熟女vs乙女の対戦図式となる
エリザベス女王杯。
エリザベス女王杯の最大のポイントは、古馬と3歳馬の能力比較です。古馬が強ければ当然、古馬優勢ですが、3歳馬は多少足りないレベルなら、軽斤量と成長力で古馬の壁を崩せる場合もしばしばあります。
今年は
ハープスターの
札幌記念や
凱旋門賞の活躍により、3歳牝馬はレベルが高いと言われて来ました。実際に過去の
秋華賞のPP指数と比較すると、
ブエナビスタが3着降着となった5年前の
秋華賞と同等でかなり優秀です。5年前は、熟女のレベルも高かったために、古馬にハイレベル3歳世代の牙城を崩されましたが、今年は5年前ほど古馬のレベルが高くありません。古馬も3歳馬も五分五分と言える力関係でしょう。
よって、今年の
エリザベス女王杯は3歳馬優勢と見ていましたが、出負けからレコード決着の外々を回って3着と、
秋華賞で一番いい内容だった
タガノエトワールがあと1頭のところで除外になりました。社台
ファームの
ヌーヴォレコルトが1番人気に支持されるなかで、社台
ファームのサンシャインが登録したためです。しかし、
ヌーヴォレコルトは、
秋華賞では1番人気の弊害で直線の進路取りには苦労したものの、差し、追い込み馬有利の展開に恵まれての2着。勝ち馬
ショウナンパンドラはロスなく立ち回って、直線で前が開いたところを差す、まさに鞍上の好騎乗と言える結果でした。正直、2頭とも信用に足らない内容でした。
よって、◎には昨年秋に芝路線に転向してから破竹の勢いで上昇し、
愛知杯、
中山牝馬Sを勝利した古馬
フーラブライドを推します。
中山牝馬SでマークしたPP指数は
ヴィルシーナの前走・
宝塚記念と同等で、能力の裏付けはしっかりとあります。今春後半のヴィクトリアM、
マーメイドSは期待に応えることが出来ませんでしたが、ヴィクトリアMは距離不足で不利な外枠、
マーメイドSはスローペースでトップハンデが応えたもの。敗因はしっかりしています。
今回は秋初戦をひと叩きされて得意の京都芝、
日経新春杯で牡馬相手に3着と好走した舞台。能力を出し切れば今回のメンバーで上位争い必至の実力馬です。今回は有力馬に差し、追い込みタイプが多い一戦。
フーラブライドは前哨戦で前に行く競馬をしているので、今回は良いポジションが取れそうなのも魅力です。
○は3戦3勝で阪神ジュ
ベナイルFを勝利した実績を持つ
レッドリヴェール。
桜花賞2着までは良かったのですが、それ以降は意外な不振が続いています。もともと能力が高い馬だけにいずれ目を覚ましてくるでしょう。多くの競走馬が目を覚ますことが多い、休養明け、叩き3戦目となる今回は真価の問われる一戦となりそうです。
▲は昨年の
秋華賞2着馬
スマートレイアー。多くのレースで出走馬中の最速上がり3Fをマークしているように瞬発力は非凡なものがあります。今回は外枠を引いたことでじっくりと待機策でしょう。問題は持ち味が生きる展開になるかどうか。昨冬の
愛知杯では勝ちに行く競馬で結果が出なかったように、スタミナ面にやや不安点を持っている馬。スローからの直線勝負になれば一気に爆発しそうです。