【お薦め度B】

11番　サクラゴスペル

　4走前は上位を追い込み勢が占める流れの中、逃げて0.3秒差に踏ん張りました。<8>着という着順以上に内容は濃いですし、またこちらは休み明け緒戦でもありました。今回は、先行馬が全くと言って良いほどいない組み合わせ。同馬でも楽に好位置より前をキープすることが出来るでしょう。展開面の恩恵が大きいだけに、是非とも注意を払いたい存在です。

◎(お薦め度C)1000円・(お薦め度B)3000円・(お薦め度A)10000円を資金として、明快かつ儲ける競馬にこだわります。

　過去10年の京王杯SC優勝馬のうち、5番人気以下だった馬は下記の通り。

2005年　アサクサデンエン/標準トラック

2007年　エイシンドーバー/標準多め坂路

2009年　スズカコーズウェイ/標準多め坂路

2010年　サンクスノート/標準多めトラック主体

2014年　レッドスパーダ/標準多め坂路

　5頭のうち、4頭に共通する調教タイプが「標準多め」。距離の短い重賞ですし、馬場が軽い東京競馬場という印象ですが、追い切り本数の多さが人気以上の走りを発揮させてくれるレースということでしょう。特に標準多め坂路がよいというのは、短距離重賞ということで納得できます。

　◎タガノブルグは前走マイラーズCで復調気配を感じて◎を打った馬。さすがに後方すぎて見せ場のないレースに終わりましたが、勝ち馬とは0.8秒差だったように、完敗だったわけではありません。今回の最終追い切りでも、クロッカスS2着、NHKマイルC2着の時のように坂路での最終追い切りが14秒台、13秒台、12秒台という加速ラップが踏めており、今回に関しては、ラスト1Fが12.8秒でまとめています。簡単に見限ることはできない馬でしょう。

1.インプレスウィナー
今回：標準坂路
前回：標準坂路主体

2.ダンスディレクター
今回：標準併用
前回：乗込坂路主体

3.ウインマーレライ
今回：標準併用
前回：標準併用

4.エールブリーズ
今回：標準坂路
前回：標準多め坂路

5.タガノブルグ
今回：標準多め坂路
前回：一杯平均坂路

6.アフォード
今回：標準坂路
前回：馬ナリ平均坂路

7.ダンスアミーガ
今回：標準多め坂路
前回：標準坂路

8.オメガヴェンデッタ
今回：馬ナリ平均坂路
前回：標準坂路

9.サトノルパン
今回：軽目トラック
前回：標準坂路主体

10.ブレイズアトレイル
今回：一杯平均坂路主体
前回：標準多め併用

11.サクラゴスペル
今回：馬ナリ平均併用
前回：標準併用

12.ニシノビークイック
今回：標準坂路
前回：標準トラック

13.ダイワマッジョーレ
今回：馬ナリ平均坂路
前回：標準多め坂路

14.プリンセスメモリー
今回：標準多め坂路
前回：標準多め坂路主体

15.ヴァンセンヌ
今回：標準少め坂路
前回：標準坂路

16.バクシンテイオー
今回：馬ナリ平均併用
前回：標準併用

17.クラリティシチー
今回：標準トラック主体
前回：標準多め併用

18.ショウナンアチーヴ
今回：標準坂路
前回：乗込坂路

【上位拮抗】ヴァンセンヌは4連勝で重賞制覇と本格化示す。休み明けも力強い動き見せ好仕上がりでさらに連勝を伸ばす。一昨年の覇者ダイワマッジョーレも好気配。1400なら巻き返し必至。クラリティシチーは力量アップ顕著。末脚堅実で展開次第では差し切りも。ダンスディレクターも力をつけており重賞でも。サトノルパンも上向きで、ブレイズアトレイルやサクラゴスペルなども差なく要警戒。

【7Fがベストと常々宣言】二年越しの京王杯SC優勝にダイワマッジョーレが意欲満々。一昨年のマイルCS2着以降、体調が戻りきらず、チグハグな競馬が続いた時期もあったが、昨年暮れの阪神Cはハナ・クビの3着。続く阪急杯は外一気の快勝。高松宮記念は出遅れやコース取りは想定内として、基本的に1200mは短い。ただ、最速の上がりをマークしたあたりに、目下の充実度やデキのよさがうかがい知れる。鞍上のデムーロも、ベストは1400mだと、常々主張している。

