阪神競馬場の開幕週、芝1200mで行われる
セントウルS。これまで当コラムなど読み続けていただき、私(調教捜査官)の予想方法をご存知の方なら「坂路調教馬でしょ」と思われるかも知れません。正しく、その通り。2004年以降、阪神競馬場で行われた9回のうち、8回の優勝馬の最終追い切り場所は「栗東坂路」でした。
しかし、栗東坂路というポイントだけでは、今年の出走馬でも12頭が該当。それ以外の調教パターンでフィルターにかける必要があります。実は、近4年の優勝馬の「4F時計」と「2F時計」に共通点がありました。
2010年
ダッシャーゴーゴー 52.9-24.4
2011年
エーシンヴァーゴウ 52.1-24.9
2012年
エピセアローム 52.3-24.7
2013年
ハクサンムーン 52.7-24.7
それが4F時計「52.9秒以下」、2F時計「24.9秒以下」でした。阪神競馬場で行われた過去9回という範囲に広げて、この調教条件に該当した馬の成績を調べても、単勝回収率119%という成績。2010年以降に絞れば、単勝回収率231%ですから、近年顕著な調教傾向です。
今年の出走馬でこの調教パターンに該当するのは3頭。しかし、私が印を打ったのは◎
マヤノリュウジンだけ。その理由は「ローテーション」です。この調教条件に該当した馬をローテーション別に検証すると、中6週以下のローテーションが圧倒的に良績を残しています。もちろん、前記した優勝馬はすべて中6週以下。2010年以降、調教パターンに該当して、中6週以下だった馬の成績は[4-0-0-7]で単勝回収率335%。本命選びはこのアプローチでまず間違いないと思います。
強いて心配点を挙げれば、
マヤノリュウジンの「脚質」。前走もそうだったように、後方一気で連勝中ですから、今回もその公算は大。その点について、
庄野靖志調教師に取材すると「スタートして、無理に位置を取りにいくと、どうしても末脚が甘くなってしまうタイプ。ゲートを出てじっとしていれば、脚がたまって、直線で凄い脚を使ってくれます。それはジョッキーも把握しているので、今回も後方からのレースになるでしょうね。でも、それがこの馬の持ち味ですし、開幕週だからといって、無理に位置を取りにいくと、ここ2戦のような競馬はできないと思います」とコメント。自分の競馬に徹して、前を捕まえられなければ仕方ない、ということでしょう。
昨年の覇者、○
ハクサンムーンは最終追い切りの時計が昨年より遅くなり、過去4年の優勝馬とは違う調教パターンになりました。その分、対抗評価としましたが、帰厩当初から、春とは全く違う馬体を見せているだけに、勝っても全く不思議ありません。
▲
リトルゲルダは
アイビスSDから叩き3走目になりますが、今回の追い切りは前走以上の迫力。それを客観的に示すように、
鮫島一歩厩舎の勝負調教(調教タイプが馬ナリ平均坂路)にも該当しました。4F時計、2F時計も過去4年の優勝馬よりわずかに遅いだけなので、勝つ可能性もあると思います。
△
トーホウアマポーラ、△
アンバルブライベン、△
バクシンテイオー、△
メイショウイザヨイは、過去の好走時の調教内容と今回がほぼ同じ。そういった意味で評価しています。△
エーシントップと△
ダッシャーゴーゴーは休み明けでも、好走時とほぼ同じ最終追い切りの時計を出せている点を評価。
最後に☆
プリンセスメモリーは最終追い切り場所が美浦坂路ですが、この調教場所は過去に
アンシェルブルーが12番人気3着という大穴激走を見せているので、押さえておきました。
1.
リトルゲルダ
今回:馬ナリ平均坂路
前回:標準坂路
2.
マヤノリュウジン
今回:標準多め坂路
前回:標準トラック
3.
エピセアローム
今回:急仕上げ坂路
前回:標準坂路
4.
トーホウアマポーラ
今回:馬ナリ平均坂路
前回:馬ナリ平均坂路主体
5.
プリンセスメモリー
今回:標準坂路
前回:標準坂路
6.
スギノエンデバー
今回:乗込坂路
前回:標準少め坂路
7.
リアルヴィーナス
今回:馬ナリ平均併用
前回:馬ナリ平均坂路主体
8.
アンバルブライベン
今回:軽目坂路
前回:馬ナリ平均坂路
9.
バクシンテイオー
今回:軽目トラック
前回:軽目トラック
10.
メイショウイザヨイ
今回:標準坂路
前回:標準坂路
11.
アルマリンピア
今回:標準坂路
前回:標準坂路
12.
エーシントップ
今回:標準少め併用
前回:一杯平均トラック
13.
フォーエバーマーク
今回:馬ナリ平均トラック
前回:標準トラック
14.
ダッシャーゴーゴー
今回:標準坂路
前回:海外
15.
ハクサンムーン
今回:標準少め坂路
前回:標準多め坂路