新しい中京競馬場になってから行われているCBC賞は過去3回。1着から3着馬の最終追い切り場所と（）内2F時計を明記してみると、

2012年
1着　ＣＷ
2着　栗東坂路（24.6秒）
3着　栗東坂路（24.7秒）
※ＣＷは2F時計なし

2013年
1着　栗東坂路（24.7秒）
2着　栗東坂路（25.0秒）
3着　栗東坂路（24.2秒）

2014年
1着　栗東坂路（25.1秒）
2着　栗東坂路（24.4秒）
3着　栗東坂路（24.9秒）

　馬券圏内9頭中、8頭の最終追い切り場所が栗東坂路。そして、7頭が2F時計が25.0秒以下ということになります。昨年の優勝馬トーホウアマポーラが25.1秒でしたから、ここで0.1秒余裕を持たせることも検討しましたが、本命候補としては圧倒的多数の25.0秒以下でよいでしょう。

　該当馬が6頭いる中でも、◎タガノブルグを選択した理由は1週前追い切りと最終追い切りのギャップ。1週前追い切りはパラダイスSに出走したエールブリーズのすぐ後ろで単走追い切りでしたが、完全に脚が上がって、見た目には決して評価できない動き。しかし、秋山真一郎騎手が跨った今週の追い切りは最後まで余力十分に、力強く駆け上がってきました。そして4F時計は52.0秒なので、見た目だけでなく、数字的にも評価できます。

　陣営は良馬場条件というコメントを出していますが、雨が降り続く中でこの動きができれば、決して雨馬場が悪いとは思えません。確かに過去実績では良馬場以外では2戦惨敗ですが、重馬場のかえで賞ではメンバー2位の上がり時計をマークしており、着順が悪かっただけと判断してよいでしょう。馬場が悪くなれば、馬群は捌きやすくなるでしょうし、標準多め坂路の調教タイプが絶対に活きてくるはず。

1.セイカプリコーン
今回：標準坂路
前回：標準多め併用

2.フレイムヘイロー
今回：標準少め坂路
前回：標準坂路

3.マコトナワラタナ
今回：標準多め坂路
前回：乗込坂路

4.トーホウアマポーラ
今回：軽目併用
前回：馬ナリ平均坂路主体

5.レオパルディナ
今回：軽目併用
前回：乗込併用

6.ウリウリ
今回：標準多め併用
前回：馬ナリ平均併用

7.ダンスディレクター
今回：標準併用
前回：標準併用

8.ジャストドゥイング
今回：急仕上げ坂路
前回：標準坂路

9.ベステゲシェンク
今回：軽目併用
前回：馬ナリ平均併用

10.ベルルミエール
今回：軽目トラック
前回：馬ナリ平均トラック

11.レオンビスティー
今回：一杯平均併用
前回：標準多め坂路

12.タガノブルグ
今回：標準多め坂路
前回：標準多め坂路

13.サドンストーム
今回：標準坂路
前回：標準多め坂路

14.ホウライアキコ
今回：標準坂路
前回：標準少め坂路

15.レッドオーヴァル
今回：標準坂路
前回：標準多め坂路

16.ベルカント
今回：標準坂路
前回：標準併用

17.ワキノブレイブ
今回：馬ナリ平均坂路主体
前回：標準坂路

18.ニンジャ
今回：標準坂路
前回：標準坂路

【6Fでさらにウリウリ】昨年の京都牝馬S勝ち以降、マイル戦線で足踏みが続いていたウリウリだったが、前走の安土城Sは、1000m通過が55秒9―1200m通過・1分7秒2というHラップを、中団前目で追走。勝負どころで内に包まれそうになりヒヤリとさせるシーンも見受けられたが、55キロの斤量で、余力をもって進路を切り替え1分19秒0のレコードで走破。6F短縮でさらにワンステップアップを予感させる、短距離の差し馬へと変貌を果たした。

