過去3年の阪急杯優勝馬の調教タイプを列記すると、

2013年　ロードカナロア／標準坂路主体（栗坂）
2014年　コパノリチャード／標準坂路（栗坂）
2015年　ダイワマッジョーレ／標準坂路（栗坂）

　近年傾向を重視すると「標準坂路」で最終追い切りが栗東坂路から本命を選ぶことがベストと思われますが、これだけの材料だと、該当馬は多くなりすぎてしまいます。そこから◎オメガヴェンデッタを選択した理由。ひとつは安田隆行厩舎の勝負調教に該当したこと。最終追い切り場所が栗東坂路で、2F24.4秒以下、1F12.4秒以下なら、勝負調教に該当します。ちなみに2015年以降、安田隆行厩舎の勝負調教に該当した馬の成績は、

　[3-3-1-8]　単勝回収率476%　複勝回収率202%

　回収率的にもかなり優秀な成績を残しています。これを芝レースに限定すると[1-2-1-0]となり、複勝率は100%になります。この数字は2014年以前と比較しても上昇傾向にありますが、ひとつには「厩舎の細部にわたる調教内容の工夫」を挙げることができます。いつも同じような調教パターンではなく、坂路でのキャンターを2本乗ってみたり、追い切りにCWでの4F追い切りを利用してみたり、これまでの成績に満足することなく、常に上を見ている調整方針が結果を出していると思います。

　実際、オメガヴェンデッタが厩舎の勝負調教に該当したのは、デビューから16戦目の今回が初めて。最後の1Fが11.7秒という数字が出たのも今回が初めてですし、過去の厩舎管理馬で最終追い切り栗東坂路で1F11秒台をマークした馬では、2011年スプリンターズSを制したカレンチャン(11.9秒)を筆頭に芝の短距離重賞では素晴らしい成績を残しています。今回、この数字をマークできたということは、過去の偉大な先輩たちに続くことができる証だと思いますし、ここで結果を出して、ぜひとも高松宮記念へと駒を進めてもらいたいものです。

1.ダイワマッジョーレ
今回：標準坂路
前回：連闘

2.ルルーシュ
今回：乗込坂路
前回：乗込坂路

3.ブラヴィッシモ
今回：標準多め併用
前回：標準多め坂路主体

4.ヒルノデイバロー
今回：一杯平均坂路
前回：スパルタ坂路

5.ミッキーラブソング
今回：標準多め坂路
前回：乗込坂路

6.ティーハーフ
今回：標準坂路
前回：標準多め坂路

7.サドンストーム
今回：標準少め坂路
前回：標準少め坂路

8.マイネルアウラート
今回：一杯平均トラック
前回：一杯平均トラック

9.レッツゴードンキ
今回：標準坂路
前回：馬ナリ平均坂路

10.ダノンシャーク
今回：標準坂路
前回：標準坂路

11.オメガヴェンデッタ
今回：標準坂路
前回：乗込坂路

12.サカジロロイヤル
今回：標準坂路
前回：標準多め坂路

13.ミッキーアイル
今回：標準坂路
前回：海外

14.ゼロス
今回：標準坂路
前回：一杯平均併用

15.エールブリーズ
今回：標準坂路
前回：標準坂路

16.マイネルエテルネル
今回：標準坂路
前回：標準少め坂路

17.タガノブルグ
今回：一杯平均坂路
前回：一杯平均坂路主体

18.ケントオー
今回：一杯平均坂路
前回：標準坂路

【パドック速報対象レース】
当レースはパドック速報対象レースです。レース発走20分前に最終結論(印・買い目・見解)を公開します。パドックの気配で前予想と最終結論が変わる可能性がありますので、予めご了承ください。

5番：好仕上がり。枠有利。
8番：デキ良く、馬場も合いそう。
13番：やや余裕残しも抜群の張り。

【食らいつく】ダノンシャークに衰えなし。平成26年のマイルCS以降、勝ち星から遠ざかってはいるが、三走前の毎日王冠は直線半ばで一旦先頭、健在ぶりは示している。マイルCS、前走の阪神Cは、ともに前が塞がる不利。ルメールが乗っても捌き切れない、年齢を重ねても勝ち負けには何かしらの条件が必要なタイプではあるが、調教タイムひとつとってもデキ落ちはなし。別定の7F戦ならいつでも反転攻勢の用意がある。

　対抗はNHKマイルC優勝馬ミッキーアイル。昨年の阪急杯が2着、高松宮記念もきわどい3着に食い込んだGIホース。初コンビを組む松山が、前半3Fまでにフワッと折り合いをつければ勝機も見える。

　桜花賞馬レッツゴードンキは、マイルCSを逃げ粘って0秒5差に奮闘。7F戦の速い流れなら、無理に逃げなくとも好位で競馬が可能。距離短縮に前進の余地を残している。

　ケントオーも、1400mならGIIIでも流れに任せスパリと馬群を割れる。京都金杯はスローに泣いたオメガヴェンデッタも、直前の坂路を11秒8で登坂。今度は馬体も絞り込んだ。ヒルノデイバローは、シルクロードSで上がり32秒6を計時。芝にも1F延長にも、まだ新味がある。

各馬の上昇度・脚質・騎手・調教師・血統データを「先週最も儲かった」設定で解析。導き出された4頭の馬単・3連単ボックスで勝負！

なお、プレミアムサービス(※)にご登録されますと、中央競馬全レースで、上昇度・脚質・騎手・調教師・血統の項目を自由にカスタマイズして予想することができます。各レース情報ページの予想タブから「CP予想」にお進みいただき、ご利用ください。