対抗はクラリティシチー。東風S勝ちでマイル適性を確認し、ダービー卿CTでは走破タイムを1分32秒8に短縮。勝ち馬に想像外の脚を使われ2着に敗れたものの、トップマイラーへの筋道を一戦ごとに描けている。

一角崩しがあればサトノルパン。昨年のちょうど今頃、3歳の春。500万条件戦ではあったが、当該1400mで上がり33秒0をマーク。兄クラレントやレッドアリオンたちも、歳を重ねるごとに重賞マイラーとして進化してきた。ルメールのシャープなハンドル捌きも込みで単穴に抜擢。

ヴァンセンヌは、安田記念へ向けて、ここはタイムトライアル。連勝の内容にケチをつけるわけではないが(笑)、同馬が走るときは何故か渋めの馬場、その恩恵が大。ただ、東京新聞杯は好位のポケットで我慢。7F近辺でツツツと一気に、ノシ上げていくスピードを思えば、本質は1400mホースではないか。

ダンスディレクターは、斑鳩Sが1分20秒2・上がりが33秒1。記録面では重賞レベルに追いついているが、まだ坂コースに課題が残っている。タガノブルグは、1400mに1分19秒6の持ち時計あり。昨年のNHKマイルC2着の4歳馬だ。

　個人的に馬券を買っていて楽しいのが芝1400m戦。いまはペースが緩みがちなので、1600mでそのような競馬に慣れてきた馬は1400mでワンペースの流れになると意外に苦戦する。一方で純然たる1200mタイプはスタミナに不安が出る。その結果として、1400mがベストというか1400mでしか走れないという馬が穴になることも多い。

　今回のメンバーで、格だなんだということを抜きにして「1400mなればこそ」という馬は◎エールブリーズだろう。昨年の3着馬だが、その後はオープンで芝1400mの良馬場を走る機会がなかった。ここでこそ買いたい馬だ。ただ、また3着という結果は十分に考えられるので、馬券にはワイド流し。できれば2つ当たるとありがたい。

　○にサトノルパン。この馬はマイルにも対応できるが、1400mで[2-1-1-0]という結果を単純に評価したい。▲にオメガヴェンデッタ。セン馬になるようなタイプだけに、緩急のあるレースよりはフラットに流れるほうが折り合いもつけやすいだろう。

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　◎ヴァンセンヌは｢ディープインパクト×ニホンピロウイナー｣という組み合わせ。母フラワーパークは現役時代には高松宮記念(G1)、スプリンターズS(G1)を制し、JRA賞最優秀短距離馬に選ばれた名スプリンター。ハイペリカム≒チャイナロック6×4、ハイペリカム≒オリオール6×6が同時に生じる本馬の配合は高く評価できる。ハイペリオンをベースとした底力の上に、フラワーパークのスピードとディープインパクトの瞬発力が加わり、高い資質を備えたマイラーとなった。

　二度にわたる故障で戦線離脱していた期間が長かったため、6歳馬ながらキャリアはまだ11戦。なおかつ成長力豊かな血統なのでまだまだ伸びしろがあるはずだ。行きたがるところがある馬なので距離短縮は問題なく、終いは確実に脚を使うので東京コースは2戦2勝と相性がいい。高速馬場もこなすと思われるが、今開催の東京芝コースは例年ほど速くないので馬場に苦しむことはないだろう。

※月曜段階の予想ですので回避馬が含まれるケースがございます。あらかじめご了承ください。

　安田記念に向けた前哨戦ですが、このレース自身も今年で60回目という長い歴史を誇ります。近年では安田記念にはあまり直結しない微妙な立ち位置が定着してしまいましたが、春の府中には欠かせない風物詩的なレースとして親しまれています。