対抗はベステゲシェンクの追い込み。シルクロードSは0秒2差、オーシャンSも0秒2差と、近二走のGIIIでメドを立てているが、1200m転身へのきっかけとなったのは、昨年暮れのクロフネCの直線一気の快勝劇だった。割って入ればジャストドゥイング。思い切った距離短縮策が功を奏し、葵Sを1分8秒0・上がり33秒4で快勝した、将来が楽しみな3歳馬だ。

京王杯SCは行くところ行くところで前が詰まり、脚を余したダンスディレクターも、まだ前進の余地を残している。サドンストームはGIの高松宮記念を4着と好走。GIIIなら57キロでも勝負になる。良馬場が条件となるが、レッドオーヴァルの切れ味も見限れない。

　CBC賞はハンデ戦になってまもない重賞なのでデータで傾向を計れないが、スプリントのハンデGIII全体の傾向として、「前走内容が目立たない程度に良い」という馬が狙い目だ。目立たない程度、というのが難しいところだが、着順でいうと3-4着くらい、さらに今回前進を期待できる要素があるとさらに良い。

　◎はベステゲシェンク。オープンに上がってからGIIIで4→3着だから、ここで馬券に絡む資格は十分。シルクロードSのときよりハンデは1キロ増えたが、大きな問題ではない。オーシャンSでは斤量の恩恵がない別定で好走している。

　もうひとつこの馬にとって良いのは、中京芝1200mというコース。あらゆる芝1200mの中で最も差しが届きやすいコースで、この馬自身3走前にはそれを生かして準オープンを快勝した。前売りを見る限り意外と人気は伸びておらず、買い頃と考える。

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【上位拮抗】ダンスディレクターの前走は直線で前が壁になり脚を余した。鋭い決め手があり、重賞の速い流れの方が競馬もしやすそう。スムーズなら突き抜ける。ウリウリの前走はレコードタイムで快勝。重賞勝ちの実力馬で、初の6ハロンに対応できれば逆転も。サドンストームは高松宮記念で4着と健闘。末脚堅実で崩れない。レッドオーヴァルの近2走は道悪が影響した。ジャストドゥイング、ベステゲシェンク、ベルルミエールを押さえる。

　近5年のCBC賞3着以内馬の戦績を見ると、直結コースの阪神芝1400mと京都芝1400m外で激走した馬の好走が目立つ。たとえば、昨年のCBC賞勝ち馬は前々走で阪神芝1400mのうずしおS(1600万下)を1着、一昨年の勝ち馬は3走前に阪神芝1400mの阪急杯(G3)を連対、3年前の勝ち馬は前々走で阪神芝1400mの阪急杯(G3)を制していた。その他、CBC賞の馬券になった馬は、芝1400mで激走した馬が多く該当する。つまり、今回の舞台(1200m)より1ハロン長い距離(1400m)を得意にする馬が狙い目となる。

　◎ベルルミエールは、前々走にて直結コース阪神芝1400mの阪神牝馬S(G2)を7人気2着に激走した。このレースは同斤量で○ウリウリに先着しており、今回のハンデ差2.5キロは有利といえる。さらに直結コースの京都芝1400m外では、久多特別(1000万下)と長岡京S(1600万下)を連勝して、距離1400mを得意にしている。前走はマイル戦のG1、この馬に合わないレースだったので惨敗は気にならない。今回、1400m巧者が走りやすいレースに替わり、巻き返しを警戒する。

※月曜段階の予想ですので回避馬が含まれるケースがございます。あらかじめご了承ください。

　中京芝1200mのレコードタイムは1.08.0。中央競馬の芝1200mの中では、函館と並んで時計が出にくいコースです。また「直線が長くて坂がある芝1200m」というコース設定は、中央競馬ではここだけ。小回りや平坦ならスピードだけで押しきれても、このコースではそう簡単にはいきません。昨年1番人気を裏切ったベルカントも「小回りか平坦なら」というタイプでした。