※netkeiba.comのスマートフォン版・競馬総合チャンネルでは、プレミアムコースにご登録されますとご利用頂けます。

【波乱含み】レッツゴードンキは折り合い面を考慮して短距離路線へ。昨年の桜花賞を逃げ切り、前走のマイルCS6着でも先手を奪ったスピードを信頼する。ミッキーアイルも掛かる面があるが、一昨年のNHKマイルC勝ち馬で、昨年のこのレースも2着。7ハロンは守備範囲だ。京都金杯3着のミッキーラブソングは、ベストの7ハロンでもうひと押し。ダイワマッジョーレは昨年の勝ち馬で、変わり身に注意。ダノンシャーク、ブラヴィッシモ、マイネルアウラートを押さえる。

　◎ダノンシャークは、直結コースの京都芝1600m外で14年マイルCS(G1)を制した。また、直結コースの東京芝1600mで富士S(G3)を勝ち、複数の直結コースの重賞馬となる。阪急杯は、2年連続で阪神C(G2)からのローテとなる馬が1・2着を独占した(阪神Cで敗れた馬も巻き返している)。今年、唯一の該当馬となるローテーションは最適といえる。コース適性の高さとローテの良さから、穴馬として注目する。

　▲オメガヴェンデッタは、前々走にて直結コース京都芝1400m外のスワンS(G2)を3着に好走、前走は京都芝1600m外の京都金杯(G3)を2人気12着に凡走した。この馬は芝1400mで6戦2勝(3着以内5回)に対して、芝1600mは3戦0勝(3着以内1回)という1400m巧者で、前走マイルから今回1400mへの距離変更は大幅なプラス材料となる。同コース(阪神芝1400m)で勝利した実績もあり、巻き返しを警戒する。

※月曜段階の予想ですので回避馬が含まれるケースがございます。あらかじめご了承ください。

　高松宮記念に向けたステップレース。グレード別定で行われるため、GIII戦ながらGIIに近い格式を持つ重要な一戦です。中京競馬場が改装されてパワーを要するようになってから、1400m戦の阪急杯との関連性がより強まったようで、最近3年の勝ち馬のうち2頭がそのまま高松宮記念も制しています。距離は違うものの、高松宮記念に向けた最重要トライアルという側面も持ちます。

1.短距離馬が中心

　スプリンターとマイラーが混在する条件ですが、高松宮記念が直近という事情もあって、本気度が高いのはスプリンターの方。良績がマイルに寄っている馬は一枚割り引いて考えるべきです。

2.開幕週ながら差しも効く

　中団差しが過去10年で5勝を挙げているように、開幕週ではありますが差し馬が充分間に合うレースです。逃げ馬も3連対していますが、ローレルゲレイロ(2回)とコパノリチャードでいずれも人気馬でしたから、人気薄の逃げ・先行馬が恵まれる可能性は高くないといえるでしょう。

3.牝馬は苦戦

　パワーを問われる阪神が舞台ということもあって、牝馬はこれまで芳しい成績を収めていません。過去10年で[0-2-3-25]ですから、主力としての扱いは難しいところです。

　ミッキーラブソングは前走京都金杯を3着。脚質に幅が出て充実一途といえる近況ですし、阪神芝1400では過去[2-1-0-0]のパーフェクト連対。適距離に戻ってさらに前進が期待できます。小牧太騎手としてはこの日で勇退する橋口弘次郎調教師への餞としたいところでしょう。

　ミッキーアイルは古馬になってから勝ち星から遠ざかっていますが、唯一連対を果たしたのが昨年のこのレース。当時より1kg軽い57kgで出走できるのもプラス材料です。ケントオーは昨秋まで最下級条件を走っていた馬ですが、一気のブレイクでトップクラスまで躍進してきました。安定した末脚には重賞でも警戒が必要です。

　ダイワマッジョーレは近走不振ですが、昨年のこのレースの勝ち馬で、このコースに替わると一変した走りを見せることがしばしばあり、侮れません。57kgで出走できるダノンシャーク、芝にも目処をつけたヒルノデイバロー、短距離路線でスピードを活かしたいレッツゴードンキが押さえ。

【有終の美】ここは、橋口厩舎の05ミッキーラブソングを本命に推したい。いわゆる「有終の美」狙いではあるが、その裏付けとなるレース内容も良く、稽古で見せている動きも文句なし。枠番もいいところで、一発が十分に狙える。相手は、13ミッキーアイルと16マイネルエテルネルの2頭を上位に。この◎○▲の組み合わせから流す馬券で勝負。

【小波乱】ダノンシャークはスムーズな競馬で抜け出す。内枠を生かしてブラヴィッシモが前進。ミッキーアイルは体調良好。

前走数値は香港なので出ていないが、距離コースと平均値で最高◎ミッキーアイル軸でいいだろう。平均値高く前走値も100台なら○オメガヴェンデッタと▲ミッキーラブソング。距離コースないが前走値高い☆ヒルノデイバローが続く。平均値で続く△2頭と△レッツゴードンキも押さえたい。

海外遠征帰りだが臨戦態勢は整った13ミッキーアイルを狙う。昨年の2着馬で1400は重賞勝ちの経験がある。阪神にも実績があるなら鉄砲駆けの魅力は十分。次位は9レッゴードンキで桜花賞馬の実力はスピード戦で魅力。▲は5ミッキーラブソングで短距離向きの差し馬で展開次第では浮上の余地はある。