【波乱含み】ニシノラッシュはセンス良いレース振り魅力。新潟2歳S3着は価値が高く状態も前走以上で重賞Vに期待。ワキノヒビキは前走好内容。末脚良好で展開次第では差し切りも。サフィロスは使われつつ力つける。スピード非凡ながら距離延長も問題ない。函館2歳SVのアクティブミノルも態勢整い連勝も。ロンバルディアも前走以上で、オープンザウェイやセカンドテーブルにも注意を払いたい。

【小細工無用】
サフィロスは、6-7Fの重賞は、3つ4つは期待できる器。父はキンシャサノキセキ、母の兄はサウスヴィグラス――その血統通り、デビュー戦の函館1200mは、小回りに手を焼き2着に敗れたものの、次走の新潟戦は12キロに増量。レコードに0秒4差の1分9秒1という時計も、なかなかのものだが、ラスト2F・推定11秒0を連発。極上の切れをもつスプリンターとしての素養が随所に見て取れた。前走のカンナSは、道中行くところ行くところ前が塞がり、進路を探すのに手間取ったが、最後は0秒1差に他馬をねじ伏せている。東京なら小細工無用、腹をくくって外一気で間に合う。ただ、若干折り合いが不安。

7Fが微妙に長いようなら、ニシノラッシュが逆転。くるみ賞は、道中掛かり気味ながらも、なんとか勝ちをひろったが、重目残りで息遣いひと息。叩き台とすれば上出来だろう。新潟2歳S・1分33秒6で駈けた資質を、改めて確認。前走を叩いたことで、馬体もレース運びもシャープになる。

ワキノヒビキは1400mを2勝2着1回。もみじSは2着に敗れたものの、他馬より重い56キロで最速の末脚を繰り出している。

函館2歳Sの覇者アクティブミノルは、確たる血統背景が乏しく、中央場所の坂のある7Fが試金石。ただ、南Wで長め6Fを追ってもスムーズに伸びているあたりに、1Fの距離延長と完成度の高さはうかがえる。

オープンザウェイは、前回のいちょうSでタメを覚え、脚質転換に成功。収穫ある4着といっていい。

まっすぐ走らせることを覚えさせている段階だが、コウソクコーナーはカンナSで最速の上がりをマークしている。

　京王杯2歳Sの過去10年を振り返ると、前走も1400mという馬は穴につながりにくく、1200mからの距離延長か1600mの距離短縮が穴になっている。ただ、1600m組はその前走がスローだった場合、ここでの流れに戸惑う危険もあるので、その辺りには配慮したい。

　今回のメンバーでは前走1600m組は◎オープンザウェイしかいない。カンナS組を中心とした1200m組には注目が集まってしまうメンバー構成なので、逆の属性を持つこの馬に走ってほしいところ。もともと1200mで勝ち上がってきた馬だし、前走も緩い流れではなかった。極端に後ろの位置取りにさえならなければ、馬券圏内に届くチャンスは十分だ。

　○は前走1400m組でしかも人気サイドの1頭だが、ニシノラッシュ。3種類の距離でいずれも好走している安心感がある。▲にロンバルディア。前走は出遅れが響いた。スタートがまともなら○との差もそう大きくないはずだ。

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　◎ワキノヒビキは「オンファイア×サクラバクシンオー」という組み合わせ。父オンファイアはディープインパクトの全弟で、代表産駒のウキヨノカゼ(クイーンC)は母方にカーリアンを、本馬はダンシングブレーヴを持っている。いずれも全兄ディープインパクトの代表的な成功パターンだ。母方にダンシングブレーヴを持つディープインパクト産駒は、ネガティヴニックスのコマンダーインチーフを経由したものを除けば、少ないサンプルからスマートレイアー、サトノルパン、アヴニールマルシェといった活躍馬が出ており、連対率は56,7%に達する。

　本馬は父の全弟オンファイア産駒ながら成功パターンを踏襲しているので見どころがある。2走前の新潟2歳Sは距離が長かった上に内にモタれ、本来の実力を発揮できなかった。芝1400mは不良馬場に脚を取られたデビュー戦を除けば[2-1-0-0]という成績。前走のもみじS(OP)は最後方から豪快に伸びて2着に食い込んだ。追って味があるので東京コースは合うだろう。

