【上位拮抗】ファントムライトは体質安定し近走内容も良好。動き良くしまいも堅実で差し切りに期待。ハギノハイブリッドは京都新聞杯Vの実績馬。休み明けも活気十分で巻き返し必至。ケツァルテナンゴも力をつけており東京替わりもプラスで好勝負十分。アドマイヤフライトも前走使われ状態前進。ロンギングダンサーも展開次第で浮上可能で、マデイラやエックスマークなどにも注意したい。

【東京替りは光明】ファントムライトが広々とした東京替りで前進。福島記念も最速の上がりで3着に押し上げたものの、小回りコースは勝負どころで微妙に流れに乗り遅れ、大外に振り回されてしまった。ただし左回りのGIII・新潟記念は、適度に時計の掛かる重馬場やハンデの恩恵を受けたとはいえ、馬群をこじ開け飛んでくる芝にもめげず、辛抱強く3着に末を伸ばしている。東京コースは4戦1勝・3着2回と相性よし。東京マイルでは1分33秒4、東京1800mでは上がり33秒8をマークしたこともあり、ある程度の高速馬場にも対応可。

　対抗はハギノハイブリッド。少し記録は古いが、京都新聞杯を2分11秒0で制し、GIIIの函館記念では56キロを背負い、時計の出にくい洋芝2000mを1分59秒1という好タイムで2着した実力派。4着には敗れたがカシオペアSの1分46秒0も記録的には中身が濃い。

　一角崩しがあれば4歳馬ケツァルテナンゴ。アンドロメダSは一瞬伸びかかろうかという見せ場を作り、コンマ2秒差に善戦。オープンの流れや時計を前走で体感できた。

　ひとつ歳はとったがエックスマークは昨年の白富士S2着馬。同じOP特別のアイルランドTにも2着の好走歴がある。ここ数戦、展開や馬場に恵まれないが、ニューダイナスティの先行力を連下に一考。長期休養明けになるサトノアポロも、調教タイムの数値を見れば買いたくなる。

　白富士Sは施行条件の安定したレースなので過去10年の成績を振り返ると、4,5歳馬と6歳以上馬の成績差がかなり大きいことに気付く。今回は7歳以上馬がやたらと多いだけに、「若い馬重視」を貫けば、当たり外れは別として予想はシンプルになる。
　
　◎は今回唯一の4歳馬、ケツァルテナンゴ。その若さだけで大きなアドバンテージだし、プリンシパルSで好走しているコースというのも心強い。チチカステナンゴ産駒全体で見ると東京芝が良いわけではないが、雨か雪が降って時計のかかる馬場になれば、その観点から来る不安も払拭される。

　○には「若い順」を貫いて5歳のハギノハイブリッド。位置取りがどうなるかだが、逃げ馬不在&自身が距離延長ということを考えると好位になると見る。そうなれば決め手の無さをカバーできる。

　▲は年齢としては9歳になるがアロマカフェ。若いときは「湿って時計がかかる馬場での瞬発力勝負」に対応していた馬。今回はまさにそのような能力が問われそうだ。

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　◎エックスマークは｢ディープインパクト×アカテナンゴ｣という組み合わせ。イモータル(サウジアラビアロイヤルC-2着/父マンハッタンカフェ)の4分の3兄で、母ショアーは名馬シロッコ(BCターフ、独ダービー、コロネーションC)の半姉にあたる良血。

　東京芝2000mでは[0-2-0-2]という成績を残しており、前走のアイルランドトロフィー(4着)では直線でブレーキをかけて進路を立て直す不利があった。昨年の白富士Sでは2着と健闘している。昨年、1回東京開催でディープインパクト産駒は重賞2勝、2着2回、芝連対率31.4%と優れた成績を残した。今年は馬場にこれといった変化がないので同様の活躍が期待できる。本馬は母方に重厚なヨーロッパ血統を抱えており、渋り気味の馬場はむしろ歓迎(昨年は稍重)。

　馬を怖がるところがあるため大外枠はプラス材料で、2着と健闘した昨年も12番枠だった。3ヵ月半ぶりの実戦ながら仕上がりは問題なく、力を発揮できる態勢は整った。

【混戦】難解だが、この時期が得意で叩き一変が狙えるアドマイヤフライトを中心に抜擢。ファントムライトは差し脚堅実でここでも善戦以上が期待できる。ケツァルテナンゴも仕掛けひとつで上位争いに加わりそう。バロンドゥフォールは差し一手だが前がもつれれば食い込む余地が出てきそうだ。流れ込み図るハギノハイブリッド、エックスマークが穴。

12頭中9頭が平均値100以上。それ以下の3頭中2頭も前走で100超というほぼ全頭にとりあえずは可能性がある一戦。今日の東京の特徴のような指数並び。メインまでですでに大荒れしていることもあり得る。とはいえもっとも可能性の高い馬を探すと軸はやはり◎ファントムライトになる。相手に人気薄を選んでおきたい。

休養明けだが臨戦態勢が整った1ファントムライトが有力。追って長くいい脚が使えるタイプで東京向き。晴雨兼用の末脚からチャンスだ。次位は8ケツァルテナンゴでうまく好位で運べれば差はない。▲は9ハギノハイブリッドで能力は互角以上。

　金曜からの雨が早い段階で雪に変われば、開催すら危ぶまれる土曜の東京だが、いずれにしろ道悪馬場の巧拙の見極めが重要なポイントとなる。道悪での出走経験こそないが、◎はケツァルテナンゴとした。この東京2000mでは、昨年のプリンシパルSで2着という実績があるが、いかにも決め手勝負では分が悪いタイプだ。もとより東京開幕週は先行有利の傾向もあるが、今日の馬場なら強気の先行策で押し切れると見た。
　
　相手本線には、ファントムライトを。重馬場の福島記念のみならず、3走前の新潟記念も実質は重と言っていい馬場での3着好走だ。以下は、素直に地力を信頼して、バロンドゥフォール、ハギノハイブリッドの順とした。