カノンの父フォーティナイナーズサンはクレメントエルハーシュメモリアルターフチャンピオンシップS(米GI・芝2000m)勝ち馬で、ミスタープロスペクター3×4とトムロルフ4×4を持つ典型的な北米血脈。

　一方母ピアノレッスンは北米血脈とはほぼ無縁で、メジロティターン×サンオーイ(アリシドン＝アクロポリスの全兄弟クロスを持つ南関東の三冠馬)という重々しい欧州ステイヤー血統。

　この血脈構成の全く異なる両親の間に生まれたカノンは、アウトブリードで成長力に富み年齢を重ねるごとに母系のスタミナが顕在化してきて、今春の奥の細道特別勝ちや烏丸S2着のしぶとい内容はいかにもステイヤー然としていて、ここは雨で少し時計のかかる馬場も想定されるだけに狙ってみたい。

【資質信頼】グリュイエールが、軌道に乗りつつある。馬場差云々はさておき、デビュー二戦目に京都2000mを2歳レコードで突破したディープ×母系はクロフネ一族。春シーズンは、折り合いとそれに付随する距離も探ってきたが、相手よりは自己との戦いに敗れ結果を残せずにいた。しかしひと夏越した前走。鳴滝特別は、1000m通過・1分フラットのスローにも我慢が効き、20000m通過は1分59秒5。ラスト4F・11秒7―11秒2―11秒5―11秒4というレースラップを差し切っての2分10秒9。上がり33秒5も含め、器と素材を再確認できた。当日落ち着いていればV2は当然。

　アルバートとの追い比べが本線。二走前の1分59秒7は、札幌シリーズでは札幌記念に次ぐHレベル決着。2400mの本栖湖特別も、力で上がり33秒7で圧倒。アルゼンチン共和国杯にも登録があったが、除外は見えていただけに、「造りすぎ」も避けられた?馬場が渋れば、トゥインクルの単複も少々。函館の2600m、札幌日刊Sの完勝は、さすがステイゴールドの仔。重馬場になれば重賞でも穴を開けられる用意がある。エーティータラントは武豊の捌き。ダノンマックインは先手の利、エーシングングンはイン強襲に連下の活路を見出したい。

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【上位拮抗】グリュイエールの前走はメンバー最速の末脚で差し切り勝ち。決め手はこのクラスでも即通用する。アルバートは2連勝中と素質開花の兆し。末脚堅実で、昇級でも崩れず走れそう。エーティータラントの前走は着順ほど負けていない。流れひとつで上位に食い込む。ダノンマックインは前走のようにインでうまく立ち回れば。エーシングングン、タガノレイヨネ、ロングリバイバルを押さえる。

【波乱含み】先行指向が弱く、この条件でもある程度は前のポジションが欲しいところ。外枠からスムーズに競馬ができそうな13エーシングングンを、ここは本命に抜擢する。相手は、波に乗る02トゥインクルと展開有利な06カノンの2頭が上位評価組で、この◎○▲の組み合わせから流す馬券が主体。◎の単複勝負も面白そうだ。

【小波乱】トゥインクルは充実一途。好枠を生かす。折り合い面に進境を見せているグリュイエール。いい脚を持続できるアルバートも怖い。

全頭が平均値90以上で、ほとんどの馬が95以上という完全なる拮抗戦。どれがきてもおかしくない。それでも唯一の3歳で前走距離は違えど京都2200mを108で走っている◎グリュイエールが筆頭に見える。相手は同じく前走の良い○アルバートと▲カノン。☆トゥインクルも同じレベルにある。あとは△でいかに拾えるかの勝負。

目下、連勝中と勢いに乗る11アルバートが有力。スタミナは豊富で格上げでも額面通りならチャンスはある。対抗は重賞の好走経験から能力が高い8グリュイエール。