ラブイズブーシェはナカミジュリアンやナカミアンデスやフリソなどが出るスタミナ豊富なファミリーで、しかもマンハッタンカフェ×メジロマックイーンという菊と春天を制したステイヤー同士の配合で、その血統どおりに目黒記念2着、有馬記念4着とスタミナのあるところを見せており、全兄ハリーアップも函館芝2600mの北海H(1000万下)に勝った。

　マンハッタンカフェは母父がパワー豊富なトムロルフ系なので意外に短距離の突進力も伝えるが、重厚なラムタラ牝馬との配合で春天のヒルノダムールを出したのはご存知のとおり。

　中山金杯は2000mのスピードが要求されるレースになったので大敗もやむを得ず、持続力が問われるレースなら一線級相手にも食い下がるしぶとさをこの距離で見直したい。

　過去10年で3番人気以内が8勝という比較的低配当で決着するダイヤモンドS。しかし、2勝は二桁人気なので、人気薄を本命に選択したい場合は、この2頭の調教内容の共通点を本命根拠にしたいところ。

2005年
ウイングランツ(10番人気)/標準トラック
2012年
ケイアイドウソジン(15番人気)/馬ナリ平均トラック

　トラック調教が共通しているということはありますが、もうひとつは最終追い切りの強さが「馬なり」。しかも、ラップの踏み方がゴールに向けて加速する形でした。途中で最速ラップを踏み、ゴールは惰性で駆け抜けるのではなく、トラックのコーナーを周回して、じっくりと脚をためることができる、こんな調教がダイヤモンドSには必要だということでしょう。

　◎シャンパーニュはDPでゴールへ向けて、きれいな加速ラップを踏んだ最終追い切り。もちろん、強さは鞍上がなにもしない馬なり。前走で距離適性に関しては十分なものを示したと思いますし、東京競馬場までの輸送があっても、追い切り時計は前走と変わらない点が評価できます。

1.メジャープレゼンス
今回：標準多め坂路
前回：標準坂路

2.ステラウインド
今回：標準多め併用
前回：標準併用

3.ネオブラックダイヤ
今回：標準トラック主体
前回：馬ナリ平均トラック主体

4.タニノエポレット
今回：スパルタ坂路
前回：標準坂路

5.サイモントルナーレ
今回：標準併用
前回：標準併用

6.カルドブレッサ
今回：標準併用
前回：標準少めトラック主体

7.カムフィー
今回：馬ナリ平均トラック
前回：標準トラック

8.ラブイズブーシェ
今回：標準坂路主体
前回：標準坂路

9.ニューダイナスティ
今回：標準多め坂路主体
前回：標準坂路

10.タガノグーフォ
今回：急仕上げ坂路主体
前回：標準多め坂路主体

11.シャンパーニュ
今回：標準トラック
前回：標準トラック主体

12.リキサンステルス
今回：連闘坂路
前回：地方

13.アドマイヤフライト
今回：標準併用
前回：標準坂路

14.タイセイドリーム
今回：標準併用
前回：標準多め併用

15.ファタモルガーナ
今回：標準坂路
前回：標準坂路

16.フェイムゲーム
今回：乗込併用
前回：馬ナリ平均併用

【上位拮抗】フェイムゲームは前走後手踏み流れに乗れず大敗も力量確か。58kgでも巻き返しを期待。ファタモルガーナは長休あるも前走2着と力示す。レース振りも前進しておりチャンスも。アドマイヤフライトはプラス20kgの前走でも3着。素軽さ増しており争覇圏。カムフィーは軽ハンデで差し脚生きる。ネオブラックダイヤもスタミナありラブイズブーシェやステラウインドにも注意が必要。