1.距離短縮組が優勢

　中京改装以降昨年までの3年間の連対馬6頭のうち、4頭が前走で1400m以上の距離に使われていた馬でした。昨年に至っては前走1400m組が1-3着を独占。1200m専業の馬より距離短縮で臨戦する馬に分があるレースです。

2.非力なタイプは苦戦

　このレースを連覇したマジンプロスパーは馬体重500kg以上の大型馬ですし、昨年の勝ち馬トーホウアマポーラは牝馬ながら496kg。最後の坂でパワーが要求されるので、非力なタイプは割り引きが必要でしょう。

3.逃げ切りも追い込みも難しい

　このコースでは逃げ馬の成績が芳しくなく、改装後の3年間で馬券圏内に入ったのは一昨年2着のハクサンムーンだけです。かといって開幕週なので極端な前崩れも考えにくく、必然的に好位で立ち回れる馬が中心になります。

　ベルルミエールは阪神牝馬Sの2着馬。これまで3勝を挙げている1400mがベストですが、芝1200mでも3戦2連対ですから、最近使われる機会がなかっただけでけっして悪くありません。中京経験は一度だけ(ファルコンS4着)ですが、器用さと我慢強さがあるので向いている可能性は高いと見ます。

　トーホウアマポーラは昨年の勝ち馬。以降は勝ち星から遠ざかっていますが、GIIとGIしか使われていませんからそれもやむをえないところです。マジンプロスパーが連勝したように、当コースではリピーターには充分注意を払う必要があります。ジャストドゥイングはクラシック路線に乗りかけた馬ですが、一本調子の面があるので短距離戦が向くようです。葵Sは57kgを背負いながら完勝という内容で、4kg減の53kgは魅力的。馬格もあるので中京も向きそうです。

　ウリウリは安土城Sがレコードでの完勝、オープン特別では力が違うという競馬でした。4勝を挙げている京都がベストですが、中京でも勝ち鞍があり、初のスプリント戦に対応できれば。フレイムヘイローは韋駄天Sで大穴を開けました。左回りで直線が長いコースを得意としているので、中京替わりでも侮れない一頭です。

　ダンスディレクターは初の重賞挑戦となった京王杯SCでは12着と大敗しましたが、遅い流れに持ち味を殺された面もありました。今回は休み明けを叩いての上積みも見込めます。サドンストームは阪急杯と高松宮記念で連続して4着。強い相手と戦いながら崩れていないように充実ぶりが目立ちます。中京では一昨年の当レースで3着のほかファルコンSでも3着と相性の良いコース。

【ヒモ紛れ】地力はもちろんのこと、重馬場適性の高さと枠番、状態面などポジティブな材料が非常に多い13サドンストーム。57キロのハンデも実績を考えれば当然の話で、素直に筆頭評価としたい。相手のチョイスが難しいが、少しひねって09ベステゲシェンクと18ニンジャの2頭を上位に。◎からのヒモ荒れ狙いを、基本スタンスとしたい。

【小波乱】ダンスディレクターはこのコースに向いている。切れ味を発揮する。ウリウリは自在性で勝負。マコトナワラタナは好枠を生かして台頭する。

　ウリウリは、安土城Sをレコードで快勝。切れ味を生かすタイプなので本質的は良馬場の方がいいが、重馬場だったローズSで3着があるように道悪もこなせる。折り合いを考えると、レースがしやすくなる分、初めての1200mもむしろいい方に出そう。相手が強くなってハンデも増えるが、ここも首位争い。

　相手は、前走詰ってまったく追えなかったダンスディレクター、仕上がりいいサドンストームが有力だが、マコトナワラタナ、ジャストドゥイング、ベステゲシェンク、ベルルミエールも押さえておきたい。

高松宮記念4着の実績から13サドンストームを狙う。他力本願だが中京は末脚がフルに生かせる。うまく上りの掛かる展開になれば差し切りは可能だ。次位は6ウリウリ。上り調子にあり末脚は威力がある。距離短縮で55キロなら▲7ダンスディレクターも僅差。