傷まなくなったのがひとつ。また、サマー2000シリーズの創設など、夏の中距離重賞路線の整備が進んだ結果、各馬がそれぞれに適したレースを選んで使うようになったこともあって、昔のような大波乱が起こる余地は少なくなっています。

　マイネルラクリマはG3では頭ひとつ抜け出した存在です。前走のエプソムカップ(2着)は海外遠征帰りで一本追い足りない状態でしたが、地力の高さを見せつけました。昨年の当レースの勝ち馬ですから、もちろんコース替わりは歓迎。今回はハンデとの戦いという局面になりそうですが、いまの充実ぶりなら克服は可能と見ます。

　ラブリーデイは目黒記念で人気を裏切る形になりましたが、先行馬が総崩れになる厳しい流れを早めに動いたもので、敗れてなお強しという内容でした。距離の短縮は歓迎でしょうし、昨年小倉記念で2着があるように小回りも問題ありません。

　ダイワファルコンは福島記念を2勝しているコース巧者です。昨年はマイネルラクリマを負かしていますから、ここも当然争覇圏内に入ってきます。3ヶ月の休養明けになりますが、もともと目標にしていたレースですし、鉄砲も苦にしないタイプ。

　グランデスバルは重賞初挑戦だった目黒記念は9着に敗れましたが、前述の通り厳しい流れを引っ張ってのもので、実績のある福島に替わっての巻き返しは充分考えられます。

　同様の理由でアドマイヤブルーにも要注意。ダコールは重賞に入るとあと一歩足りませんが、休養明けをひと叩きしたことで体調面の良化は確実です。マデイラは前走京都の超高速馬場で見せ場なく終わりましたが、パワーを要する福島に替わって一変の可能性があります。

【相手探し】昨年の覇者でもある07マイネルラクリマを、58キロでも信頼する。福島適性の高さと、平均ラップで先行して粘れる底力が魅力で、デキも海外遠征直後だった前走より上。枠番も4枠7番といいところを引き当てたし、迷わず本命に推したい。外枠を引いた15ラブリーデイの評価を下げ、03ダイワファルコンと10マデイラを相手本線に設定する。

ハンデの上位と下位の差が最大で10キロ。それだけ実績がはっきりと違うということ。また、好調馬とそうではない馬の差もはっきりしており、あとは展開をどう読むかがポイント。

本命はラブリーデイ。前走、目黒記念はいつも以上の積極的な競馬が裏目に出た印象。ダービーウィークだったこの日は、ダービー自体もそうだったように前残りの馬場。結果的にだが、川田騎手が前残りの馬場を意識しすぎたという競馬。これもあくまで推測だが、ダービーで騎乗したトゥザワールドが本来の先行策をとれずに脚を余すような競馬で負けたことも、目黒記念で意識が前へ前へとなった要因ではないか、と思える。このクラスのジョッキーは同じミスはしないし、また福島なら気持ち早めの競馬でも力で押し切れる。

人気になるのかもしれないが☆ラブリーデイの数値は抜けていいわけではない。3走前まですべて100は超えているが、ならば110台を2回出している◎ダコールのほうが上というのが指数からの判断だ。そして2番手には○マイネルラクリマという順序になる。上位は人気サイドだが、その順だけで配当は大きく変わりそうだ。△には一角を崩す可能性のある穴馬を入れておく。

穴馬の本命:◎ヴィクトリースター
人気馬の本命:◎ダコール

穴馬の本命:◎ヴィクトリースターは速い「上がりタイム」をマークすることはないが、タフなコース、厳しい流れで「上がり順位」を上げてくるタイプ。要するに直線の長いコースでの瞬発力勝負には向いていないが、マクり合戦のような我慢比べには滅法強いタイプだ。ここ福島芝2000mはまさにヴィクトリースター向きのコースで、向正面から仕掛け始め、我慢比べの競馬になりやすい。ましてや今回は先行馬が非常に多いメンバー構成で、3コーナーあたりから一気にペースが上がる競馬が予想される。ハンデの53キロも有利に働き、バテない強みをフルに活かした競馬で激走が期待できる。

人気馬の本命:◎ダコールは、今回と同じ福島芝2000mの重賞で善戦を続けている(福島記念3着、七夕賞5着)。とくに福島記念ではマクる競馬で最後まで脚を伸ばしており(七夕賞は若干仕掛け遅れ)、今回はそれ以上のハイペースが見込まれ、福島記念同様の競馬で、過去2走以上の結果が期待できる。前走をひと叩きされた上積みも含めて期待したい。

※印・買い目上は人気馬の本命◎を○として表記しております。ご了承ください。