【GIIIは力で押せる】フェイムゲームの連覇に期待だ。昨年のダイヤモンドSの優勝タイム・3分30秒2は過去十年で歴代2位という好タイムだったが、同レースをステップに天皇賞[春]、宝塚記念にチャレンジ。GIで結果は残せなかったものの、秋はひとつ格上のGIIのアルゼンチン共和国杯を57キロの重量で制覇している。アルゼンチンの2分30秒5・上がり34秒0という記録も、東京2500m戦とすれば水準以上だ。AJCCはスローペースにはまり、直線差を詰めるのみの12着と凡走したが、馬体の造りと張り、返し馬の気配は際立っていた。前年から3キロ増の58キロというトップハンデは厳しいけれど、天皇賞[春]などのGIを戦うためには、GIII戦は力で抑え込んでおきたい。

対抗はラブイズブーシェの地力。函館記念制覇でGIIIはクリア。底力を問われる、東京2500mのGII・目黒記念2着、天皇賞[秋]を0秒2差の4着に食い込んできた実力派。調整不足で中山金杯は14着に終わったものの、調教の負荷を上げ体調は上向き。

マラソンランナーとしての資質なら、ファタモルガーナもまだまだ魅力がいっぱい。一昨年のダイヤモンドSは小差の6着。1年2か月の休養をはさみ、ステイヤーズSを0秒1差の2着に踏ん張っている。ニューダイナスティは、3000mの万葉Sをクビ差の3着に追い上げ、長丁場でのステップアップを感じさせた。万葉Sの勝者ステラウインドも、前走は内ラチ沿いをコースロスなくピッタリ回った鞍上の巧みさはあったにせよ長距離でも結果を残せた。アドマイヤフライトは、GIIの日経新春杯を2・3着と結果を残している。課題の背腰も今回はまだ力がみなぎっている。

「ハンデ戦は敢えて斤量の重いほうから買え」という格言をことあるごとに持ち出す私だが、ダイヤモンドSについては軽ハンデ馬の妙味を認めざるをえない。

　過去10年の牡馬セン馬を対象に斤量別成績を取ると、重い部類に入る57キロ以上馬は[3-1-1-14]で回収率は単45%・複53%。馬券に絡んだ5頭は1番人気3頭と4番人気2頭。的中頻度のために取らざるをえないグループだが、これ自体にうまみはない。

　一方で52キロ以下は[1-2-4-18]と的中頻度には難があるが、回収率は単複ともにプラス。また、両グループの間にあたる53-56.5キロ組は、前走から斤量が減った馬の中から人気薄激走馬が出ている。これも一般のハンデ戦とは違う傾向だ。

　ここは軽ハンデでダンスインザダーク産駒の◎カムフィーに期待したい。鈴木康弘厩舎という話題性である程度売れてしまうかもしれないが、それでも7-8番人気というところだろう。

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　◎ニューダイナスティは｢ディープインパクト×ダイナフォーマー｣という組み合わせ。母の父ダイナフォーマーは｢ロベルト系×リボ-系｣というパワーと底力にあふれたスタミナ血統で、ブライアンズタイムと配合構成がよく似ている。瞬発力はないものの持続力に秀でているので、決め手を必要としないスタミナが問われる競馬になれば楽しみが大きい。当レースは3400mという超長距離で行われるだけあって、距離変更後11回の上がり3ハロンの平均は35秒9。最後は粘りの勝負となる。

　本馬の前走万葉S(OP･芝3000m)はレースの上がりが34秒1という、明らかにこの馬にとって苦手なタイプの競馬ながら、勝ち馬からアタマ、クビ差の3着と健闘した。よほどこの距離が合うのだろう。3歳秋の菊花賞(G1･芝3000m)は前半引っ掛かった上に、2周目の向正面で挟まれて最後方まで後退する不利があったので参考外。今回はこの馬が得意とする持続力勝負となる可能性が高い。スタミナと粘りの血統の真価を発揮するはずだ。

※月曜段階の予想ですので回避馬が含まれるケースがございます。あらかじめご了承ください。

　3000m以上の距離の古馬重賞は、ステイヤーズS、ダイヤモンドS、阪神大賞典、天皇賞（春）という流れ。ダイヤモンドSはその中で唯一のGIII戦で、なおかつハンデ戦ということで、荒れる要素が満載になっています。