※月曜段階の予想ですので回避馬が含まれるケースがございます。あらかじめご了承ください。

　今年で50回という伝統を誇る2歳重賞ですが、朝日杯の舞台が直線が長い阪神に移動したことで、前哨戦としての位置づけも微妙になってきました。

　とはいうものの、2歳戦では数少ないGII戦には変わりなく、今年の出走メンバーを見ると「2歳短距離戦線の総決算」的な意味合いを持つレースになりそうです。

1.スプリンターではこなせない

　良馬場で行われた直近5回のレースの上がり3Fは、順に34.1、34.3、34.6、33.7、34.3。いずれも前半3Fより速い「後傾ラップ」になっています。前半から飛ばしていく純粋な短距離馬では対応が困難で、マイラータイプの馬に有利なレースとなっています。

2.完成度だけでなく素質が問われる

　まれに見る低レベルだった昨年を除けば、近年の連対馬は古馬になってもオープンクラスで活躍を続けている馬ばかりです。仕上がりの早さだけでは通用しないので、ここまでの早期2歳戦での実績をそのまま鵜呑みにするのは危険です。

3.バクシンオー、ミスプロ、ストームキャット

　最近10年間でサクラバクシンオー産駒が2勝を挙げています。それほど出走頭数が多いわけではないことを考えると、優秀な成績です。他で好走が目立つ血統は、マイネルラヴを筆頭とするミスタープロスペクター系と、エーシントップ、エイシンアポロンの2頭の優勝馬を送り出したストームキャット系。

　ヤマニンマンドールは秋の阪神で屈指のハイレベル新馬戦でのデビュー馬。初戦はいちょうSで断然人気に推されたサトノフラムの3着に敗れましたが、折り返しの未勝利戦を上がり33秒9の末脚で完勝。時計も優秀で、重賞に入っても見劣りのしない実績をすでに残しています。父はサドンストームなどを出すスピード豊富なストーミングホームで、距離短縮は望むところでしょう。

　ニシノラッシュはレベルが高い新潟2歳Sの3着馬。前走のくるみ賞は辛勝でしたが、次走を見据えてお釣りを残した仕上げでしたから、万全の体制でここに臨むことができます。サフィロスはデビュー前から素質を嘱望されているA級スプリンター候補。気性的に難しい面があり、ここまで1200m戦のみを使われており、ここも折り合いがポイントになりそう。

　オープンザウェイは久々のいちょうSを4着に好走。ヨハネスブルグ産駒ですから距離短縮で上昇が見込めます。ワキノヒビキは器用なタイプではないものの、この距離では確実に良い脚を使えます。アポロノシンザンはくるみ賞を3着に敗れましたが、時計は速く着差も僅かでしたから、再度ハナならば侮れない一頭。アクティブミノルは函館2歳S以来の一戦で、上がりが速い競馬への対応が課題になるでしょう。

【実力伯仲】12頭と手頃な頭数となったが、一筋縄ではいかないメンバー構成。先行指向の強さからスプリント戦に近い流れとなりそうで、そうなると「行く」組の扱いが難しい。差しがハマる展開になると読んで、本命は01サフィロスに進呈。内ラチ沿いでうまく立ち回っての好走を期待する。09ニシノラッシュと、人気薄の05コウソクコーナーが相手本線。

ここから朝日杯FSへ、というほどの大物感がある馬は見当たらずやや小粒な印象。本命はサフィロス。圧倒的支持を集めた前走は直線で行き場がなく、またスペースを見つけても外からプレッシャーをかけられて何度も接触する大きな不利。そこをこじ開けてきた脚と折れない強い精神力は立派の一言。そのダメージ具合と距離延長への課題はあるが、克服可能と判断。

相手にはワキノヒビキを推したが、イメージとしては小回りで一瞬の脚を生かすタイプ。中一週の疲れさえなければニシノラッシュも怖い一頭。

上位は最高値ソート順でいく。トップ評価するのは95を2回連続で出し、唯一平均値90の◎ニシノラッシュ。デビュー戦から80を出してからの90台連続は能力がある証拠。2歳戦のうちは大きく外さないと見る。同前走94○ロンバルディア、距離コース未経験ながら平均値86の▲サフィロスも上位に。前走91の☆アポロノシンザンの一発にも期待したい。

短距離向きの差し馬で勝負強さは非凡な9ニシノラッシュが中心。前走は同距離を大外から鋭く捕えた瞬発力は能力の高さの片りんを伺わせた。ここは先行策から抜け出す!対抗は同じく終い切れる1サフィロス。潜在能力は高く1ハロン延長は歓迎。▲は確実に成長を遂げてきた4ワキノヒビキだ。