秋のG1・第1弾は、新潟で行われる
スプリンターズS。新潟では今から12年前の2002年にも行われたこともありましたが、当時は新潟の連続開催12週目の最終日ということもあり、馬場悪化が懸念されました。そこで仮柵設置のBコースが設けられ、A→B→A→B→Aと何週かBコースを使われたことで開催終盤になっても馬場状態はそれほど悪化せず、結局、逃げ馬
ショウナンカンプの直後につけた
ビリーヴ(1着)、
アドマイヤコジーン(2着)、そして
ショウナンカンプ(3着)の先行勢3頭で決着しました。
今年は一貫してAコースの新潟の連続開催10週目の最終日で行われますが、先週の新潟芝1200mの
セプテンバーS(1600万下)で、
ルチャドルアスールが逃げ切ったように、馬場状態はそれほど悪くありません。本日、土曜日は稍重スタートでさすがに先週よりも時計が掛かっていましたが、展開ひとつで前が残ることも出来ていました。
今年の
スプリンターズSは、今春の
高松宮記念を消耗戦へと導いたエーシントッップは除外で、逃げ馬は
ハクサンムーンと
コパノリチャードの2頭。逃げるのはテンのスピードが一番速い
ハクサンムーンで、
ハクサンムーンが出遅れれば
コパノリチャードがハナへといったところでしょう。強い先行馬といえば、昨年の
CBC賞で
ハクサンムーンを撃破したことがある
マジンプロスパーくらいで、下級条件ならば行った、行ったの展開も視野に入れて馬券を組み立てなければなりません。
しかし、ス
プリントのG1戦ともなると、離れたところで2列目を形成することは、まず、ありません。なぜなら、離れた2列目で競馬をすることは、「勝たなくてもいい」とある意味、勝負を捨てているポジションだからです。
ハクサンムーンや
コパノリチャードはそこまで絶対的な存在か? 隙あらばどの馬かが負かしに動くのではないか? また、最近の
ハクサンムーンは出遅れ常習犯で、
コパノリチャードはぶっつけ本番となれば、差し勢が負かしに行く可能性が高いです。
しかし、本来は自分から動くのが苦手な差し勢が前を負かしに動けば、失速することが多いもの。よって今年の
スプリンターズSは追い込み馬の出番と見ました。◎には王者
ロードカナロアが去った後に彗星のごとく現れた
ストレイトガールを据えます。
この馬は
ロードカナロアが
安田記念を勝った翌週の函館で9ヵ月の休養明けから復帰し、いきなり1000万下の水準決着指数を上回るPP指数で500万下2着。そこから連勝街道まっしぐらで、昨年の
キーンランドC2着。今年は
シルクロードSを勝ち、春の
高松宮記念では3着に善戦しました。続く
ヴィクトリアマイルでも3着でした。
その次走となる前走函館ス
プリントSでは、前有利の馬場コンディションで、追い込み馬にとっては最悪の2番枠。春のG1を大目標にした後の一戦だったこと、前走芝1600mを後方から競馬をした直後だったこと、本来5歳牝馬は斤量54kgのところを2kg増量されたたために、前に行ける脚が全くなく、外から被されて能力を発揮することなく11着に敗れました。
しかし、今回は仕切り直しの一戦。前走でキッチリ負けたことで、疲れも抜けているでしょうから、より今回での巻き返しの可能性が高まります。また、キャリアの浅い5歳馬ですから、更なる成長力もあるかもしれません。今回は意外と人気で残念ですが、
セントウルS終了時から、
スプリンターズSではこの馬を本命にすると決めていたので素直に狙います。
○は消耗戦となった今年の
高松宮記念で圧倒的なレースをした
コパノリチャード。今年の
高松宮記念は道悪だったことから、この馬はあまり高速馬場適性がないと思われているようですが、本当にそうだとしたら、1分20秒7で決着した今年の
阪急杯を勝てるはずもありません。真に力をつけたのでしょう。不安点は、今回がぶっつけ本番であることくらいです。
▲は現3歳世代牝馬のトップクラスの1頭として、2歳時の早くから活躍してきた
ベルカント。近3走は期待を裏切っていますが、
桜花賞は
フィリーズレビューで休養明けながら好走した疲れが残っていたもの。前々走の
CBC賞は逃げ馬にとってとても厳しい中京芝で逃げたことが裏目に出たもの。前走の
北九州記念は4コーナーで内目を通った馬が上位独占したレースで小差の6着ならば悪くありません。実際、同様な負け方をした
エピセアロームは
セントウルSで3着に巻き返しています。3歳牝馬なので今回は53kgと負担重量も軽く、キレは増すでしょう。要警戒の一頭です。