　ここ2年は本命サイドで収まっていますが、2012年は15番人気のケイアイドウソジンが逃げ切り。2005年の勝ち馬ウイングランツも10番人気でしたし、それを含めて二桁人気の3着以内が過去10年間で6回あります。無欲の穴馬の激走に期待が持てるレースです。

1.差し・追い込み有利

　小回りの中山や直線平坦の京都で届かなかった馬が府中なら届く、というのがこのレースのお決まりの決着パターン。前哨戦となるステイヤーズS、万葉Sともに開幕週のレースなので、そこでの先行好走履歴は割り引いて考える必要があります。

2.1着候補は若い馬から

　長距離路線はベテラン世代が幅を利かせるジャンルで、毎年高齢馬が出走表の過半数を占めるような状況になりますが、それでも勝ち切るためにはフレッシュさが必要です。過去5年の勝ち馬のうち4歳が3勝、5歳が1勝。高齢のリピーターは2着付け、3着付けの狙いが効率的です。

3.府中の長距離はハーツクライ

　昔は「府中の長距離はトニービンという格言がありましたが、いまではそのポジションをハーツクライが受け継いでいます。ハーツクライ産駒がこのレースに出るようになってから去年で3年ですが、2勝、2着1回と早くも御用達重賞の様相を呈しています。

　フェイムゲームは昨年の勝ち馬。前走のAJCCは有馬記念を除外になって間隔が開いていたところに前残りの展開になって、まったく持ち味を発揮できませんでした。遅咲きのハーツクライ産駒で、5歳になる今年はさらなる活躍が期待できます。

　ラブイズブーシェは京都記念を回避してここに狙いを定めました。東京の長距離では目黒記念2着の実績がありますし、田辺騎手への乗り替わりも魅力的。シャンパーニュは万葉Sを積極策からの小差2着と好走。祖母が名牝ファビラスラフインという良血馬で、4歳の上昇度に期待。

　ファタモルガーナは7歳馬ですがまだキャリアは少なく上がり目を残しています。戸崎騎手との新コンビも2走目で、6着に終わった一昨年以上の成績が期待できます。ステラウインドは万葉Sの勝ち馬で、相性のいい蛯名騎手への乗り替わりで再度の好走も。

　メイクアップはスタミナたっぷりの4歳馬。格下の存在ですがハンデ戦なら。ネオブラックダイヤは大逃げという飛び道具を持っていて、再度横山典弘騎手とのコンビで不気味な存在です。

先週行われた京都記念、もしくは今週行われる小倉大賞典を予定していたラブイズブーシェの参戦によって一気に難解度がアップ。乗り難しいタイプでラブイズブーシェと言えば、そんな癖馬をなんなく乗りこなしてきた古川騎手が主戦を務めていたが、ここは田辺騎手にスイッチ。古川騎手なら本命にするつもりだっただけに、この乗り替わりは本当に残念。

本命は北村宏騎手が主戦を務めているフェイムゲーム。昨年は55キロで勝利。昨秋のアルゼンチン共和国杯は57キロで快勝。東京での走りなら58キロになったところで大きな影響があるとは思えない。

やはり指数の高い馬にハンデが乗せられていて、上手くできているなと感心してしまう。能力と斤量をどう見るかというところが勝負だろう。距離トップは○フェイムゲーム。だが平均値で◎ラブイズブーシェに逆転されておりハンデもちょい乗せられた感じ。ならば◎のほうが上。距離未経験ながら平均値3位かつ前走も101で走っている55キロ▲ニューダイナスティでも勝負になる。以下はコース指数高い☆ステラウインド。△にも指数前走値などが高い面々を入れておきたい。

昨年の覇者16フェイムゲームが連覇を飾る!前走12着は典型的な前残りの流れで不完全燃焼だったが重賞勝ち2勝を誇る東京なら有利。58キロのトップハンデだが得意の長丁場なら主役を演じる。対抗は叩いた効果で上積みが見込める2ステラウインド。東京には実績があり差はない。▲は復調ムードの13アドマイヤフライト。