1.ベテランの好走が目立つ

　昨年は8歳のレッドスパーダが快勝。一昨年2着のトライアンフマーチは7歳でしたし、その他にもトウショウカレッジ、オレハマッテルゼ、テレグノシスと7歳馬の活躍が目につきます。若さや勢いよりも、ベテランのキャリアを重視すべきレースだといえるでしょう。

2.高松宮記念凡走馬が巻き返す

　昨年は高松宮記念1着のコパノリチャードが7着に沈み、17着だったレッドスパーダが勝ちました。2011年3着のジョーカプチーノは高松宮記念では10着、2009年2着のトウショウカレッジは高松宮記念では4着など、高松宮記念では好走した馬より凡走していた馬の方がむしろ狙いやすくなっています。

3.条件戦からの上がり馬に注目

　前走で芝の準オープンを走っていた馬が、過去10年で2勝、2着2回、3着1回。全体で13頭しか出走がない中でこの数字をマークしています。ほとんどが人気薄での好走でもあり、とくに注目すべきステップだといえるでしょう。

　ダイワマッジョーレは一昨年の当レースの勝ち馬。前走の高松宮記念は出遅れも響きましたが、そもそもスプリント戦はこの馬には忙しすぎました。重賞を2勝している実績馬が他馬と同斤量の56kgで出走できるのですから、ここは巻き返して当然のレースだと言えます。

　ダンスディレクターはここまでほとんど凡走がない安定株。5歳にして条件戦を卒業して、満を持して重賞に挑戦してきました。初の関東圏への輸送は課題ですが、脚質的に東京コースはプラスでしょう。オメガヴェンデッタは全4勝を挙げている1400こそがベストの距離で、谷川岳Sを叩いての臨戦は予定通りの行動です。母のビハインドザマスクは同じ距離のスワンSを勝った名牝。冴え渡る横山典弘騎手の手綱捌きにも注目が集まります。

　ヴァンセンヌは4連勝で東京新聞杯を突破したこの路線最大の上がり馬です。母は名スプリンターのフラワーパークですが、本馬はマイル以上の距離ばかり使われていて、今回は初の短距離戦への対応が最大の課題になります。レッドファルクスは左回りの短距離戦のスペシャリスト。母はこのレースを連覇したスティンガーの全妹という血統背景の持ち主で、準オープンを勝ったばかりでも侮れません。

　クラリティシチーはダービー卿チャレンジTでは2着に終わりましたが、勝ったモーリスが別格の強さでしたから、この馬も恥ずかしい内容ではありません。この距離は初めてですが、前走は好時計でしたから対応は難しくないはず。アフォードは1400mにはほとんど実績がありませんが、昨年の当レースでは8着ながら上がり3Fは最速タイムをマークしています。どんなレースでも自分の脚は使う馬ですし、7歳でも衰えは見られません。前走から2kg減で出走できる今回は警戒が必要です。

本命は現在4連勝中のヴァンセンヌ。出遅れ、掛かってしまうなど粗削りながらも勝ち上がってきたあたりが素質の高さ。折り合いを考えると1400mはむしろ歓迎。たしかに、持ち時計の点での実績はないが、それは展開とこれまでの馬場の問題だろう。

相手には今季立ち直って3歳春の輝きを取り戻したクラリティシチー。決め手はこの中に入っても屈指のサトノルパンが続く。

距離コース高い馬もチラホラいるが、それでいても平均値の低い馬は度外視。主力扱いは平均値上位からだ。前走117の▲ダンスディレクターはかなり良い指数。だがコース経験ないのがGIIでは痛い。やはり前走104と低くてもほかが高い◎ダイワマッジョーレが本命となる。前走108で距離コースでも113を持つ○サトノルパンも争覇圏内。指数揃っている☆サクラゴスペル、△クラリティシチー。大穴は距離113で平均値でも103の△プリンセスメモリー。

折り合いに一抹の不安は残るが差し脚に威力ある2ダンスディレクターを推す!速いタイムは歓迎でロスなく運べれば重賞Vのシーンは可能だろう。次位は一昨年の覇者13ダイワマッジョーレ。条件はベストで得意コースで逆転は十分。▲は確実に地力がアップしてきた9サトノルパン。