※月曜段階の予想ですので回避馬が含まれるケースがございます。あらかじめご了承ください。
真夏の大一番・
札幌記念。サマー2000シリーズの第4戦にして最大のポイントが付与されるレースでもありますが、過去9回のサマー2000シリーズでチャンピオンとなった馬が
札幌記念に出走したことは、函館開催だった2013年の
トウケイヘイローただ一頭だけ。このことからも、
札幌記念が他のローカル重賞とは一線を画するレースだということがわかります。
札幌記念の勝ち馬は、
凱旋門賞か天皇賞か、GIへ直行するのが普通(過去10年のうち7頭が該当)です。気が早いように見えますが、じつはGIへの
ステップレースと考えてまったく差し支えないレースなのです。
1.前走GI組強し
昨年の
札幌記念は、
ハープスター(
オークス)、
ゴールドシップ(
宝塚記念)、
ホエールキャプチャ(
安田記念)と、前走でGIを使われていた馬が1-3着を独占しました。過去10年から函館開催の2013年を除いた9回のうち、前走でGIを走っていた馬の成績は[4-3-4-13]。前走GIII組と比べると勝率で2倍、連対率・複勝率では3倍と圧倒的な成績を残しています。
2.牝馬のためのレース
札幌開催の過去9回で牝馬の成績は[4-2-2-9]。ざっくり言うと、出走したうちの半分が馬券圏内に入り、そのうちの半分が勝っているという数字です。ちなみに着外9頭のうち3頭は4着で、掲示板を外したのは17頭出走して6頭だけ。さらにその6頭のうち5頭は二桁人気と、最初からほぼノーチャンスの馬でした。人気でコケたのは2005年12着の
ダンスインザムードだけ。このレースに出走した牝馬は、ほとんどが「いい思い」をして帰っていることになります。
3.スピードレース化進む
昨年1着の
ハープスターはその年の
桜花賞馬でしたし、3着の
ホエールキャプチャは1600mと1800mで重賞を5勝。2012年2着の
ダークシャドウ、2011年2着の
アクシオンも1800m重賞に勝ち鞍がありました。対照的に、昨年の
ゴールドシップは1番人気で2着、2012年の
ヒルノダムールは2番人気で3着と、長めの距離を得意としている馬は
札幌記念に来るとやや苦労しています。ステイヤーよりはマイラーがレースを進めやすい傾向は、近年ますます顕著になっています。
ラキシスは昨年の
エリザベス女王杯の勝ち馬で、牡馬を相手にしても今年の
大阪杯を制しています。前走の
宝塚記念はスローペースで脚を残して人気を裏切りましたが、勝ち馬とは0.4秒差。
有馬記念も0.2秒差6着と、
グランプリでも大崩れしないのですから、牡馬も含めてトップクラスにランクされる馬です。間隔が開いても初コースでも苦にしませんし、位置取りが自在で小回りでも安定感があります。
ラストインパクトは春の天皇賞路線からの参戦ですが、これまでの重賞3勝のうち
金鯱賞が2000mで
小倉大賞典が1800m。
金鯱賞は好メンバー相手のレコード勝ちでしたし、
小倉大賞典も3コーナーでひと捲りからの圧勝と、いずれも非常に強い内容でしたから、むしろこの馬の本領は中距離にあると考えられます。叩き良化型であることは懸念材料ですが、力をつけた今ならば本調子手前でも高い評価が必要になります。
トーホウジャッカルは昨年の
菊花賞馬。8ヶ月の休み明けだった
宝塚記念でも4着に好走して、「4歳最強」の呼び声が伊達ではないことをアピールしました。ただ、重賞レベルでの実績が2200m以上なので、このクラスでの2000m戦がどうかという疑問は残ります。追走スピードは互角ですが、小回りで上がりが速くなると器用さで見劣りしそうで、そこをどうクリアーするかがカギになりそう。
実績で上回る「三強」に割って入るとすれば、
ディサイファでしょう。昨年の
エプソムカップ(芝1800m)など重賞2勝にくわえ、昨年の
毎日王冠でも大接戦の4着があります。今年の
エプソムカップはクビ+クビの3着でしたが、例年にない好メンバーだったことを思えば悪い
ステップではありません。函館競馬場での実績になりますが、洋芝の中距離では2戦2勝。
ディープインパクト産駒としては切れ味に欠ける面があり、北海道はうってつけの舞台になります。
叩かれつつ復調気配の
トウケイヘイロー、
函館記念勝ちが好タイムの
ダービーフィズ、函館やロンシャンに実績があり洋芝で上積みが見込める
ステラウインドが押さえ。